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忘れられた神様  作者: ニスコー
第二章
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攻めるか、逃げるか

 盗賊Aから元奴隷商父子と従者の3人を捕まえたこと、今から村に帰ること、その途中でオアシスによったことを聞かされる。

 アルメリアは最近盗賊に手を貸し始めた悪魔で、盗賊たちも彼女のことはよく知らないらしい。

 アルメリアの目的は元奴隷商の娘らしく、手を出すなと言われてるらしい。


 ということは、奴隷商の娘を人質にすればいいのか?


 いやいや、奴隷商の娘にプレセぺを上回る価値があるとは考えにくい。

 なにせプレセぺは天使だしな。

 一介の奴隷商の娘よりもよほど価値があると思われているに違いない。


 他に、アルメリアは盗賊の頭目に惚れているという話も聞いたがこれは眉唾物だ。

 あんな絶大な力を持った悪魔がたかが人間に惚れるというのは考えにくい。惚れたと見せかけて操ってると考えた方が自然だ。やはりこれも弱みにはならないだろう。


 ぐぬぬ。打つ手がない。


「そのアルメリアさんという方は、一番の強いんですんよね?」


 プレセぺが聞いた。

 そうだけど、それが何か?


「たぶん、今あの馬車に乗っているのがそうだと思います。」


 プレセぺは1一台の馬車を指差した。


「え・・・わかるのか?」


「たぶんですけど。ハチさんと同じくらいの力の方があそこにいるのが見えます」


 おっ、おお?

 プレセぺの言う話ではプレセぺは天使の瞳によって相手の力がわかるのだという。


「でもアルメリアってハチよりだいぶ強かったような・・・」


「いまのあいつは、おれよりよわい」


 ハチが主張した。

 ハチの主張によると俺のおかげでアルメリアの力はだいぶ削られているらしい。

 え?初耳だよそんな話は?


「たべものがあれば、やっつけられるよ」


 ハチは言い切った。

 頼もしい言葉だが、それを鵜呑みにはできない。

 たんに実力を隠しているだけかもしれない。どっかの初年マンガみたいに気をコントロールできる存在かもしれない。あるいはアルメリアとは別にハチと同等の敵がいるのかもしれない。

 伏兵の存在に思い当たり、俺がそいつと戦う可能性も考えて念のためにプレセぺに聞いてみる。


「プレセぺ、俺とアルメリアの力の差ってどれくらい?」


「・・・」


 ああっ、目をさらされた!聞いた俺がばかだった。いくら防御力の強い装備を付けても俺は俺だった。


 どうしよう・・・

 確かに問題はあるが、プレセぺとハチの情報をそのまま信じるなら今がアルメリアを倒す好機ということにもなる。逃げてもおってくるんならたたけるときにたたいておいた方がいい。


「あの・・・私一度アルメリアさんには合ったことがあるんですけど、そのときはもっと大きな力をもっているように感じました。」


 プレセぺがおずおずと主張する。だから、たぶんハチの言ってることは本当だろうということだ。


 うーん・・・

 ハチを見ると闘志をみなぎらせてる。

 プレセぺを見ると、盗賊に人がつかまったときいて助けないといけないと考えてるようだ。ハルもプレセぺの手をしっかり握ってる。同じ思いか・・・

 チウネ・・・まぁいいや。

 とりあえず盗賊Aもハチの腹の中にいれて大人しくしてもらうことにする。

 ハチの腹の中ではチウネと盗賊が1対2の状況になってしまっているが、盗賊Aには大人しくしてないとハチに消化させると脅してある。大丈夫だろう。たぶん。


 まずはハチの腹ごしらえだ。

 モンスターの肉はそのつどハチとカルラが食べていたので備蓄がない。

 戦うにしろ逃げるにしろハチの腹を満たさねば。


「あの・・・食べ物ならあります」


 ハルはそういうとたこの酢の物をさしだした。

 それは・・・最初の海岸で倒したたこのモンスターの肉。

 どうして?そういえばハルは美味しくなさそうにしていたな。


「残したの?」


「ち、違います!」


 ハルの話では最初に備蓄した者の砂漠のモンスターの肉の方がおいしかったため食べずに放置されていたようだ。

 まぁ、確かにたこは他の食べ物と比べてそんなにおいしいとは言えないし。


 たこは犬の消化に悪いが、今のハチは人間形態。たぶん大丈夫なはず。


「ハチ!」


「うん!」


 ハチはたこの酢の物を食べた。そして吐き出した。


「すっぱくてまずい」


 好き嫌いしてはいけません。


 ・・・


 ハチの腹ごしらえをおえると、俺たちはまつすぐにアルメリアのもとに向かうことに決めた。

 もしアルメリアの力が戻っていたら「ハチを閉じ込めるなんてひどいじゃないですか。そんなんじゃ仲間になってあげないんだからね!」といって誤魔化す。

 戻ってなかったら俺とハチが二人がかりでぼこって倒す。

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