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31話 アトラス

「ここは火山島のようですね。しかも」

「転送装置、火山の中にありますよ・・・・」


 絶望的な表情でワタル達を見るソーマ。


「殺しに来てるぜこのダンジョン」


「やるきにみちてるこのダンジョン!」


 面倒臭そうなシオンとは対照的に、攻略意欲に満ちているユカリ。


 三座の火山からはそれぞれ一つ目の巨人がコチラを覗いている。


「アトラスだな。しかも三体。アイツら短気だから一歩でも踏み込んだらブチ切れだぞ!」

「だがアイツらの弱点は冷気だ」

「アイツらごと凍らせちまえばあとは簡単だろ」


「ヨシ!マーくん。あとらすとかざん、こおらせちゃって!」


 魔術師人形は杖の頭を口元に寄せると、大きく息を吸って、フーッ!と吐いた。


 空は灰色の雲に包まれ、チラチラと雪が振り始めた。


 雪は地面に触れると辺りを凍らせ、一面氷で覆われた。


 三体のアトラスは寒さにガタガタ体を震わせている。


 あまりの寒さに暖を取ろうと火山にしがみついた体勢のまま、三体は凍りついてしまった。


「耐性があるっつっても寒みぃもんは寒みぃな。早く次の階に行こうぜ」


 腕をさすりながら白い息を吐くシオン。


「飛行機のバリアと、念のためにセイちゃんのバリアを二重にかけておこう。何があるか分からないし」


 ワタルはダンジョンの危険さを再認識した。





「左の山です。本当に入りますか?」


 不安を隠せないソーマ。


 火山は勢いを緩めていない。


 未だにマグマは流れ、岩を吐き飛ばし続けている。


「火山の中に転送装置があるんじゃ、行くしかないだろうね〜。セイちゃんの耐熱バリアを信じよう」


 恐恐とした顔でハルが言う。


「じゃあ。行くよ〜。しっかり掴まっててね〜」


 飛行機は熱風を吐いて浮上すると、瞬時に見えなくなった。


 しばらく火山の周りを旋回してみるが、黒い雲煙やマグマを見ていると決心が揺らいでくる。


「ハル覚悟を決めろ!突っ込め!」


 シオンが躊躇するハルの背中を押す。


「よ、よ〜し!行くぞ〜!」

「それ!」


 ハルは思いきりアクセルを踏み、飛行機は火山へと消えた。


「セイちゃんさんのバリアが効いてるのか、さほど暑さを感じませんね」


 ホッとした様子でソーマが呟く。


「セイちゃんゆうしゅうだもん!」


 ふん!と鼻を鳴らして誇らしげなユカリ。


「あ、何か光る物が見えてきたよ」


 身を乗り出して指を差すワタル。


「危ないからそれ以上乗り出さないでね〜」


 互いの声も満足に聞こえない程の轟音の中、転送装置は赤く光を放っていた。


「次は宇宙空間なんて事ないよね・・・・」


 ワタルが小さく呟く。


 飛行機ごと装置に乗ると、全体を赤い光が包みこみワタル達は消えた。


 次の階は普通の炭鉱エリアだった。


 ワタル達はホッとして脱力した。


 気を取り直して宝箱を荒らし、五十階層で一休み。


 危険なフィールドに出る事なく最終階層へ辿り着いた。


「始めはヤバかったが、後半は普通だったな」

「だが、気は抜くなよ。何が出るか分からねぇからな」


 シオンが腰の剣に手をやる。





 (ダンジョンでこんなに緊張するのは初めてだ・・・・)


 ダンジョンが怖いと思ったワタルだった。






こんにちは、ボアと申します。

もし「面白い!」と思われたら

感想などいただけると参考になりますので

嬉しいです。

よろしくお願いします。

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