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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
51/77

51 老亀堂にて 2

 「ごめんください。」


 私は店の暖簾を潜り、そう声を掛ける。


 「いらっしゃいませ。」


 すると店の中から、そう若い女性の声がする。

 うん、人見知りの激しい主人の店だと言うから、若い女性なんておいていないのかと思ったら、予想外だったね。

 でも、こっちは話し易いからいいかな。


 「すみません。ここのご主人の話を聞きたくて、お伺いしたのですけど。私は茜と申します。こちらは同行者の妙と申しますよろしくお願いします。」


 「あ、ご丁寧にありがとうございます。私は個々の主の妹で房と言います。それで、その、ご承知かもしれませんが、主人はそう言ったことが苦手なので可能なら、私は伺いますけど、よろしいでしょうか。」


 「はい、話には聞いています。それで、こちらが紹介の文になります。私の話に対応いただけるのなら、こちらは相手が誰であろうとかまいません。」


 そう言って、お政さんからの手紙を渡す。

 こっちも店主と仲良くなって、面倒にならずに済むなら、それはいいことだしね。


 「ありがとうございます。拝見させていただきますね。」


 そう言うと、お房さんは手紙に目を通す。

 そして、少し考えてから、私達に少し待つ様に告げて、後ろに下がってしまう。

 お政さん?何かいたのですか?

 やがて、しばらくすると中から、お房さんともう一人男性が出て来た。


 「い、いっらしゃいませ……。」


 「もう、お兄ちゃんしっかりしなさい。お政さんのお店の人だから、もう少し堂々としてよね。」


 「あ、うん、そうだね。」


 うん、妹さんとの会話はまだましそうだけど、そこまでじゃないけど、竜馬さんも関わりたくはないと言った感じになるかな。ちょっと信じられないけど。


 「申し遅れました。私は茜と言います。こちらは同行者の妙と申します。本日はよろしくお願いします。」


 「あ、こちらこそ。ここ老亀堂の店主、甚兵衛といいます。よ、よろしく。」


 「すみません。最初は私が対応を考えたのですが、技術的な質問のようですので、私では役に立てそうもなく、兄に頼む異にしましたので、頑張ってお願いします。」


 頑張ってって、素直なのねお房さん。

 さて、では頑張って話をしましょう。

 ただ、なるべく甚兵衛さんの負担にならないように気を付けよう。


 「わかりました。お願いしますね。」


 「で、では、お話ししましょう。」


 「兄さん、お客様を立ちっぱなしにさせる気なの?すみません、気の効かない兄で。」


 甚兵衛さんの言葉にお房さんが言葉を挟み、私達に頭を下げる。


 「そ、そうでした。奥へどうぞ。」


 「兄を頼みますね。」


 いや、そんなこと頼まれても、困りますよ。

 とりあえず、足を洗い、生活魔法で綺麗にしてから、店の中に上がりこませて貰う。

 そして甚兵衛さんに付き従って、店の奥に付いて行く。

 店は外見に似合わず、質素な感じになっている。


 打ち合わせ用の部屋らしき場所にとおされ、座らせて貰う。

 甚兵衛さんは慣れない手つきでお茶の用意をしてくれる。

 その辺は一応ちゃんとしてくれるのね。

 震える手でお茶が差し出される。

 温かいうちに一口貰う。

 あ、お茶じゃなかった。白湯ですね。

 お政さんの所では薬問屋と取引があるから、薬草茶が出てたので、味気ない白湯にちょっと不意を突かれました。


 咽喉も潤ったところで話をさせて貰う。

 とりあえず、私が欲しい物を錬金術で作れないか探して見たり、人に聞いたりして見たが、錬金術で作れないようなので、視点を変えて錬金術より、便利な物が供給されている魔道具で作れないかを聞きたくて訪れたことを伝える。

 甚兵衛さんはそれを聞いて、少し考えている。

 やっぱり、すぐに出てこないと言うことは作れなさそうかな。

 私がそんなことを考えていると、甚兵衛さんは何か思いついたのか、こう言ってきた。


 「あ、あの、今すぐには出来るとは言えませんがですね。も、もしかしたら、作れるかもしれないです。」


 「本当ですか?凄いです。」


 「そ、そんな期待しないでください。あ、あの、まだ作れると断言はできないので、あ、はい。」


 うん、なんか引っ込み思案と言う割にはよくしゃべってくれる人だよね。

 やっぱり、自分の分野への話だからなのかな。


 「はい、それでどう言った点が問題になりそうなのですか?」


 「そ、それですけど、魔道具の制作というのは、……。」


 そう言って、甚兵衛さんは魔道具の作成について細かいことを話してくれた。

 専門的なことはよくわからなかったけど、魔法の発現の仕組みを、それを言語化して利用する形で魔法を疑似的に再現するようにして魔道具に使うらしいです。

 そのため、魔法で私の欲しいアイテムボックスのような物を再現できるような魔法を発現させれば、それを言語化すればいいらしいのです。

 でも、魔法って新しく作れるのかな?

 その辺を聞いてみると、甚兵衛さんは魔法は魔力をどう使って発現させられるからしい。

 そこを上手く思い浮かべられれば、魔法として発現させられると言う説明をしてくれた。


 確かに魔法を教えて貰った時も、そんな感じで考えて使う様に教えて貰ってたけど、そんなに自由に魔法って作れるのだろうか?

 もし、それなら私のような漂着者の近未来的発想でもっと凄そうな魔法が残っていそうだよね。

 私が今考えているようなアイテムボックス的能力でって思いついて、広めそうだと思うのだけどな。

 何にしろ、街中では試せないから、今度迷宮で試して見たいな。

 とりあえず、私が魔法で実現できれば、甚兵衛さんがそれを言語化できれば可能かもしれないとのことだった。

 ただ、そこに至るまでに発現させる魔力がその人にあるかとか、その魔法が特殊が発現方法だと新たな言葉として仕組みを作らないといけないらしい。

 しかも、そこまでできてもその魔法を言語化出来ても、発現させるための魔石があるかも問題になるらしい。

 でも、いろいろ困難はありそうだけど、もしかしたら出来るかもしれないのが判った。

 なので、とりあえず今回は魔法で再現すると言う宿題を貰って、今日は失礼することにした。

 でも、いろいろ障害はあるものの作れる可能性があるとわかったのは大きな収穫だ。 

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