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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
63/77

63 老亀堂にて 14

 今回は、私、奏さん、お涼さん、夢占さん、甚兵衛さんという構成で魔法創出をすることになる。

 前回で魔力を使う量を大分減らすことに成功したので、今回はその時に使った魔道具が今後も問題なく使えるかの検証も含めて行うことになる。


 「茜さん、この間はお弁当用意してくれてありがとう。美味しかったよ。お妙ちゃんにも伝えといてね。」


 「どういたしまして、うん、ちゃんと伝えておくね。なんせ、お妙ちゃんが手際よく作ってくれたから、間に合ったのだからね。」


 奏さんは私にお弁当のお礼を言ってくれたので、私もそれに返事をする。

 それを聞いて、甚兵衛さんも口を開く。


 「あ、お房も美味しいと言ってましたよ。今度作り方を教えて欲しいとも。」


 「あ、甚兵衛さんもちゃんとそんなこと言えるんだね。」


 奏さんは甚兵衛さんの言葉を聞いてそう言う。

 私も半分同意しながらも、言い方が失礼だと思っていると、お涼さんが奏さんの言動を非難した。


 「ちょっとその言い方失礼でしょ。」


 「えー、でも、出会った当時は喋ってもくれなかったのに、今はかなり打ち解けてくれたよね。ねー、甚兵衛さん。」


 奏さんは、悪びれずに甚兵衛さんに問いかける。

 確かに最近の甚兵衛さんは私達だけでなく、ときどき奏さん達とも会話をしているようだったし、他の人達ともだいぶ慣れてきたのかな。

 でも、そう奏さんにつ込まれても上手く返せすことが出来ずに黙り込んでいた。

 こう言ったたわいのない会話はまだまだだねぇ。

 私がそう思っていると、そんな甚兵衛さんに悪く思ったのか、お涼さんが助け舟を出してきた。


 「私達も時々、茜さんに料理を教えて貰っているので、今度やるときお房さんも誘いましょうか?ね、いいでしょ、茜さん。」


 「うん、一人増えたくらいでは問題ないからいいよ。」


 私も別に問題ないのでそう了承する。


 「では、決まりね。決まったら早めに伝えますから、このこと忘れずにお房さんに伝えて下さいね。」


 「は、はい。」


 お涼さんに言われた甚兵衛さんはそう回答する。

 会話に参加できない夢占さんは、面白くなさそうにしている。

 さすがに女性の料理会に男性の夢占さんは誘えないしね。な訳で、夢占さんは居ないことのように扱っておく。

 でも、こんなに毎回付き合ってくれてるけど、お役所の方は担当として来ていると説明しているようだけど許されるのかな。


 こんな調子でいつもどおりの練習場に到着する。

 私が準備している時に、夢占さんは何やら魔法を行使していた。

 準備が終わって戻った時に何をしていたのか、夢占さんに聞いてみたら、前回認識できなかった空間を認識できるか試してくれていたそうだ。

 結果は認識できなかったそうだ。

 そうなると一応今現在まで魔道具が動いていることになるから、あの空間自体にある程度の魔力があるということだ。

 だから、あとはあの魔道具を取りだして見て、魔力の濃度の増減がどれくらいあるかとうことがわかれば、こっちの問題はうまくいけば解決するのかな。


 そんな訳で、準備が終わった私は魔道具を取りだすために『異空間接続』を行う。

 今回は安全に取りだすために前回と同じ方法で魔法を行使する。

 魔道具を取りだしてみたけど、魔道具自体には特に変わったところはないようだ。

 それを甚兵衛さんに見せて、いろいろ調べて貰う。


 甚兵衛さんはかなりの時間、魔道具の計器のようなものとにらめっこしていた。


 「凄いですよ。これだけ魔力を使う魔道具なのに魔力濃度にほとんど、いえ、全く変化がりません。これならこれを問題なく使えます。」


 しばらくしてから、少し興奮気味に甚兵衛さんは言ってきた。

 それを聞いて、夢占さんは魔道具を甚兵衛さんから無理やり気味に引き剥して、その計器を見てみる。

 うん、言葉だけでなく、実際に目視で確認も大事だからね。

 しかし、あの計器みたいなの夢占さんも説明なしに見てわかるのは凄いね。

 夢占さんも問題なしと判断してくれた。


