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忘れられた神様  作者: ニスコー
第二章
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 俺は魂を使って蘇生術をほどこそうとする。

 アルメリアはだまってそれを見ている。

 ハルは気を失ったハチを開放している。

 プレセぺは気を失ったまま・・・


 俺が蘇生術を見せることでアルメリアと話をつけたかったのは、蘇生術を使えば当然奴が来るからだ。

 天界の使い。

 奴ならばあるいはアルメリアをなんとかしてくれるかもしれない。

 アルメリアは悪魔らしい。ならば天界の使いも黙って見逃したりはしないだろう。一番最初に狙われるのは俺だが・・・なんとか、なんとか逃げ切りたい。

 最果ての地は強力なモンスターが多いので目星をつけられなければ大丈夫とユルルングルは言っていた。術をつかったら即逃げよう。

 そのためにはハチの足がいる。

 速く回復してくれないかと思いつつ蘇生術の前準備だといって銀貨と銅貨を並べる。

 もちろん爆竹銅貨と破邪の銀貨と封魔の銀貨だ。

 蘇生術を使ったらこいつをアルメリアにぶつけて逃げる。

 そのためにはハチの足がいる。

 速く、速く目を覚ましてくれ、ハチ・・・


「まだなの?」


 アルメリアが疑わしそうに聞く。


「お待ちください。呪文を・・・」


 南無阿弥陀仏、六根清浄、臨兵闘者皆陣列在前・・・適当な呪文を並べてみるが、あかんもう限界。


「本当にそれが呪文なの?」


 アルメリアの視線が冷たい。


「もう、いいわ。」


 信じた私がばかだったわ。あんたの魂でチャラにしてあげる。などと、物騒なことを言い出す。

 もう我慢の限界のようだ。


 そのとき、ハチが意識をとりもどした。

 ハルが涙ながらに抱きついてる。

 これ以上は引き延ばせそうにないし、後は雰囲気で察してくれ、ハチ。


 俺は蘇生術をつかった。


 ハルのときとは違いやけにあっさりと蘇生術は成功した。

 あんまりあっさりしすぎて拍子抜けする。ついうっかり銅貨と銀貨を投げるタイミングを逸してしまった。


 やばっ!


 俺は急いで銀貨と銅貨をアルメリアに投げつけた。

 強烈な閃光に視界を奪われる。

 効果のほどは定かではないが目くらまし程度にはなりそうだ。


「ハチ!みんなをつれて逃げるぞ!」


 ・・・返事はなかった。

 それどころか、天界の使いもこなかった。

 光りがうすれると、何事もなかったかのようにつったってるアルメリア。

 ハチは立ち上がろうとしていたが無理だったらしく、崩れ落ちる。あわてて抱き留めるハル。


 ああ、終わった。


 むくりと、空気を読まず少女がおきあがる。


「えっと、ここはどこですか?」


 私は誰ですか?

 と間抜けなことを言ってるが、それは無視。


 ・・・

 アルメリアは無言でつったっている。怖い怖い。

 が、しかし


「素晴らしいわ」


 アルメリアが感極まったとばかりに言った。


「あなた、名前は?」


 怒ってない?

 そのことにほっとしてつい本名をなのってしまう。


「サトミ・・・」


 あれ?名乗ってよかったっけ?偽名にすればよかったっけ?


「そう、サトミ、あなたの力は素晴らしいわ。あなたを我が「銀の教会」のメンバーとして認めます」


 え?

 なにそれ、話がよく見えない。


「受け入れれば、2度の不意打ちに目をつむってあげるわ。あなたに拒否権はないのよ。サトミ」


 アルメリアはそういうとニッコリと笑った。

 敵意はもうない。

 一応助かったみたいだ。


 アルメリアは俺を仲間に迎え入れる際に条件などは出してこなかった。

 ハルとハチはもちろん、新たに眷属になった少女も拘束しないという。

 仲間として迎え入れるのだから、人質をとるようなまねはしないと彼女は言った。

 プレセぺについてはこの限りではないが、どうせ運命をあやつれるんだから悪いことにはならないから安心するように言われた。

 そんなこと言われたら、俺たちのこれまでの徒労はなんだったのかと言いたくなる。


 俺たちは、盗賊の集落へと案内されることになった。

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