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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
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71 魔道具のためにできること 7

 「……という訳です。」


 私は佐加里探題府での話をして、第二十三層以降の階層主の魔石を一つ譲って貰えないかという提案をした。

 もちろん、私やお妙ちゃんも攻略の手伝いはすると付け加えてだ。


 「だそうだ。佐助、譲ることは可能か?」


 「はい。まだ、第二十三層の魔石だけは行き先が決まっていませんが、貢献が報酬に釣り合いますかね。」


 「まぁ、許可が下りなければ攻略はかなわないし、今の許可部門の官吏が今のままじゃ、首を立てには振らんだろう。ならば、仕方がねえんじゃないの?」


 「確かにそうですが。」


 「それによ。口だけでなく、体も使ってくれるって言ってんだ。そこも考えてやってくれや。」


 渋い顔をする佐助さんに仁藤さんはそう言って、便宜を図るように言ってくれる。

 まぁ、佐助さんも私に甘い裁定を出すと他の人からも足元を見られるだろうから、簡単には首を縦に振ってくれないよね。

 そう思っていると、私の横で話を聞いていた九重さんが口を開いた。


 「それなら、俺も手を貸そう。単独で第二十層を踏破するためにも、役立つしな。」


 「ふむ。九重殿も助力願えるのですか。」


 それを聞いて、佐助さんは更に考え込む。


 「え、いいの?九重さん。」


 私は驚いて、そう聞く。


 「構わんさ。それに先程も言ったように単独踏破のための下準備にもなる。」


 九重さんはそう言ってくれたけど、これから単独踏破の準備とかもあるのに大丈夫なのかな?

 でも、佐助さんの反応は良さそうだし、一緒に旅をするなら、九重さんにも役立つものだから、甘えちゃいましょう。


 「ありがとう。」


 「で、どうするよ。佐助。」


 まだ、考え込んでいる佐助さんに仁藤さんはそう言って、決断を迫る。

 九重さんほどの強者が攻略に加われば、成功率も上がると踏んだのでしょうか?

 佐助さんも決心したようで、こう言ってくれました。


 「仕方がありませんね。攻略の許可が下りなきゃ、手に入る物も入りません。それに九重殿が協力いただけるのなら心強いです。良いでしょう。」


 「なら、決まりだな。じゃぁ、茜、話をつけてくれや。」


 「お願いしますね。茜さん。我々の四方八方手を尽くしていたのですが、なかなか許可が下りずに、困り果てていたのです。」


 「はい。頑張ります。」


 そう言って、私は『光陰星霜』を後にして、佐加里探題府にある魔法司に向かう。


 

 道すがら、今更ながらお妙ちゃん本当に迷宮に一緒に潜って大丈夫なのか、あらためて確認する。


 「ねぇ、私達がどこまで潜ることになるかわからないけど、お妙ちゃん本当に迷宮に潜って大丈夫なの?多分すごく危険だよ。」


 「何言っているんですか。茜さんの無事をお店で待っているよりは、一緒に迷宮に潜っている方が安心できますし、なにより茜さんに協力できるのが嬉しいのです。だから、心配しないでください。」


 「そ、そう。」


 「それに茜さんと一緒にいられるのもあとわずかですし、その間なるべく一緒にいたいです。」


 「ありがとう。まぁ、でも、九重さんがまだしばらくかかりそうだし、私の魔道具もまだまだかかると思うから、その間もっと楽しみましょうね。」


 「はい、いっぱい思い出を作りましょう。でも、お役人様のいる探題府は緊張してあまり行きたくありません。」


 「うん、思い出は作ろう。そう言えば、お妙ちゃんは探題府ではあまり会話に参加しないよね。」


 そんな感じでわいわい会話しながら、魔法司に到着します。



 受付のお役人さんに夢占さんに取り次いで貰います。

 すると、また仕事部屋の方に呼び出されました。

 まだ、忙しいようです。

 もしかして、私の魔法を見に来ていて、仕事が溜まってしまったとかじゃないよね。 


 前回同様に私達だけを置き去りにして、案内してくれた人は下がって行く。

 夢占さんは私達にかまわず、筆を進めている。

 なので、私達は座布団を取りだし、仕事の邪魔にならなそうなところに座り込む。

 やがて、きりが付いたようで、夢占さんは筆を置き、私達に話しかけてきた。


 「いらっしゃい。お待たせしました。それで昨日の今日で、どうしました?何か確認したい事でもありましたか?」


 「いえ、『光陰星霜』の攻略の件です。話をつけましたので、口添えしてくれますか?」


 「もう、話を付いたのですか? 攻略の口添えだけではそう簡単に譲って貰えないと思っていたのですが、驚きました。」


 私の言葉を聞いて、夢占さんは素直にそう驚きます。


 「まぁ、私だけでなく、お妙ちゃんや九重さんにも協力を頂いたので、割とあっさり、話がつきました。」


 「よくわかりませんが、そうですか。」


 「うん、えーと。私達が迷宮攻略を迷宮内で協力するということです。」


 「ほう、自身も危険な迷宮身を置くということですか、確かに錬金術師も一緒に潜ってくれると助かるでしょうね。」


 「そうなのですか?でも、実際は強い九重さんが一緒に協力してくれる言ってくれたのが大きそうですけどね。」


 「ほう。では、根回しをしておきまじょう。期待して待っていてください。」


 「はい。」


 「では、さっそくちょっと出て来ますね。それとお茶とお茶菓子が運ばれてきますので、食べてから帰って下さいね。私の分の菓子は後で食べると持って来た者に伝えておいてください。」


 そう言うと、夢占さんは立ち上がり部屋を出ていった。

 あれ、忙しいのではないのでしょうか?いいのかな?

 そんなことを口にする間もなく、出ていってしまったので、私達は茶菓子をいただいてから帰りました。

 お茶菓子をとっておくよう言ってたから、お菓子が好きそうだから、今度お菓子をお土産に持ってこようかな。

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