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結婚式〜初めてのキスと初夜〜

R15??

なるべくオブラートに包んでおりますが苦手な方はお気をつけください。

 真っ白なドレスに身を包んだフィオナは長い黒髪を結い上げている。純白のドレスにはアメシストが散りばめられていて、一点ものであった。


「似合ってる」


 レオンハルトが式の前に見に来ると、花嫁はベールが顔の前に垂れていて、早くそのベールを取りたいよ。などとラブラブっぷりを見せつける始末。

 フィオナはもう男性恐怖症を完全に克服していた。レオンハルト以外でも近くでなら話すぐらいは出来るようになったのだ。凄い進歩である。


「じゃあ私は先に行っているよ」


 レオンハルトの微笑みにフィオナは見惚れて慌てて頷く。それを見たレオンハルトは笑顔になり、愛しいフィオナを優しく撫でて出て行った。


「相変わらずの溺愛っぷりですわね!」


 フィオナの侍女がニヤニヤしながら見てきて、かぁーっと赤くなるフィオナはレオンハルトがもういない扉を見つめ、微笑むのだった。


「じゃあ行ってきます」


 レオンハルトを追うように向かう場所は神殿であった。フィオナの父親が待っている。

 フィオナが父親の腕に手を預けるのを見て、号泣したのは言うまでもない。


「幸せで何よりだ」


 寛大な父親は涙を拭き、目の前の大きな扉を開ける。中から1番に目に入ったのは愛しいレオンハルトの新郎姿。柔らかな笑みを見せてくれている。それだけでもう泣きそうになり、横を見れば祝福してくれる家族と王族の皆。

 緊張はするものの、幸せで仕方がなかった。


「……綺麗だよ」


 夫となるレオンハルトにベールを取られ、頬を染める。

 王家に伝わる指輪の交換を行い、いよいよ誓いのキスとなったーーー。


 フィオナとレオンハルトはこの半年間、レオンハルトと手を繋いだり、抱擁をしたりと清い付き合い方をしていた。よって、これから行われるのはファーストキスなのである。


「……大丈夫?」


 緊張しているのを察したのか、レオンハルトが優しく聞くと、フィオナは心臓を落ち着かせて大丈夫。と返した。


 近づいてくる碧空の瞳が閉じられフィオナもアメシストの瞳を閉じる。

 そっと後頭部に添えられたレオンハルトの手にどきんとしながら白金の髪がさらりとフィオナの顔にかかった。


 唇に感じるのは暖かく優しいレオンハルトのもの。周りからは歓声がまき起こり、そっと離された。


「愛しているーー」


 レオンハルトの離れた唇が動き、優しく弧を描くものだから、フィオナは嬉し涙を流した。

 初めてのキスはとても優しくて幸せなものだった。



 レオンハルトに手を引かれパレード用の馬車に乗り込む。

 国民全員が祝福し、紙吹雪が舞ってお祭り騒ぎであった。


「手、振れる?」


 それは祝福してくれる男たちのことだろう。フィオナは満面の笑みでコクリと頷いた。



 フィオナのことを影で好いていた男どもも、レオンハルトの隣で微笑み手を振る姿に泣きながら祝福を与える。

 レオンハルトのことを好きな令嬢たちもハンカチを噛みながら祝福の言葉を述べていた。



 幸せな結婚式は夜遅くに幕を閉じ、フィオナはレオンハルトの部屋へ呼ばれる。


「緊張…する?」


 レオンハルトは部屋のベッドに腰掛け手招きをしていた。

 どきんとしながら、おずおずと裾を持ち上げて近付くフィオナ。レオンハルトに隣をぽんぽんとしていたので、そこにちゃっかりと座った。


「レ、レオンハルト様」


 レオンハルトの人差し指がフィオナの唇に触れ、しーっとした態度をとる。


「夫になったんだから、レオンハルトかあなたが良いな」


 ニヤつくレオンハルトはいつも以上に意地悪な面が少し見られた。


「あな……」


 フィオナの顔はぼんっと赤く染まり、あなたと言えないまま縮こまる。

 それを見てレオンハルトは笑ってむっとするフィオナ。


「レオン…ハルト。」


 あなたと呼ぶのは少し恥ずかしかったが、レオンハルトを見上げ呼び捨てで呼ぶ。

 すると、レオンハルトは嬉しそうに目を細めてフィオナの額にキスを落とした。


 そのキスは額から目尻へ、頬へと。そして……口へ。


「んっ……」


 キスをしながらフィオナをベッドに横にさせると、唇を離し髪を撫でる。



「怖い?」


 若干涙目になっているフィオナはふるふると首を横に振って、レオンハルトの手を頬に寄せ、目を閉じた。


 レオンハルトはきゅーんと胸を打たれ我慢できないや。と言い、首筋に口付ける。



 レオンハルトの優しい愛撫に身体が跳ね、降り注ぐキスの嵐。着ていた純白のドレスは脱がされ、レオンハルトも新郎衣装を脱いだ。


「爪立てていいからーー」


 そう優しく言い、頭を撫でて口付けるレオンハルトのものがフィオナの中へと入っていく。

 フィオナを気にしつつ続ける行為は、フィオナにとって痛さよりも嬉しさが(まさ)っていた。


 腕を伸ばしレオンハルトの首にかける。


「レオンハルト、大好きです」


 うるうるとした瞳が涙を流し、笑顔で告げられる言葉。何よりも嬉しく、最高なことか…


「私もだよ」





 一線を越えたフィオナとレオンハルトは笑顔の長い夜を共に過ごした。



次回はイケメン登場です!


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