 その後魔道具から余計な計測機器を外して、また空間に戻すことにする。

 これが終わったら、いよいよ別の考え方の『異空間接続』を試して見ましょう。

 魔道具をしまった後、すぐには取りかからず、ある程度魔力が回復するのを待つ。

 一応、新しい試みが魔力消費減にならない可能性もあるし、実際に魔力を使って成功させて、改善点が判ることもあるからね。

 その間も、みんなで話をする。何か話の中に手がかりがあるかもしれないしね。


 「さて、魔力も戻って来たし、そろそろ新しく考えてみた空間魔法を試して見ますか。」


 「本当に新しい別な方法を思いついたのですか?」


 私の言葉を聞いて、夢占さんはそう聞いくる。


 「うーん、そこまで新しい方法ではないけどね。今の接続方法は空間がある場所まで穴を掘り進める感じでしょ。」


 「そうですね。でも、空間を繋げるってそれが普通では?」


 「だから、空を飛んでいく感じというか、ここからいきなり目的の場所に到達するという感じでやってみようと思うのですよ。」


 「それで魔法が繋がりますか?いくら魔法は想像力と言っても、確かに穴を掘る感覚を魔法行使時にも感じてるので、現実的に無理なことはできませんよ。」


 「まぁ、そこはうまくいくか、試して見るわけだし、それにそれぞれの空間が実際にどんな風に存在しているか実際にはよくわかってないから、こう言った方法で上手く行くかもしれなから試して見ますよ。思って無理だと諦めるより、試して失敗するが、まだ成功する可能性もあるからいいでしょ。」


 「なるほど、すみません。確かにそう言った柔軟な考えも必要なのかもですね。」


 「別に謝ることではないでしょ。いろいろ話してくれるから、自分の思いもしない考えが浮かぶかもしれないから、例え否定でも、ただの頭ごなしの否定でなく、自分の考えが合っての否定をするならいいと思いますよ。」


 私はそう言って、みんなから少し離れて、魔法を行使しようと試みる。

 うん、いい感じ。

 魔力を持っていかれるけど、それほど持って行かれているほどの感覚はない。

 上手くいくかな。

 そう思っていた時、私はつい余計な考えをこんなとこで浮かべてしまった。

 あ、異空間に直接行く感じって、転移させるてことだよね。なんか向こうで混ざり合って変な物になっちゃたりしないのかな?

 そんなことを考えた瞬間、魔力の流れが乱れて、かき消えてしまった。

 あちゃー、変なことを考えてしまったな。

 でも、あのまま行けばうまくいきそうだったよね。

 あと一回くらい試せるかな。

 そう考えながら、みんなの場所に戻る。


 「どうしたのです?途中まではいい感じでしたが?」


 「うん、あのまま成功しちゃいそうだったのに」


 夢占さんと奏さんが、魔道具で魔力の流れを見ていたので、戻ってきた私にそう言ってきた。


 「ははは、ちょっとあとちょっとの時に余計なことを考えちゃいました。でも、次こそはうまくいきそうです。」


 私は両手に力を籠め、頑張りますと表現しながら、そう言いましたが、その表現がうまく伝わらなかったみたいで、みんなには「はぁ。」という感じで受け止められた。


 そして、再び魔力を回復させてから、再び試すことになりました。

 その前に夢占さんが、私が魔力が回復する前に、私が試してみましょうか?と言ってくれましたが、最初の成功は譲りたくないのでそれはさすがに待って貰いました。

 夢占さんは早く結果が知りたいのだろうけど、私はやっぱり自分が初めて成功させて、魔法を作った喜びを味わいたいからね。

 私は所定の位置につき、呼吸を整え、魔法の準備をします。

 今度は余計なことを考えないよ。

 そう思ってから、魔法の行使を行います。

 さっきよりいい感じです。


 『異空間転送』


 ふっと言葉が浮かび、そう魔法を行使する時、それを想像します。

 魔力はうまく抜け、目の前に空間が開きます。

 どうやら、成功した?

 私は試しに、複雑な物の出し入れということで折り紙で作った折り鶴を出し入れして見せます。

 中に入れてから、取り出した折り鶴は特に壊れもせず私の手の中にありました。

 どうやら、新しい試みは成功したみたいです。

 やりました。魔力もかなり抑えられました。     

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