厨子王丸
最終エピソード掲載日:2026/07/01
本作は、承徳三(1099)年、三十歳の若さで丹後守に就任した岩城正道、幼名「厨子王丸」の復讐劇である。
物語の始まりは二十一年前、父・岩城正氏が丹後守として赴任した際、現地の有力者である山椒大夫らの陰謀で汚名を着せられ、流刑中に殺害されたことにはじまる。父親の流罪に連座した家族も流刑地へ向かう途中、直江津で人買いらに騙され、家族は離散し、母の玉木は佐渡へ売られ、姉の安寿と厨子王丸は山椒大夫のもとで奴隷として過酷な労働と虐待を強いられる日々を送る。
応徳三(1086)年、成長した二人は脱走を試みるが、安寿は弟を逃がすために自ら盾となって残り、厨子王丸だけが国分寺の住職の助けを借りて脱出に成功した。その後、厨子王丸は四天王寺で稚児として学びながら、元服して岩城正道と名乗るようになり、源義家や藤原師通といった権力者の後ろ盾を獲得し、非凡な努力で学問を修め、合格率が極めて低い難関試験「方略試」を史上二番目の若さで突破して貴族となった。全ては復讐のために。
軍勢を率いて丹後に乗り込んだ正道は、山椒大夫らを追い詰める。再会した安寿は弟が脅迫されないよう自ら命を絶ち、怒りに燃える厨子王丸こと岩城正道は山椒大夫らを捕らえ復讐を果たした後、自分たちを売り飛ばした人買いを次々と手にかけて復讐を完遂する。
しかし、積年の恨みを晴らした正道に残されたのは、深い虚無感と、自らも人殺しになったという罪悪感であった。視力を失いながら子供の名を呼び続ける変わり果てた母と再会したのち、正道は「仇討ちは終わった」と告げ、母を抱きかかえたまま日本海の荒波へと入り、三十歳の生涯を自ら閉じた。
物語の始まりは二十一年前、父・岩城正氏が丹後守として赴任した際、現地の有力者である山椒大夫らの陰謀で汚名を着せられ、流刑中に殺害されたことにはじまる。父親の流罪に連座した家族も流刑地へ向かう途中、直江津で人買いらに騙され、家族は離散し、母の玉木は佐渡へ売られ、姉の安寿と厨子王丸は山椒大夫のもとで奴隷として過酷な労働と虐待を強いられる日々を送る。
応徳三(1086)年、成長した二人は脱走を試みるが、安寿は弟を逃がすために自ら盾となって残り、厨子王丸だけが国分寺の住職の助けを借りて脱出に成功した。その後、厨子王丸は四天王寺で稚児として学びながら、元服して岩城正道と名乗るようになり、源義家や藤原師通といった権力者の後ろ盾を獲得し、非凡な努力で学問を修め、合格率が極めて低い難関試験「方略試」を史上二番目の若さで突破して貴族となった。全ては復讐のために。
軍勢を率いて丹後に乗り込んだ正道は、山椒大夫らを追い詰める。再会した安寿は弟が脅迫されないよう自ら命を絶ち、怒りに燃える厨子王丸こと岩城正道は山椒大夫らを捕らえ復讐を果たした後、自分たちを売り飛ばした人買いを次々と手にかけて復讐を完遂する。
しかし、積年の恨みを晴らした正道に残されたのは、深い虚無感と、自らも人殺しになったという罪悪感であった。視力を失いながら子供の名を呼び続ける変わり果てた母と再会したのち、正道は「仇討ちは終わった」と告げ、母を抱きかかえたまま日本海の荒波へと入り、三十歳の生涯を自ら閉じた。