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忘れられた神様  作者: ニスコー
第二章
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折れた棍棒

 ユルルングルのときもそうだったが、腹の中に入ると体感時間が狂うらしい。

 カルラは3時間と言っていたが、体感時間は一瞬だった。

 ユルルングルのときはもっと時間がたって感じた。もしかしたらかなりの長時間、それこそ数日か、数週間か、あるいは数か月か、ユルルングルの腹の中にいたのかもしれない。

 ハチの腹の中にいた時間も一瞬だったが、後でハチに聞いた話によると半日くらい走っていたらしい。


「ついたよ」


 ハチが俺たちを吐き出す。


 顔面から地面に落ちる俺。その上におっこちて俺がクッションになり助かるハル。

 なんだこのお約束は・・・ぺぺっ、砂が口に入った。


「だ、大丈夫ですか?主様?」


 心配そうに駆け寄るハル。


「主様、へんなかお!」


 ハチは笑っている。・・・いいのさ別に。カルラに笑われてたらいらっと来てたかもしれないけど、ハルハチにそんな気は起きないさ。


「主様カルラいないよ?」


 救援要請のサインは真上に見えるが、カルラの姿は見えない。どころか人気も全くない。救助要請をしたとおぼしき人影すらない。

 無駄足だったのか?無駄足だったら無駄足だったでカルラの姿がないのは変だが・・・


 カルラの気持ちになって考えてみよう。

 はい、つきました。何の異常もありません。俺たちを出そうと思ったらいません。あれ?消化しちまった?やっべ、どうしよ。もしかしたらフンといっしょに出しちゃった?確認しに行こう!


 でもこれだとハチと行き違いにならないと変だしなぁ・・・


 はい、つきました。何の異常もありません。俺たちを出そうと思ったらいません。あれ?消化しちまった?まぁいっか。ここにいてもつまんないし遊びに行こう・・・俺は、カルラのことをそこまで薄情ではないと信じている。信じているからな、カルラ!


 俺が空のどこかにいるであろうカルラに向けて疑惑のまなざしを向けていると、突然地面の砂が飛び上がる。現れたのは・・・コカトリス?バジリスク?なんかそんな名前のモンスターだった気がする。


 だが、今までそんなパターンで現れた砂漠のモンスターは散々見てきている。後れを取るようなことはない。

 ハチがさっと反応して俺とハルの前に立つ、のだが・・・


 カチカチカチ・・・瞬く間に石になる。ハチとハル。

 えっ、と別の意味で固まる俺。


 治るの?これ治るの?治らなかったら困るよ?俺ハルハチのことかなり好きになってるから、治らなかったら困るよ????


 石化が効かないとみると、体当たりを仕掛けてくるバジリスク。

 なんとか回転してよける。

 ひさしぶりに俺自身が戦わないといけないようだ。


 一応、生命の大切さを背中で語るべく、次は俺自身が戦おうとは思っていたけど、ハチが見てないんじゃ意味がない。

 ていうかなんでハチまで石化してるんだ?強くなってたのに!

 レベル3の俺が無事でハチが石化は可笑しいだろ?


 そこで俺は状態異常帽子のアイテムを装備していたことを思い出す。「壊れた神の、紋章」なのか「壊れた、神の紋章」なのか名称がよくわからないっていうアイテムだ。

 こんなことならハチにつけとけばよかった。くくりつけとけばよかった。


 でも、そうするとハチ一人で石化を治さないといけなくなるからやっぱり駄目なのか・・・俺が残ってる現状でも石化が直せるかは謎なんだけど、そこは神様パワーがなんとかしてくれる、はずだ。

 頼むぞ神様パワー、後からそこらへんのもの手当たり次第に触りまくるかあらなんか好さ気なアイテムにかえてくれ。


 バジリスクは上空に舞い上がり、俺にめがけてくちばしや爪をつきたててくる。

 俺は装備が置いてある場所まで頑張って戻って一番つかみやすかった「???の棍棒」を手に取ると、両手でもって、突き出してガードしてみる。


 爪の攻撃はふせいだもののあっけなく吹っ飛ばされる俺。「???の棍棒」もあっけなく折れてしまった。「???の棍棒」の「???」部分は結局分からず終いかよ。


 盾とか使いたいけど取り損ねた。鎧も防御力の弱い「忘れられた神様の服」しか着ていない。


 だって砂漠をひたすら歩いてたのに盾なんていちいち持って歩いてなかったし、鎧も防御力強いのより保冷効果のある服を着ていた。ただでさえ弱いのに装備もわざわざ弱いの着ていたとかもうね。

 今度が自分で戦おうと思っていた、が聞いてあきれる。


 どうやって倒そうこれ・・・

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