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神様家族



濃すぎるキャラのおじさま。

ポアロ先生のいじり方が神です。


あっ、本当に神様でした。



え〜と。

私はどんな態度をとれば良いのでしょうか?

先王陛下として?

創造神様として?


うん。どちらにしても、最敬の形で接しなくてはいけない御方ですね。


でしたら、この世界での私、貴族令嬢としてはカーテシー一択です。


……前世なら土下座一択です。


本日三度目のカーテシー。

この世界に転生してから今まで、こんな短時間に三度もした事はありません。

カーテシーに見える限界まで、足を引き低い姿勢になります。

先程したカーテシーもそうですが、本当は上体は真っ直ぐに保たなければいけないのですが、どうしても謝罪になると頭を下げてしまいます。


「何卒数々の無礼をお許し下さい。存じなかったとは言え、御姿を直に拝見した上、御身対しての弁えない発言など、お詫びのしようがございません」


足がふるふると震えます。

カーテシーはかなり無理な態勢なので、足の筋力が必要です。

それに加えて、本来のものより低い形をとった事で、いつもより負担が大きいのです。


「リフレシアよ、礼を解き顔を上げなさい。儂はそんな事を望んではいない。ほら、足が震えているではないか。身体を痛める、早く止めよ」

先王陛下の言葉にカーテシーを解くと、その場に崩れそうになりました。

いつの間にか近くに来ていたポアロ先生が、素早く腕を取り腰を支えてくれたおかげで、へたり込まずに済みました。


「父上……後でゆっくりとお話致しましょう」

「っっ、今のは儂のせいではなく、そなたのせいだぞ?儂はもう少し打ち解けてから、話そうと思っていたのだから」

「私のせい?いいえ。此処に父上が存在しているせいです」


まさかの存在否定。

……創造神様、不憫です。


「……憐れむな、リフレシア。そなた存外わかりやすいな。他は完璧なのに、何故そこだけそんなにも無防備なのか。ああ、なるほど。周りの者が教えなかったんだな。そなたは周りの者に、かなり愛されている様だ」

「ありがとうございます?」

「何故疑問形なのだ?まあ、良い。とにかく気楽にしなさい。愚息達の言う通り、堅苦しいのは好きでは無いのだ。それに儂は『おじさま』だからな」


イケおじ様からの、ウィンク頂きました。


かなり格好良かったです。

私がもう少し年をとっていたら、ふらふらと吸い寄せられていたと思います。

この方の遺伝子(?)がお二方に入っているのを実感しました。


むぅ、顔が熱くなってきました。

先王陛下は40歳は過ぎているはず、10代の女子を赤面させるなんて。

……神様って、恐ろしい。


「リフレシア嬢?……父上、清廉な乙女に色気を振り撒かないで下さい。リフレシア嬢が汚れます。暫く部屋から出て行って下さい」

「お爺様!貴方は無駄に色気があるから気を付けて下さいとあれ程言ったのに、何をしてくれたのですか!純真無垢な少女を惑わすなんて、それでも神ですか!」


わあ、容赦無いですね、二人とも。

でも私のせいで責められるのは申し訳ないです。


「申し訳ございません。まだその手の事に免疫が無いもので、お、おじさまの色気にあてられてしまいました。お二人とも、お、おじさまを怒らないで下さいませ」


つっかえましたが、何とか言えました。

あれ?どうしてクロード様もポアロ先生も渋面なのでしょう?

『おじさま』呼びで良かったのですよね?


ちらりと目線をイケおじ様に向けると、柔らかく慈しむ様な微笑みを浮かべていました。


「成る程な、そなた達が必死になる訳だ。しかしこの娘はこれから大変だぞ?12歳でこれなのだから、もう少ししたら……大変という言葉で済まないだろうな」

「余計なお世話です。羽虫など近寄らせませんし、リフレシア嬢の望む様に絶対してみせます」

「本当に余計なお世話ですね。だけど僕は叔父上の意見とは違いますけど?」

「殿下!」

「わかってます。わかっていますよ、叔父上。必ず自分の力で、叶えてみせます」

「ほう?ポアロは参戦しないのか?そこまで執着しておいて?」

「私の事は良いのです。優先すべきものは決まっているのですから」

「自覚が無い訳ではないのか。まあ、自身を見誤っているがな」

「ずっと見誤っていてくれて結構ですよ。叔父上が出てきたら分が悪過ぎます」

「クロードはちゃんとわかっているのだな。くくくっ、面白いものだな。二人が振り回されるなど、あちらの者達が知れば、かしましく囀ずる事だろう」


三人で交わされる会話の内容が見えず、ただお三方を見ているだけの私。

心が落ち着かせる為にも、放置大歓迎ですよ。

存分にお話して下さい。


けれど本当に、ここまでくだけた様子の二人は初めてです。

冷静に観察すると、三人の関係もよくわかります。


クロード様はポアロ先生に、若干のライバル意識がありますが、かなり慕っているみたいです。時々尊敬の目で、嬉しそうにポアロ先生を見ています。


ポアロ先生はおじさまを口では無下にしていますが、そこかしこに出ている気遣いを隠しきれていません。

クロード様に対しては、困った弟妹を宥める様に扱っていますし、可愛がっているのは明白です。


そんな二人をおじさまは、からかいながら反応を楽しんでいて、時折見せる微笑みはとても愛しそうです。



神様家族って、こんなにも人間みたいに仲が良いのでしょうか?

想像したら、とても微笑ましくなります。


あっ、ぼーっとしている間に家族団欒が終了していました。

……三人とも私を凝視しているのは何故でしょう?

はっ、またしても顔が崩れていたのでは?


家族やサマーセット家の皆に、私の気が抜けた笑顔は危険(崩れ過ぎなのでしょう)だから、出来るだけ気を付けるように言われています。


貴族令嬢失格の笑い顔だったのかと、恐る恐る三人を見ます。


「「「うっっ」」」


息をのむお三方。


ポアロ先生は片手で口元を、クロード様は両手で顔を覆いました。

何故でしょう?


「くくくっ、ははは!」

二人を見て、大爆笑しだしたおじさま。


……何故おじさまは、大爆笑しだしたのでしょうか?


私にはカオスなこの状況を、全く理解出来ませんでした。







このお話は『恋愛』主体のはずでしたが、何故か違う方向に進んでいる気がします。


『恋愛』要素が入ると、残念な感じになってしまうのはどうしてでしょう……

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