2 ――聖教暦1247年花月19日 プファルシュ選帝侯領―― 罪人の仲
「スミエル、そんな急に出発するですか?」
「そう。彼奴等が遂に動き始めたから、俺は一刻も早くポーランタルに行かなきゃならないだ」
明るい月光の下、男女二人は城の裏門の外に立て、何がを話している。そばに一匹の馬が控えているから、多分出掛ける前の挨拶でしょう。二人も黒いマントを着けているため、遠くから見ると、何時でも周囲の闇に溶けそうに成る。
夜はとっても静かで、高くない城壁の上に立つ衛兵の欠伸もはっきり聞こえる。だが、兵士達はこの怪しい二人を全然気にしていない、只真っ黒の地平線を見守ている。
「まさか本当に【召喚】ができる何で…」
「魔法に関する知識は、奴等が俺達より多いですね。儀式で【召喚】を使えるくらい、そんなに驚く事もないさ」
「妾の記憶が正しいなら、貴方の一族は儀式魔法で有名の筈…あ、御免」
「は」
理由は分からないが、女性は突然謝り始めた。でも、そんな彼女に対して、スミエルと呼ばれた男は気にしていないの様で、只軽く笑った…
彼は頭を少し上げたため、壁上のトーチの光によって、フードの中から二十代くらいな顔が見えた…そして、同時に見られたのは人間より長くて尖った耳。
「確かに、一族は儀式魔法を多く持てるだが、俺の様な者に伝える訳はない。今更、あれはもう失った知識に過ぎないだ」
「本当に御免…」
「気にするな、エリザベス。君が謝るべき事でもないさ」
スミエルは手を軽く振って、女性の謝罪を止めた。
「この件について、罪を持つのは人族…それ以外は、俺一人だけなんだ。他に誰のせいでもない、だから君の謝罪は不要だ」
話の後半、スミエルの声は段々低く成た――丸で奈落の底から必死に上がってくる、悔しさを込めた罪人の叫び。
そして、話す途中から、スミエルは思わず何回も自分の左のこめかみを触った。そこに刺青みたいな変な模様が付いてる。その模様は一つの三角が円の中に嵌め込まれたという形をして、使ったインクは特別のせいかも知れない、暗い闇の中に僅かな赤い光を発している。
「…」
スミエルの事情を詳しく知っているから、エリザベスと呼ばれた女性は、一瞬慰めの言葉を口から出そうに成た…が、最後はやはり何も言っていなかった。
「…そ、そう言えば、【召喚】まで使っで、彼奴等は何をする気でしょうか?」
「そうねーー」
スミエルは真剣に考えた後、やはり頭を横に振った。
「情報不足だ。だが、奴等の今までした事を考えれば、きっと多くな人の命に対する脅威に違いない」
「…危険…はないでしょうね…今回の任務」
スミエルの答えを聞くと、エリザベスは本気で心配に成た。彼女は急にスミエルの顔に見上げて、あの何時も平然としている瞳の中から、必死に真相を探る。
「は」
エリザベスの視線を浴びて、スミエルはつい笑ってしまった。
目的はともかく、彼女の生まれから、スミエルはずっとエリザベスを見ている。最も彼女を理解している人は 多分スミエルでしょう…そして、エリザベスも多分世界で一番彼を理解している。
それでも、エリザベスはこんな質問を出した、丸で何も知らない普通な少女の様。
スミエルから見ると、これはとっても滑稽て…非常に悲しい事だ。
「俺達の任務は、何時も危険があるですよ。今回も変わらない」
「でも…貴方は誰も連れていないじゃないか? 一人であの修道院を攻める気?」
そう言ってると同時に、エリザベスは振り返って裏門を見た――やはり他に誰一人も出てこない。意外も何もない、こんな夜中で出発すると聞いたから、エリザベスはもう既に気付いたんた。
だが、スミエルは又笑った。
「まさか。命令はもう降された、今回ポーランタルにいる夜行者全員は俺に従うべきと」
「でも、あそこに能天使級以上の魔法を使える者は一つもないと聞いた…」
「大丈夫だ」
エリザベスの心配に対して、スミエルは自信の満ちる笑顔をした。彼の緑色な両目は丸でそう言ってる、自分の敗北の可能性はこれっぽっちもないと。
「俺がいるじゃないか? 俺が奴等に負けると言いたいですか?」
「い、いいえ、しかし…」
慌てて否定したが、エリザベスの顔は未だ安心していないと見える。
「もしかしたら、召喚された者の中に、強者があるかもしれない…」
「…昔の例を参考すれば、この可能性は低いだろ。他の世界から召喚された者は、大体魔法の知識もないと記録されてる」
そう言いているが、スミエルの目から自信はいつの間に消えた。明らかに、彼は何がを覚え出した。
エリザベスはスミエルの変化を見逃す訳がない。
「いくら低いでも、不可能じゃないでしょう? やっばり人手の多い方が安全でしょう。こちらからも人を連れよ」
だが、スミエルは再び頭を横に振った。
「止めておけ」
深刻な顔でエリザベスの目を見つめると、スミエルは声の量を下がって説明した。
「君の夫はもう俺の事を疑っている。もし又任務のために城から人を連れ出したら、更に怪しまれるだろう。あの方は重要な同盟者ですから、決して信頼を失なってはならないだ」
この言葉が出た瞬間、エリザベスは丸で苦虫を呑んた様な顔で沈黙した。
エリザベスは自分の考えを理解したのを見ると、スミエルは軽く溜め息をつきながら、笑顔に戻った。
「心配するな。俺は言いただろう、可能性は低いて」
「…」
明らかに未だ認めていないが、エリザベスはもうスミエルの意志を変えられる言葉を思え出さない。万事休すな彼女は、只悲しい目でスミエルに哀願する事しかできなくなた。
決心の動揺を恐れるせいで、スミエルは視線を逸らして、わざと軽い口調で会話を終わらせる。
「伝えたい事はこれだけ。俺はそろそろ出発するだ」
そう言いながら、スミエルは馬の背を軽く叩いて、状況を確認する。彼の「その話はここまで」との意思は、はっきりと伝えられた。
「…」
「どうした? お別れの挨拶は?」
「…行ってらっしゃいませ。そして…どうかお気をつけて下さい」
唇を強く噛んで、エリザベスは特に後半の部分を強調した。
――ぱ!
罰として、スミエルは右手のひらでエリザベスの頭を叩く。でも、力は完全に入ってないから、痛いのはないでしょう。
「君まで忘れたのは、俺にとってこの世で一番悲しい事ですよ」
「ち、違う! 妾は只…」
「なら、何を言うべきのは分かるでしょう?」
狼狽するエリザベスを見て、スミエルは微笑んでそう問いた。
頭を上げて、あの良く知っている笑顔を見ると、エリザベスは自分の無力さを再び認識した――二人の時間を幾つ過ごしても、この男は結局何も変わっていなかった。
いつの間に、数滴の清澄な液体はエリザベスの頬に沿って落としてきた…
(妾の馬鹿! とっくに分かってる癖に、何よ今更…)
慌てて頭を下げて、エリザベスは周囲の暗さを感謝しながら、素早く顔に付いた物を払う。
「…どうか、夜王様の御庭で平和な御永眠ができますように」
この「死になさい」とそう変わらない言葉を聞くと、スミエルの笑顔はまさか深く成た。
「ありがたいお言葉。では行ってきます」




