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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
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66 魔道具のためにできること 2

 魔法が完成した日、錬金屋のみんなにそのことを報告した時、お妙ちゃんには完成した魔法を見たかったと責められましたが、こればかりはめぐりあわせですから、仕方がないね。

 でも、そう言えば『異空間探査』が出来た時もお妙ちゃんいなかったね。

 そう考えると運がないねお妙ちゃん。

 ひととおり文句を言われた後は、お妙ちゃんも、ちゃんと祝ってくれた。

 お政さんも祝ってくれたが、私の魔法が公開されないと知ると、奏さん同様、魔法で名前が残せないのを残念がっっていた。

 私はそんなの目指していませんから、気にしなくていいですよ。


 それと今度、また奏さんとお涼さんに、老亀堂のお房さんを加えて、料理を教えることをお妙ちゃんに伝えておく。

 そして、その時教えるのに良さそうな料理を考えておいてもらう。

 私が考えるより、料理が上手いお妙ちゃんが提案した料理のほうが評判もいいしね。

 あと、こっちの人の味覚に合っている料理を選んでくれるというのもあるかな。


 それからしばらくは、魔道具については甚兵衛さんの設計図面の完成を待つことになる。

 料理会については、奏さんとお涼さんから、日程について提案があったので、私とお涼さんでお房さんのところに訪れて、料理会の日程を決定する。

 そのついでに、甚兵衛さんのことを聞いたら、ここ数日は図面とにらめっこしていて、食事も無理やり食べさせているありさまだと言っていた。

 それはそれで申し訳なく、私が思っていると、お房さんは作業に没頭するといつもこうなのよと言って、気にしないで欲しいと言ってくれた。

 なので今回は邪魔になるけど、甚兵衛さんに顔を合わせはどうしたらいいか、お房さんに聞いてみた。

 お房さんは、迷うことなく今会っても、心ここにあらずだから会う必要はないわよと言ってくれた。

 まぁ、私の依頼に頑張ってくれているのに会わないのもとも思うが、確かに邪魔するのも良くないしということで、お房さんの言葉に従うことにする。。


 でも、甚兵衛さんがそんな状態なのに、お房さん、私達と料理作ってて大丈夫なのかな?

