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忘れられた神様  作者: ニスコー
第二章
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お久しぶり

 勇者は時間を自由に操る能力を持っていた。

 勇者は全ての攻撃を無力化する力をもっていた。

 勇者は相手の能力を自分のものにする能力を持っていた。

 勇者はレベル差を無効にして自分の能力を行使できる力を持っていた。

 勇者は・・・まぁいろいろと能力を持っていたみてぇだが、俺には通じなかった。


 まず勇者は時間を止めたらしかったが俺は無視して飛行した。

 勇者は攻撃を無力化する力をつかったらしかったが普通に俺にどつかれた。

 勇者は俺のそんな力をコピーしようとしたが無理だった。


 そりゃそうだ。たんに勇者と俺のレベルの差が違うだけだからな。


 勇者はレベル差を無効にする能力が俺に効かないことを知り絶望した。


 絶望されても困るぜ、俺はただ子難しいしいことが嫌いなだけなんだ。

 ルールに従って戦うのがめんどいだけだ。


 その能力がうんぬんって誰が決めたんだ?神様か?

 だったら俺も神様だぜ?従わなくてもいいよな?

 強けりゃ強い。弱けりゃ弱い。わかりやすくていいじゃねーか。


 ・・・


「子供のころさ、タッチするゲームがはやったことがあるんだ」


 ある時勇者がそんな話をした。

 勇者って言っても目の前の勇者じゃねーぜ。俺のダチの勇者だ。


「両手をクロスさせてバリヤーとかいうとそれを無効にできたりするんだけどね」


 勇者はそんなゲームする気がなかったらしい。

 周りもそれがわかっていてタッチしてこなかった。ただ一人を除いては。

 そいつがタッチしてくるから勇者はゲームに参加することになった。


「そいつは友達だったからね」


 なのに誰もタッチできる奴がいないから自分にタッチしてきたのだと勇者は言っていた。


「裏切り者だよ。一生許さないよ」


 そういって勇者は笑っていた。


 ・・・


 とどのつまりだ、別に俺だってそのルールに従って戦ってもいいんだぜ。お前らのことを気に入ればな。

 でも女に守ってもらってるし、女に戦わせてるし、仲間全員女だし。

 なんかこうお前勇者舐めてんじゃねーのか???


 なんだかむかつく

 とてもむかつく


 勇者ってのは救いなんだぜ。

 力を持ってるから勇者じゃないんだぜ。

 俺はいい加減な奴だといわれるけれど、そこだけは譲れないところだぜ?


 だから俺はお前のルールにはしたがわねぇ。


 でも俺だって鬼じゃねぇ。人間は殺さないって勇者との約束もある。ここは年長者らしくかっこよく決めてやろうじゃねーか。


 今俺は力ある存在として勇者の前に立ちはだかっているわけだ。

 そういう存在はなんのために勇者の前に立ちはだかっているかと言えば勇者を試すためだ。

 そいわれれば俺も勇者を試している。勇者のためを思ってこんなことをしている。なんだかそんな気がしてきた。

 俺は力ある存在としてかっこよく勇者に問わなきゃなんねぇ


「勇者よ、我に立ちふさがるものよ、汝の覚悟を我に示せ」


 ふふふ・・・なんかそれっぽくね?俺かっこよくね?


 勇者が戸惑っている。


「我が問いに答えよ。さすれば力を与えん」


 勇者がごくりと唾をのむ。

 俺ほどの存在が力を貸してやろうというのだ。そりゃ生唾ゴックんするのも無理ねェわな。


 なんかちょっと機嫌がなおってきたぜ。

 けどよぉ・・・いったい何の質問すりゃいいんだ?

 勢いで質問しちまったがなんにも考えてなかったぜ。

 質問て言うからにゃ、一番気になることを質問すりゃいいんだよな?


「勇者よ、その娘たちとはやったのか?」


 勇者が、え?て顔をする。


 やったかといったらそれしかねぇだろ!めんどくせぇな!

 当の娘たち3人は最初に蹴散らされて既に瀕死だ。

 向かってくる敵には女だろうと容赦しねぇぜ俺は!

 まぁそんなことはどうでもいい。


「やったのかときいているのだ!」


「は、はい!」


 俺が一括すると勇者が引きつりながら答えた。


「何人とだ?」


「3人共です!」


「1日何回!?」


「最近は5回くらいかな」


「よし、コロス!!!」


 カルラは吠えた。

 神は無慈悲なのだ。仕方ないのだ。


 ・・・


 サトミ達が盗賊の町に着くと、天災にでもあったかのような廃墟とかしていた。


「いったい何があったっていうの?」


 サトミは初めて着た場所だから最初からこんなのかと思ったがそうではないらしい。

 確かに荒れすぎてはいる。

 アルメリアは「教会・・・協会は!?」と一目散に教会とやらの場所に駆け出す。なにか大切なものでもおいてあるのか?


 アルメリアはすっかり気を取り乱していたが、サトミはなんとなくあいつのせいじゃないかななどと思い上空を見上げる。

 ・・・あ、やっぱりいやがった。

 上空を旋回しているでかいカラス。


 あのやろう・・・どこで油を売っていたかと思えば。


「おう、サトミじゃねーか、どうしたってんだ一体?」


 能天気にカルラは言った。

 どうしたってんだ?じゃねーよ!


 ・・・


 カルラは町が勇者に襲われたこと。勇者が自分を仲間にしたいと泣いて頼んできたが拒否してやったと自慢げに話した。


「まさか、殺したのか?」


「そんなわけねーだろ。俺は人は殺さないんだぜ?」


 親切に近くの町に運んでやったらしい。


「最後に、女を守ろうという気概が見えたからな」


 勇者に「3人の女のなかで一人だけ助けてやろう・・・選べ!」といったら自分の命を差し出すから3人とも助けてほしいと言ってきたのだという。

 どこの魔王だよお前。


「いつまでも女は守るものっていうその態度は気に入らないわね」


 驚いたことにアルメリアとカルラは知り合いだったらしい。

 さっきの取り乱した様子が嘘のように冷ややかな視線を向けている。


「仕方ねぇえだろ?俺は強ええんだからな」


 カルラは気にせずケラケラと笑っていた。

 そういやカルラって強いんだっけ?実力はよくわからない。

 カルラが強いんだったらハチに危険なことさせずに済むし。俺もわざわざ戦わなくていい・・・かも。

 そんなこと考えていたらカルラが頼もしく見えてきた。


 でもそれはフェイクなんだよな。

 俺はお前のせいで3日間徹夜だったことをまだ許してはいないからな。


 そういえばこんな風にカルラが馬鹿言ってるのを見るのも久しぶりだ。

 懐かしく思えてきたよ。とりあえずお帰りカルラ。

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