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特別棟でのおはなし 1



あ、暑いです!

溶けそうです!





放課後、私はポアロ先生とクロード様を特別棟に呼び出しました。


授業が全て終わり、クロード様とは敢えて別々に行動します。


ルーカス達ならまだしも、クロード様と2人で居る所を見られたら、ヒソヒソがキーキーに進化してしまいます。

キーキー進化した令嬢達は私を捕縛しようとします。

それはなるべく、いえ絶対遠慮したいので、最近はクロード様から離れて過ごしているのです。

かなり拗ねていた様ですが、ポアロ先生の冷気付きの説得で渋々了承して貰いました。

私の精神安定の為には致し方ないのです。


令嬢達に捕縛されて言葉や行動で傷付く事はありませんが、集団で囲まれ逃げられない上に、止まる事無く吐き出される罵詈雑言は、音程が高過ぎて頭に響くし、とにかく長い。

令嬢達の気が済むまで聞いていると帰るのが暗くなってしまいます。

心配した我が家の皆を適当な言い訳をして誤魔化したのですが、ハイスペックな我が家の使用人の皆様は警護の固い学園内に潜入し(もはや間諜並)、真実を知るや否や報復計画を練り出したのです。

……必死に宥めておさめて貰いましたが。


なので私は令嬢達に捕まらない様にしているのです。


通常ならばヒソヒソと聞こえる陰口で済むのですが、今や学園内外、いやグラナード国内で一番人気となったクロード様が絡むと令嬢達はキーキー進化し、捕まる確率がぐんと上がってしまうのです。


ほとんどの公式な場に出なかったクロード様は元々聡明な貴公子として有名でした。

件のお茶会で多くの貴族にお披露目されましたが、事件が余りにも大きかった為に尻窄みになり、さくっと婚約者候補を選んだ後はそれまでと同じく引き込もりました。

そうして謎のベールに包まれたまま学園の入学式を迎えたのです。


入学式に現れたクロード様は12歳とは思えない細身ながら均整の取れた体躯と磨きのかかった端正な美貌で周囲を魅了しました。

更にはSSSクラスという能力の高さも周知され、その素晴らしさは生徒から親へ、親から周りへと伝わり誰もが知る事となったのです。


未来の国王の輝く姿に、国民は安堵し、誉め称え、瞬く間に憧れの的となりました。


それはとても良い事だと思います。


例えクロード様の人気が上がれば上がる程、婚約者候補筆頭の私の悪評が上がっていったとしても。


うん、それも想定内です。


ですが私が学園で令嬢に捕縛される……のは駄目だったみたいです。


私的には全然問題無いのですが、我が家を始め、ルーカス達やカテリナ様達、問題の元であるクロード様にとってはご立腹範囲だったのです。


我が家だけでも大きな影響力があるのに、ルーカス達も子爵、男爵の子息をまとめ上げているし(主に力業で)、カテリナ様達もいつの間にか伯爵以下のかなりの人数の令嬢で派閥(これは知りませんでした)を作っていて、クロード様は言わずもがな。


お願いだから止めて欲しい。

皆が動いたら相手は骨すら残らないから……


なので令嬢達がキーキー進化しない様にクロード様との接触は最低限にしているのです。

皆様が怒ると私の精神がガリガリと削られてゆくので…



訓練場に到着すると、既にポアロ先生が居ます。

「ポアロ先生、お忙しい中お呼び立てして申し訳ありません」

「ご機嫌よう、リフレシア嬢。此処ではそんなに畏まらなくていいと言ったよね?それにリフレシア嬢に呼んで貰えるのなら何時でも何処でも行くから。遠慮無く呼んで?」

キラキラ輝く金髪を耳にかけ、宝石の様な碧い瞳は優しさを滲ませ、蕩ける様な笑顔で答えるポアロ先生。

ダリルとは桁違いの大人の男性が醸し出す、近付けば酔ってしまいそうな濃厚な色気を溢れてさせています。


…………安定の駄々甘です。


特別棟で学んでいた頃は常に一緒だったので、この甘々にも慣れてきていたのです。


ですが普通入学してから数ヶ月。

学園の先生方では教えられない部分のみ、ポアロ先生が担当する形に変わり、ポアロ先生と会う回数が減るとこの甘々が如何に高糖度なのかを痛感したのです。


我が家の皆も同じ位甘いですが、そこは家族なので受け入れるのも容易いです。

だけどポアロ先生は家族ではなく、私が知る限り一番見目麗しい男性です。

……神様だけど。


幼い頃はそこまで意識しなかったのですが、今は私だって年頃の女子なのです。


女神様すらひれ伏しそうな、好みドンピシャの超絶イケメン男性に、蕩ける様な笑顔で甘い言葉を掛けられて平静でいられる訳がありません。

ポアロ先生の言葉や態度に赤面して、二の句を告げられなくなってしまい、暫くフリーズした私は授業を受けられませんでした。

なので糖度を下げてもらうようにお願いしたのですが、いつぞやと同じく『本当の事を言って、したい事をしてるだけなので下げ方がわからない』と返されました。

それだと授業に支障が出ると抗議すると

「慣れて?」

の一言とともに更に甘さ増し増しの笑顔つきで返され、敢えなく撃沈したのです。


慣れなれないから頼んでるのに〜!


いえ、今はそんな些事に振り回されている場合では無いのです。


クロード様とポアロ先生。

この二人が能力的に私と一番近いはず。

だから聞きたい事があるのです。



強い大きな感情と魔力の関係。


そして魔力が性格を持ち、独立した存在と成りうるかどうか。



この事の答えが私の未来を握る鍵になる……





特別棟でのおはなしの後にユリウス、シリスが登場予定です。

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