 私のそんな疑問をお房さんに聞くと、お房さんは私にこう返してきました。


 「たまには、私も兄の面倒を見なくてもいいと思わない?」


 まじまじと見つめられ、お房さんは私の答えを迫ってきます。

 うん、お房さん、甚兵衛さんの面倒を見てきて、不満が溜まっているのでしょう。

 なら、ここは不満解消のためにも料理をしに来てもらうべきですね。


 「そ、そうね。わかったわ。」


 「でしょう。料理会は楽しみにしていますね。」


 私の答えを聞いて、お房さんは笑顔でそう言った。

 甚兵衛さんが研究者肌だから、実査にお房さんがお店を切り盛りしているのだろうから、さすがに迫力があるね。


 そんな訳で、日程が決まったので、今度はそれを伝えに『光陰星霜』の一門衆のお屋敷に向かいます。

 今日、門番に立っていたのは以前、九重さんと一緒に迷宮に潜った時一緒だった男の子のうちの二人だった。

 私達が挨拶をすると、向こうも私達を覚えていたらしく、「久しぶりだな。」と声を掛けてくれた。

 なので、彼らと少し世間話や以前の騒動についての話をする。

 彼らと話をしていると、今日はお涼さんも奏さんも迷宮に採集に出ているということがわかった。


 「そうか。いないのか。どうしようか、お妙ちゃん。」


 「どうしましょう。日程を伝えるだけなら、伝言でもいいのですけど、ちょっと料理のことについて相談したいことがあるんですよ。」


 お妙ちゃんは何か料理について何か相談したいことがあるらしく、そう言ってきた。

 ならば、出直した方がいいかもね。

 そう思ったので、私がそう提案すると、ならばと男の子達が私達に提案してきました。


 「なら、あいつらが戻って来たら、そっちに顔を出すように伝えておくよ。そっちの都合悪い日はあるかい?」


 「うん、魔法の創出は終わったから、私もお妙ちゃんも殆ど家にいるから、いつ来ても平気だけど。」


 「わかった。じゃぁ、あいつらに伝えておくよ。」


 「任せとけ。」


 男の子達がそう言ってきたので、まぁ、同じ一門のうえ、お互い全くしたない訳でもないので頼むことにした。

 そして、帰ろうとした時、聞き覚えのある声で呼び止められた。


 「よう。お嬢ちゃん達、うちの一門衆が迷惑かけていたら、遠慮なく言ってくれ。」


 振り返ると筆頭の仁藤さんが後ろに筆頭補佐の佐助さんを含めた、多分徒党の方々だろう。

 男の子達は筆頭にそう言われ、緊張のあまり固まってしまっていた。

 なので、仕方なく、私がそれに応える。


 「違いますよ。奏さん達に会いに来たのにいなかったので、知った顔だったから、戻ったら都合のいい時にうちに来て貰おうとお願いしていたのですよ。」


 「そうか。そういえばお嬢ちゃん、その若さで魔法を作ることに成功したんだってな。おめでとうよ。」


 「何で知っているんですか?」


 「そりゃ、奏やお涼は、そいつらと違って俺が筆頭だろうとお構いなしに話しかけて来るんでな。あいつらの手柄のように俺に語ってくれたよ。」


 仁藤さんは男の子達を指さしながら、そう言って笑った。

 あー、そう言えば、魔法のことを話さないようにとか、言ってなかったな。

 話が広まるのは恥ずかしいから、あとであの二人には他に話さないように伝えておこう。


 「そうなのですね。仁藤さんは大丈夫だと思いますが、このことを他に話さないでおいてくださいね。」


 「なんでだよ。自慢できることなんだから、触れ回って来いよ。」


 「いやぁ、公開できる魔法でないですので、変に騒ぎになっても困りますから。」


 本当は恥ずかしいからという理由だが、この手の人はそう言うと面白がって話されてしまう危険があるので、あえてそう理由付けをする。

 それに確かに非公開魔法なので、人に教えたりは出来ないから、この方がもっともらしい言い訳に聞こえるしね。


 「そりゃ、そうか。じゃぁ、俺からもあいつらにも広めないよう言っておくわ。それとあいつらに料理を教えてくれてありがとよ。」


 「私からも言いますが、仁藤さんも言っておいてください。ところでどうしたんですか?急にそんなこと言って。」


 一門の筆頭からも言われれば、更に大丈夫だろうと思い。

 仁藤さんからも注意して貰うようお願いして貰うことにする。

 あれ、でも急になんで料理の礼を言ってきたのだろう?それも疑問に思ってので、聞いてみた。


 「いや、最近はあいつらが他の一門衆にも教えたりしているので、俺達も教わっった料理にありつけるってわけさ。そんな訳で、屋敷でも美味い飯が食えるのでな。お嬢ちゃんにも礼を言っておこうと思ってな。」


 「そうなのですね。」


 ほうほう、ちゃんと練習しているのだね。

 でも、どうせならいい人にだけ振舞えばいいのに、というかそう言った話を聞いていなかったね。

 今度聞いてみましょう。


 「ああ、うちの一門衆は一部の獣人を除いて、教わった料理に夢中だぞ。」


 「あー、やっぱり獣人さんは苦手な人が多いですか。」


 「ああ、しかし、お前も獣人なのに平気なのか?」


 「私は大丈夫だけど。お友達のサキちゃんは大分苦手で、なるべく刺激がないようなのを作ってあげてます。」


 「そうか。その辺もあいつらに出来れば教えてやってくれ。」


 「そういえば、仁藤さんはたくさんの人と一緒だけど、見たとこ迷宮帰りでもなさそうですが、どうしたんです?」


 まさか、徒党で街中を威嚇で練り歩いてた訳ではないだろうし、何をしていたのかを気になったので聞いてみる。

 お妙ちゃんは私が急にそんなことを聞いたので、少し慌てていたが、まぁ、仁藤さんは怖い人でないから大丈夫でしょう。


 「ああ、ちょっと探題府に陳情をな。」


 「はぁ。」


 私は良く分からなかったので、そう答える。


 「まぁ、迷宮の奥に行くには事前に承諾を貰わないと行けないんだよ。そのお願いだ。まぁ、色よい返事は貰えなかったがな。」


 「そうなのですね。頑張ってください。」


 「ああ、お嬢ちゃんもいろいろ頑張ってるようだし、俺らもやるだけやるさ。」


 そんな会話をしてから、私達は別れを告げて、錬金屋に戻ったのでした。

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