先王陛下な『おじさま』は……
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
いつも読んで下りありがとうございます!
お話も段々佳境に入って参りました。
100話完結を目指していますが、どうなるかはまだわかりません。
長くなりすぎたお話ですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。
「決め手となったのは、先王陛下のお顔でございます」
「顔?」
「はい。クロード殿下とポアロ公爵様によく似ておいででしたので」
「ふむ。だが似ておるのは愚息と愚孫の方だと思うが?」
確かに!
私は先王陛下を知らなかったので、クロード様やポアロ先生の方から見た意見になっていました。
またしてもやらかしてしまいました……
「申し訳ございません。重ね重ね失礼を致しました。お叱りは如何様にも」
先程より深く頭を下げて謝罪します。
大丈夫とは思いますが、サマーセット家に迷惑が掛かったらどうしよう。
……土下座?
ああ、駄目です。
土下座の文化はこの世界にありません。
「くくっ、よいよい、顔を上げなさい。別に怒った訳では無い。しかし、あまり似てると言われた事は無いんだが……因みにどの辺りが似ている?」
「瞳の形は皆様違いますが、鼻と耳、そして顎の輪郭がそっくりでいらっしゃいます」
「髪や瞳の色形ではなく、骨格で判断したのか。そなたは良い目を持っているのだな」
「お褒めに預り光栄にございます」
「……堅いな。愚息や愚孫に話すのと同じで良い。儂はただの老いぼれだ。そうだな、御爺とでも読んでくれれば良い」
御爺?
いやいやいや。
無い、無いです!
グラナード王国で尊敬する人10年連続一位の方を『御爺』呼び?
無理、無理です。
「お爺様、幾らなんでも初対面で『御爺』は無理ですよ。それに『御爺』って」
「リフレシア嬢をからかうのは止めて下さい。困っているではありませんか、可哀想に。帰りますよ?」
「今来たところではないか。最近は中々顔も見せんし。何だその顔は、今頃反抗期か?」
「お爺様、其処ら辺で止めたほ……」
「ほぉ、私に文句があると?大体忙しいのは誰のせいだと思っているのですか。良いでしょう、じっくりお伺いしましょう。その代わり当分の間、一切お手伝いしませんから。ええ、反抗期の息子ですから、親の手伝いなど致しません。勿論、今手掛けている案件もです」
「っっ、狡いではないか。儂を脅すのか?」
「脅す?失礼な。元々父上の仕事ですので、お返しするだけです。何せ反抗期なもので」
「あ、兄上もその位でや……」
「ああ、ああ、良いだろう。そこまで言うのなら儂と勝負しろ。儂が勝ったら言う事をきいてもらうからな」
「二人とも、子供じゃないのですから止めて下さい!」
わいわいがやがや言い合うポアロ先生や先王陛下と、間に入るクロード様。
……お三方とも、遠慮が無いですね。
現国王陛下に対してより、くだけてると言いますか。
特にポアロ先生。
こんなポアロ先生は初めて見ます。
かなりの仲良しさん?
我が家の父様とお兄様、シリスを見ているみたいです。
ん?
何かが引っ掛かります。
でも何に?
違和感の原因を考えていた内に、イケメン達のじゃれ合いは終わっていた様で、クロード様が声を掛けてきました。
「リフレシア、お爺様を見て浮かんだ印象を教えてくれる?ああ、不敬とか無しで。此処の結界は誰にも破れないし、お爺様も堅苦しいのは嫌いなんだ」
本当に大丈夫?という意味でポアロ先生を見ると頷いてくれます。
なら。
「渋いダンディーなおじさま、です」
「……おじさまか。老いぼれの儂には過ぎた呼び名だが、気に入った。では、おじさまと呼んでくれるか?」
えっ?
そのままを呼び名にするの?
しかも『おじさま』です。くだけ過ぎなのでは?
「ちっ……リフレシア嬢、すみません。どうやらかなり気に入ったみたいです。こうなると説得するのは難しい。貴女からしたら祖父ほどの年齢の老人ですが、良ければその呼び名で呼んであげてくれませんか?」
ポアロ先生、今舌打ちしませんでしたか?
……珍しいです。
アリアを相手にしてる時ぐらいしかしないのに。
かなり仲が良い親子なんで……っっ!
えっ?
えええ〜!
も、もしかして、もしかするのでは?
でも、そうだとしたらポアロ先生とクロード様の態度にも納得出来ます。
………………。
あ、あり得るのでしょうか。
この世界が異世界とはいえ、現世に三神が存在するなんて。
しかもそのお一人は、多分……
「愚息よ。そなたのせいでリフレシアが気付いてしまったぞ。それにしても聡い娘だな」
「……どうせいずれは気付く事です。後リフレシア嬢が聡明なのは、当たり前ですので一々言わなくて結構です」
「はっ!儂が褒めるのも嫌か。そなたがこれ程嫉妬深いとはな」
「何を仰っているのですか?……何です、そのニヤニヤした笑いは。気持ち悪いです。そんな変なものリフレシア嬢に見せないで下さい。彼女の目が汚れます」
「……叔父上、言動が段々おかしな方向に行っています。お爺様もからかうのをいい加減に止めないと、後で困るのはお爺様ですよ?それにリフレシアが固まっています。ちゃんと説明して上げて下さい」
確定です。
三神降臨、確定です。
そして最後の一人、先王陛下でダンディーなおじさまは……
「あらためて、リフレシア。儂はこの愚息どもの父だ。天界では創造神などと呼ばれているが、ただの『おじさま』だ。よろしくな」
グラナード王国の先王陛下な『おじさま』は、全てを創った始まりの神様でした。
若い子達にとって、30歳を過ぎた人間は皆同じに見えるそうです。
なのでリフレシアから見た創造神は、自分の父親と大して変わらないみたいです。
……アルヴィス様が知ったら泣くかもしれません。




