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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
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69 魔道具のためにできること 5

 探題府に向かいながら、お妙ちゃんに経緯を説明する。


 「はぁ、そんなことがあったのですね。」


 説明を聞きいて、お妙ちゃんはため息を漏らしながら、そう感想を漏らす。

 そう言いっぷりは、感心しての感想でなはいね。

 まぁ、いいです。


 「そうなの。だから、これからご褒美について掛け合ってみようということです。上手く行くといいね。」


 「でも、貴重な魔石らしいし、そううまく譲って貰えるでしょうか?」


 「そうだけど、聞いてみないと始まらないでしょ。」


 そうして、探題府の魔法司に到着する。

 受付で、夢占さんを呼び出して貰う。


 しばらくすると、夢占さんがいるところに案内してくれるということになった。

 あれ?忙しいのかな?

 そんなことを思いながら、言われるままに案内してくれる人について行く。

 案内人が部屋の中に声を掛け、私たちが来たことを告げる。

 部屋の中から、夢占さんの声で入って来るよう返答があった。


 中に入ると夢占さんが畳の間に正座をして、机の前に張り付き書き物をしていた。

 案内をした人は私達を部屋に入れるとさっさと下がって行った。

 私達は中でどうしたらいいか、立ちすくむことになる。


 「何をしているのです。適当に座わってください。座布団は後ろにあります。」


 書類に目を通したまま夢占さんは私達にそう声を掛ける。

 戸惑いつつ、私達は座布団を手に取り、仕事の邪魔にならないようにして、座り込む。

 仕事にキリがが付いたようで筆を置き、こちらに話しかけてきた。


 「すまないですね。待たせたました。今日はどのようなようで来たのです?魔法の登録の件はまだ手続き中ですよ。」


 「いえ、今日は違います。ほら、前回ご褒美の話があったでしょう?」


 「はい、ありましたね、何か思いついたのでしょうか?」


 何か今日は不機嫌なようだけど、仕事が忙しすぎるのかな?

 だったら、今日来たのは失敗だったかな。

 私は気を取り直し、用件を話す。


 「それは、ためですね。」


 夢占さんは私の言葉が終わるとすぐにそう言って、断られてしまった。


 「え?だめですか?」


 私は一応そう言って、粘ってみる。


 「だめに決まっているだろう。茜が欲しがっている魔石だといくらすると思っているもです。」


 「うーん、高いって言っていたので、金貨100枚くらい?」


 私の言葉を聞いて、手を頭に当てながら夢占さんは呟く。


 「まったく、何にもわかっていませんね。」

 

 「へ?」


 「恐らく、買うとなったらその百倍はくだらないと思いますよ。」


 「金貨一万枚ですか?」


 「まぁ、実際はそんな金用意できる人物はいくらもいないですから、もし売りに出てもほとんど買い手は付かないとかになるでしょうね。」


 「私では金貨100枚だって厳しいのに、それじゃ、とても買えませんね。」


 「そんな貴重な物ですので、今回の褒美では渡せまないということです。」


 「そうですよね。どうしよう。」


 「そう言えば、奏さん達の『光陰星霜』が迷宮の攻略の申請をしてましたよね。」


 「あー、なんか筆頭の仁藤さんがなんか言ってましたね。」


 「ほう、筆頭も知り合いでしたか、なら、そっちに話を持って行ってはどうでしょう?攻略の許可の話でしたら、今回の褒美で口利きくらいはしてあげますよ?」


 「それで、許可は出ますか?」


 「どうでしょう?今のままでは難しそうですが、私だけでなく、北方の長官も口添えして頂ければ、かなり確率が上がると思いますよ。」


 「ふむ。」


 「まぁ、『光陰星霜』に話を持って行ってみてもいいのでは?向こうも攻略ができれば、魔石の一つくらい融通してくれるかもですよ。」


 「え、でも金貨一万枚を寄こせなんて、あくどすぎません?」


 「ははは、ものは考えようですよ。今回の攻略は迷宮の確か26階層までのはずです。もし成功すれば、茜さんが欲しがっている魔石以上の物が五つ手に入るのですから、でも、現状だと手に入らない。なら、一つくらいならとなるのでは?もちろん手伝いなどいろいろ条件を詰める必要はあるでしょうけど、話を持って行って損はないと思いますよ。」


 「なるほど。」


 確かに現状のままだと手に入らない。

 だけど、私が手を回せば、かなりの魔石が手に入る可能性が出て来る。

 まぁ、交渉してみる価値はありそうです。

 ただ、命がけの挑戦を遠くから見て、魔石だけ貰うのも心苦しいですし、錬金術師として手伝いでまたあの迷宮に何日も潜らないといけない可能性は高そうですね。


 「茜さん、私も必要なら手伝いますので言ってくださいね。」


 お妙ちゃんもどうやら、手伝ってくれるみたいで、そう言ってくれた。

 しかし、お妙ちゃんにとってはただの面倒な事なのにここまで協力してくれるなんて、ありがたいね。


 「わかりました。ちょっと交渉してきます。上手く行ったら、夢占さんも協力お願いしますね。」


 私はそう言うと、夢占さんに頭を下げる。


 「はい。褒美分の働きはさせて貰います。それに迷宮攻略が成功すれば探題府も利益がでますしね。」


 「そうなのです?」


 「ええ、そうなのですよ。何のための許可制だと思っているのです。」


 そう言って夢占さんはニッコリと微笑みます。

 なんかそう言った仕組みがあるみたいですね。

 その辺に私は関わらないようにしましょう。


 「そうなのですね。よくわかんないですけど、まぁ仁藤さんと話し合ってみますよ。あ、でもその前に私の雇い主のお政さんとも話し合わないとか。では、ちょっと話し合ってきます。また、来ますので、その時はよろしくです。忙しいところ急にお邪魔して申し訳ありませんでした。」


 私はそう言って頭を下げ、お妙ちゃんを連れ立って退出する。


 「はい、頑張ってくださいね。魔法司も攻略が叶えば、迷宮素材が手に入りやすくなりますしね。」


 後半の言葉は良く聞き取れなかったけど、夢占さんはそう言って私達を見送ってくれました。


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