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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
55/77

55 老亀堂にて 6

 まぁ、奏さんからいいことを聞いたので、みんなと会話をしながらも、少しそのあたりの空間で完成図を考えたりして見る。

 そして、そろそろ魔力も溜まっって来ただろうし、再び試すために、みんなの所から離れることにする。


 「では、魔力も溜まってきたので、またちょっと試して見るね。こうして誰かいると待ち時間も退屈せずに済むからいいね。」


 「そう言ってくれると嬉しいね。でも、奏の助言で完成しちゃったら、もう、仕事が終わりになっちゃうのは寂しいかな。」


 「どうだろうね。その辺はいきなりうまくは行かないんじゃないかな。」


 そうか。成功しちゃうと彼女らのお仕事がなくなっちゃうのか。

 それは悪いけど、さっさとできるなら、それに越したことはないからね。

 私はみんなから離れると、一息置いてから、大きさは無くてもいいから、ここでない空間を作ることを想像する。

 大きくなくてもいい、米粒くらいでもいいから作れ。

 そして、この世界とつながれ。

 そんな想像をし、魔力を高めながら、少しづつ練って行く。


 想像力を高めて、魔力を放出する。

 うん、できたかな?

 あ、やばい。魔力が思ったより持っていかれる。

 止めなきゃ……。

 そこで私の意識が途絶える。

 どうやら、魔力切れを起こしてしまったらしい。


 しかもそれで終わらず、空間魔法は一応完成したらしく、周囲の空気がその空間に吸い込まれて行ったそうだ。

 なんで、そんな大きな空間を作った覚えはないのに、そんなことが起きたのだろう。

 でも、そのおかげで私が倒れる時に、一瞬体が持ち上がったらしく、安全に倒れたらしい。

 その辺は、布団を敷いておくかするなりして、もっと安全確保しないとだね。


 ただ、空気の吸い込みが終わるまで、茜ちゃん達が私にすぐに近づけなかったらしく。

 しばらくどうしようもなく、少し離れたところで見ているしかなかったらしい。

 これは予想外の出来事だし、仕方がない。

 それが一段落終わった段階で、やっと私に近づいて、魔力回復薬を飲ませてくれたそうだ。


 それと出来た空間とつながれた穴はすぐに消えてしまったらしい。

 もし、消えなかったら、私に近づくのは遅れてしまったかもしれない。

 これ以上は続けても危険そうだし、今日はここまでにしておく。

 みんなにお礼を言い、今日はここで解散と告げる。


 次回は私とお妙ちゃんで二日後行うことになる。 

 なので、今日の出来事を相談しに、佐加里探題府の魔法司と老亀堂を訪ねることにする。

 今回のことを検証して、再試行しないとまた今日の繰り返しになる可能性があるからね。

 奏さん達は街に戻らず、まだ時間があるので薬草採集をして帰るそうだ。

 しっかり、時間を有効に使って偉いね。


 私達は街に戻るとまず、昼食を取り、それから探題府に向かう。

 夢占さんも相談に乗ってくれると言っていたしね。

 幸いにして、夢占さんは時間が空いていたようで、私達が訪ねると面談に応じてくれた。

 そこで、今日の出来事を説明し、何が問題だったのかを確認することにする。


 私達の話をしっかり聞いていただき、その夢占さんからいくつか質問を投げられ、それに可能な限り答える。

 そして、少し考えてから、一言私達に言ってから、夢占さんは席を外す。

 大人しく私達が待っていると、いくつかの書類を持って戻ってきた。

 そして、そこから過去に似たような魔法を作ろうとして届け出がされた書類が開かれ、今回の事象のような項目を見せて貰えた。

 私はそれらに目を通す。

 うん、さっぱりわかんないや。


 私の表情で察してくれたのか、夢占さんが解説をしてくれる。

 つまり、向こうで作られる世界を魔力量を減らそうとするあまり、情報量を減らそうしたあまりに、逆に情報不足により魔力量が必要な環境が出来上がってしまったのだろうということだ。

