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忘れられた神様  作者: ニスコー
第二章
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宿命

 アルメリアは自分を悪魔だという。でも人間のように見える。


 ハチを人間にけしかけていいいのか?

 でも、相手はバジリスクを片手でひねるような相手だ。

 余計な感情は俺だけでなくハチをも危うくさせる。

 倒すにしても取り押さえるにしても油断している今がチャンス。


「ハチ、その女を倒せ!!!」


 ハルとハチは石化が解けて戸惑っていたが、俺の呼びかけに答え即座に行動を開始する。


 ハルは魔法の絨毯とプレセぺを回収しつつ後方に待機。


 ハチはアルメリアに容赦ない一撃をくらわす。

 おいおい・・・人間相手にも手加減なしか?やはりハチには教育が必要なようだ。


「これはどういうことかしら?」


 けれどアルメリアには全くきていない。

 ハチが人(?)を殺めなくてよかったような、攻撃がきいてなくてわるかったような・・・


「あいにくと俺はプレセぺの思い通り動いていたわけでもなんでもないんだよ!」


 むしろ最初はいじめてたくらいだぞ。言いがかりも甚だしい。


「あなたの意図は関係ない。結果的にそうなっている。それがすべてだといっているのよ」


 アルメリアはハチを弾き飛ばす。

 あ、あれ・・・?

 ハチさん押されてる?普通にパワー負けしてる?


 俺は内心焦る。

 自信満々にハチをけしかけたのもハチの強さに自信があったからだ。確かにバジリスクの石化攻撃には後れを取ったが、強さ自体は比べるべくもない。ハチのほうが上だ。

 ただちょっと状態異常に弱いだけ。そう思っていたのに・・・


「主様!ハチが!」


 心配になったハルが俺に救いを求める。


「・・・」


 俺は今持ってる攻撃アイテムを確認する。

 爆竹銅貨×3、破邪の銀貨×2、封魔の銀貨、ひかりの矢、霊竹のやり。


 爆竹とか、どう考えても弱そうだ。霊竹のやりは適性者が使えば強いみたいな話を聞いたけど俺に適性はなさそうだ。

 ということは破邪の銀貨×2、封魔の銀貨、ひかりの矢の3つでなんとかしないといけない。


 銀貨は投げつけて使うようだが、アルメリアはハチと対等にやりあえるような奴だ。投げつける距離まで接近するのは怖い。

 となるともうひかりの矢しかない。

「不殺の矢」と「ひかりの矢」をかまえる。不殺の矢のことはいい。見かけ上人間のアルメリアを殺すのは気が引けるしかえって都合がいい。


 弓矢をかまえるとキュインキュインキュインとかいうパワーをためてる音がしてくる。

 なんか強そうだ。


 俺は感覚でゲージがたまったぽい感じをつかむとアルメリアにむかって矢を放った。


 ひかりの矢は文字通りひかりとなってアルメリアに飛んでいく。なにこれビーム砲?エネルギー弾?

 しかしアルメリアは片手でなんなくそれをはじいた。はじかれた光の矢は地平線の彼方まで飛んでいき着弾。遠くできのこ雲があがる。


 な、なんじゃこりゃ・・・


 俺の戦いは地味に相手の攻撃から逃げ回り、隙を見てなんか投げるだけ。例えるなら人間の喧嘩。

 ハチの戦いは肉弾戦。並みのモンスターなら攻撃を食らっただけで体を引きちぎられる。例えるならバズーカとかミサイルとか。

 ひかりの矢の威力はきのこ雲・・・近代兵器クラスの威力があったらしい。

 でもアルメリアはそれを素手ではじき返した。


 ありえないよありえないよ。


 おもったより実力の差があるらしい。

 ていうかもう無理ジャン。


 俺の手持ちで今の光の矢を超える破壊力を持つ切り札なんて・・・


「知ってるよ?知ってるよ?。汚い汚い花売りの子。見世物小屋の半悪魔。」


 頭の中で、また奴の声が聞こえてきた。

 ああ、もう、うるさいな。今ピンチなのはハチだ。ハチは俺と戦うまで死なない宿命がある。

 だから他に手があるんだよ。


「魔王はいたよ。でも魔王は魔王じゃなかった。本当の魔王はほかにいた。でもシロクマは彼に恋をして魔王にならないよう願ったよ。魔王は魔王にならなくて、他の誰かが魔王になった。」


 いつのまにか、ハチはアルメリアに圧倒されている。

 真っ青のハルが俺にすがりつく。


「アンリウムが勇者を好きにならなかったら、カルラが勇者を燃やすよ?カルラが死んじゃってたらアルメリアが勇者を燃やすよ?」


 いったい、何を言ってるんだこいつは?いつもにまして意味不明だ。

 でも一見支離滅裂に得てもこいつの言ってることには意味がある。

 あまり認めたくないが前回は俺を助けてもくれた。

 何か意図があって言っているはず・・・


 知っている?とは何を知っているのか・・・

 たぶんアルメリアという女のことを言っている。

 ハチが「主様みてみて?」と言ってくるのと同じ感覚で言ってるように感じるからだ。確証はないので何とも言えないが。


 次に魔王の話。

 魔王とは何かの比喩なのか、勇者がいるから魔王もいるのか。わからない。

 どうやら魔王は偽物だったみたいなことをいいたいらしい。


 最後に勇者を燃やしたという話。どうやら勇者はアンリウムが殺されなくてもころされる運命だったということがいいたいらしい。

 アンリウムは皆から忌避されていた妖精。だから、制御できずに勇者は殺されたんじゃなかったのか?理由があったのか?


 ・・・いや、違う、そういうことじゃない。魔王の話を合わせて考えるにこいつがいいたいのはたぶん。


「ハチがここでしんでしまったらハルやほかの誰かがハチのかわりになるってことか?」


「あなたじゃない誰かが、あなたのじゃない友達を殺すよ?」


 答えるようにアンリウムは言う。

 どうやらあたりらしい。


 アンリウムは言っている。宿命は変わるものだと。誰かがその宿命を果たさなければ、別の誰かが宿命を背負う。

 ハチがここで殺されたなら、別の誰かがその宿命を背負う。

 その宿命があるからと言って、俺たちの安全を保障するものではないのだと。


 ハチはアルメリアがバジリスクにそうしたように首をしめられているところだ。

 もがく動きも弱弱しくなっていく。


「あのこ、死んじゃうよ?」


 アンリウムはクスクス、クスクス、と笑い続ける。

先走りすぎたので修正

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