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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
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72 魔道具のためにできること 8

 とりあえず、迷宮の件は夢占さんの働きかけの結果待ちなので、私は魔道具を作るための材料を素材が集まった物から作成をしたりしていました。

 どれも初めて作るものばかりで、中には貴重なぞ材を使ったりもするので、やはり緊張します。

 ただ、素材を集める作業も甚兵衛さんとかぶらないように買い集めないといけないので、お互いの状況をこまめに確認しながら行っています。

 この辺はやはりスマホでやり取りできないのは不便に感じてしまいます。

 買っていいか、いけないかをその場ですぐ判断できないので、気分的に落ち着きません。

 そんな感じで、もどかしい思いをしながら、魔道具に必要な錬金術で作る素材を作っています。

 でも、いろいろ材料が必要なのですけど、錬金素材だけでこんなに材料が必要になるなんて、物凄く嵩張る物になったりしないか心配です。 




 そんなある日、お店に奏さんとお涼さんに二人がやって来ました。


 「こんにちは、お政さん。今日は茜さん達、いらっしゃいますか?」


 今日店番をしていたお政さんにそう話しかけます。


 「ああ、いるよ。ただ今は錬金の作業ををしているから、台所にいるお妙のところに顔をだしておいで。」


 「「はい、お邪魔します。」」


 お政さんの言葉にそう答え、足を洗ってから上がり込んで、お妙ちゃんのところに向かっていきました。




 「お妙ちゃん、こんにちは。」


 台所に入り、お妙ちゃんに奏さんが声を掛けます。


 「あ、こんにちは。こんな時間に珍しいですね。いま、お茶を用意してたので、お二人の分も用意しますので、今の方で寛いでいてください。」


 「お、ちょうどいい時にお邪魔したかな。」


 「なにかすみませんね。ほら、待たせて貰うわよ。あ、そうだ。茜さんとも話をしたいから、茜さんにも手が空いていたらこっちに来て貰えるか聞いてみてね。」


 「わかりました。声を掛けておきます。」


 お妙ちゃんの言葉を聞いた奏さんとお涼さんはそんなやり取りをした後、居間にに向かいます。

 お妙ちゃんは、お茶の準備が整うと、私を呼びに錬金術の作業所に向かいます。



 「失礼します。」


 扉が叩かれ、お妙ちゃんの声がしました。


 「はい、どうぞ。もうお茶の時間?」


 私はお妙ちゃんの声に反応し、お腹の具合からそう答えます。


 「そうなのですが、いま奏さん達が来て、お話があるそうなので、手が空いていれば一緒にお茶をしようと言っていたので声をかけに来たのですが、大丈夫です?」


 「お二人ともこんな時間にどうしたのだろ、うん、今手は空いてるから、一緒に行こう。」


 私は二人が来た理由が思い浮かばないので、そう答える。

 そして、二人が来た理由が気になり簡単な片付けだけして、すぐにお妙ちゃんと一緒に向かいます。

 



 「お待たせ。こんな時間に二人で顔を出すなんて珍しいね。」


 私は今で寛いでいる奏さん達にそう声を掛けます。


 「ちょっとお使いがてらにね。今時間は大丈夫なの?」


 「うん、大丈夫だよ。」


 「じゃぁ、四人でちょっとおしゃべりをしましょう。」


 「お涼、違うでしょ。今日はお仕事の件で来たの。いい?」


 二人は騒がしくそんなことを言っている。

 お仕事?私に何か頼みでもあるのかな?できるかぎり協力したいけど、さて。

 私はそんなことを考えながら座るとお妙ちゃんが私達にお茶とお菓子を手前に置いてくれる。


 「しかし、いい生活しているわね。」


 お涼さんは、お茶とお菓子を早速つまみながらそう言う。


 「そうなのかな?」


 「そうよ。」


 「だよね。お菓子なんて、私達はハレの日でもないと食べられないの。それなのにあんたらは普通に食べてでしょ。」


 私の言葉にお涼さんだけでなく、奏さんもそう言ってくる。

 まぁ、確かにまだ甘い物は貴重品だけど、今までなんかしらお菓子を毎日食べていた身には、これくらいの贅沢はしたい物なのですよ。

 なんたって、金ならあるしね。

 そう思っていると、隣のお妙ちゃんは奏さん達に、謝っています。


 「そうですよね。すみません。」


 「ちょっと、何で謝ってんの。お妙ちゃん。」 


 私は悪くないでしょと思い、お妙ちゃんを非難する。


 「でも、やっぱりこれは贅沢ですよ。」


 「ちゃんと私が稼いだお金で食べてるのだから、いいでしょ。」


 「いいなー。そんなに稼げて。」


 私達の言い争いにお涼さんがそうちゃちゃを入れてきた。


 「もう、ちょっと何言ってるの。もう、さっさと本題に入るわよ。」


 なかなか本題に入れずにいた奏さんもそう言って割り込んできた。

 そうでした。お話があったのですね。すみません。

 そう反省していると、お涼さんが早速用件を話した。


 「今日は、私達が来たのは、なんと筆頭に頼まれたからです。」


 「え?もしかして攻略の話に進展があったのです?」


 私はお涼さんの言葉を聞いて、そう問い返します。


 「そうよ。それであたし達が来たってわけよ。」


 「それで、どうなったのです。」


 「そう焦らない。おかげで攻略の許可が下りたそうよ。」


 「で、本当は一門の屋敷に呼んで話しても良かったらしいけど、どうせ、まだまだ攻略は先になるから、今、来て貰ってもそれ以上話すことがないから、それで私達が伝えに来たって訳よ。」


 短く説明するお涼さんの言葉を受けて、奏さんがそう説明する。

 まぁ、確かに迷宮の奥に向かうとなると準備もそれだけ大変そうよね。


 「そうだったのですね。でも、許可が出たんだ。よかった。」


 これでご褒美に貰った権利が無駄にならなくてよかった。

 そう思い安堵する。

 さすがにこれが駄目になっても、ご褒美の権利は消滅してしまっただろうしね。

 そんなことを考えていると、隣に座っているお妙ちゃんも我が事のように喜んでくれた。


 「よかったですね。茜さん。」


 「うん。」


 こうしてお妙ちゃんも喜んでくれているし、攻略も成功させて無事に魔石を手に入れたいね。

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