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忘れられた神様  作者: ニスコー
第二章
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偽善の勇者

半悪魔の少女の名前はサキュパスとった。

奴隷として売られ、見世物小屋で働き、ときどき客を取る。

その名の示す通り彼女の行為は素晴らしかったが、代償も大きく、相手をするにはそれなりに力を持ったものでしか務まらなかった。

あるとき勇者がやってきた。勇者は仲間を欲していた。

人よりも優れた魔力を持つ彼女を勇者は金で買い取った。

彼女の名前がサキュパスと知って勇者は言った。


「それって確か種族名であって名前じゃないような気が・・・」


そうなのだろうかずっとそう呼ばれていて、気にしていなかった。

別にサキュパスでもいいが、勇者がそういうなら、ご主人様がそういうなら、新しい名前を名乗ってもいい。


「じゃあ、アルメリアにしよう」


女の子の名前は花から付けることにしてるんだ。だって可愛いからね。勇者はそういった。


・・・


「なんか外が騒がしくね?」


カルラが耳を澄ますと。外からの声を拾う。

外では神父様とかいうやつが悪魔を召喚して勇者と戦っているようだ。


勇者?


そっか、また、新しいのがやってきたのか。

勇者は魔王討伐のため、8つの国が順々に召喚する。殺されたら次、殺されたら次、と召喚される。

魔王を倒してそのことを仲間から聞かされた時、カルラは思いっきりさめた。

やってられねぇわ。そんなもんと思ったもんだ。


勇者と共に戦った日々も何もかもすべて馬鹿にされた気がした。


・・・


カッと、ふいにヒラキンが目を開ける。


「我が呼び声に答えよ蛇の王!」


バジリスクを召喚。拘束具を破壊させる。


「おいおい、力を封じられたんじゃなかったのか?」


カルラもそういいつつも拘束を取る。

確かに結界は強力だったが、本来のカルラの力を持っすればやぶれないものではない。

魔力を少しづつ吸い取る使用らしいが、カルラの回復力の方が上回っていたため無意味なものだった。


「あいつもアマちゃんだからなあ」


カルラはアルメリアのことを考えて思う。

勇者は7つの国で7人の仲間を見つける。そして最後に8つ目の国。すなわち影の国へ挑む。

カルラもアルメリアもアンリウムもそんな仲間の一人。普通は人間を仲間にしていくものなのだがあの勇者は変わり物だった。


アルメリアには惚れている男がいたみたいだが、自分が商売女だった負い目もあり身を引いたようだ。

あいつが悪魔をやっていると知って少し驚いたが、アルメリアはアルメリアのままだったということらしい。


さて


「おい、ヒラキン、お前これからどうするつもりだ?」


ヒラキンはカルラが聞くのを待たずバジリスクにまたがる。

だが、かなり疲弊してるようだ。

もともと、天使の力を使った反動からかなり疲弊していた。その上この結界である。普通ならとっくにしんでいてもおかしくはない。


今召喚した蛇も最初に戦ったカーリヤというやつより格下の奴だ。

一体どれだけ無理しているのか。


惚れた女のために行くってか・・・


「しゃあねぇな。送ってってやるぜ」


カルラは巨大なカラスへと姿を変える。

あんまり大きすぎて建物をちょっと壊してしまったのはご愛嬌だ。


・・・


「悪魔は倒したはずじゃ!?」


僧侶の姿の少女が驚愕する。


「まさか、新手?」


鎧の女が勇者らしき男を守ろうと・・・て、女に守られてんじゃねーよ勇者!


どうやら勇者御一行は無事神父様の召喚した悪魔を倒せたみてぇだ。

そして突如現れた神々しい俺様の姿に皆驚いている。


ふっふっふっ、本格的にシャバに現れるのは40年ぶりか。サトミ達数人ではない。大勢の人々がカルラに注目している。

勇者と魔王の戦いにおいて、俺様はまさに鬼神のごとき活躍だった。

きっと伝説になっているに違いない。

伝説の神の復活に、涙して喜ぶがいいい!!


「あれは・・・」


勇者の仲間と思しき3人目の女も驚愕の表情で俺様を見ている。

・・・て3人、3人とも勇者の仲間・・・全員女だと?


なんかむかつく。


どうやら一つ、痛い目を見ないといけないようだな。

カルラはこの瞬間ヒラキンのことはすっかり忘れてしまった。

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