 あー、錬金術の与える情報が多いほど過程がより明確にわかるから、必要な魔力が少なくて済むというのと同じという訳か。

 でも、宇宙論とか物理学とかそう言った知識は私にはないのだけど、どうしようか。

 そんな風に悩んでいると、私にいくつかのさらに書物を渡してくれた。


 「魔法許可を取ってあるのでこちらの書類を持って帰っていいですよ。 但し、無くさないで下さいね。」


 そう言って、過去に似たような魔法に挑戦して失敗した記録を貸し出してくれた。


 「ありがとうございます、参考にさせて頂きます。あの、もし、無くしてしまったら、どうなるのです?」


 それにお礼を言い。無くさないようにいわれたので気になって、もしなくしたらどうなるか聞いてみた。

 すると夢占さんは、こう教えてくれた。


 「これらは写しなのですが、もしなくしたら再度写しを作らなければならないので、その作成料を徴収させていただきます。」


 といって、手で金額を作る。


 「もちろん、金貨でですよね。」


 その金額を見て、思わずそう聞く。


 「ええ、もちろんです。しかも一件の書類当たりの値段ですからね。」


 私のその問いに、にこやかにそう答えてくれた。

 うん、私の収入でもかなり堪える費用が掛かるね。コピー機なんてないから仕方がないか。

 汚したり、無くさないようにしないとね。


 その後は私達との会話の記録を夢占さんが作成をして、それに間違いがないか確認して署名をする。

 平民相手でも、しっかり記録を取った後確認の署名をさせて、正確な記録であると証明させるのか。思ったよりちゃんとしているのね。

 失礼ながら、平民相手なら、適当に署名を自分達で書いているのかとのかと思ってた。

 そして、夢占さんに面会の予定もないのに対応してくれたお礼を言って、探題府を後にする。


 さて、次は老亀堂に向かおう。


 「ごめんください。」


 私はそう言って、再び老亀堂の暖簾をくぐる。


 「いらっしゃい。あら、茜様、今日はどうなされました?」


 甚兵衛さんの妹さんのお房さんが、私の顔を見てそう言ってきた。

 さすがお店を切り盛りしているだけあって、覚えてくれていたみたいね。


 「今日、ちょっと魔法を試して見て、それで甚兵衛さんに相談がありまして。」


 とここに来た用件を伝える。

 それを聞いて、お房さんが今居ますので、声を掛けますから、少々お待ちくださいと言って、下がって行った。


 しばらくして、中に入るように招き入れられる。

 そこで、再び甚兵衛さんに会い、話をすすめる。

 ここでも、再び今日のことを話し、どこまで魔法を作ればいいのか、確認をする。

 奏さんの話しにもあったけど、本当にどんな形でも作れば平気なのか分からなかったからね。

 それにどの程度の魔力量でなら魔道具で再現できるかを聞いていなかったので、そこも質問しておく。


 「あ、そ、そうですね。魔法に関してはですね。魔法で再現できれば問題はないのですけど、あ、あまりにも省力化しすぎると、ま、魔道具で再現できなくなるかもしれません。あ、茜さんの魔力量次第ですね。そ、そう言えば魔力量も確認してませんでしたね。ぜ、ぜひ確認しておきましょう。」


 そう言って、甚兵衛さんは何やら奥から道具を取って来た。


 「これも魔道具なのです?」


 私がそれを見て珍しそうに尋ねてみる。

 すると、甚兵衛さんは緊張しながらも答えてくれました。


 「こ、これは、魔力量を測定する魔道具です。あ、茜さんの魔力量が判ればですね、ど、どのくらいの魔力量が残っていれば、魔道具で再現できるかどうか、目安になるのですよ。」


 ほう、それは面白そうです。

 私、お政さんからも魔力量は多い方だと言われてましたからね。

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