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私の魔力



一家に一人リフレシアが居ると助かるかも?



「リフレシア様ですわ。ヒソヒソ……」

「まあ、相変わらずルーカス様達を拘束して」

「第一王子様もお可哀想ですわ」


今日も今日とて貴族令嬢達のお口は忙しい。


……でも、ごめんなさい。

慣れてしまいました。



サブリナ様の一件を皮切りに私の悪評はうなぎ登りで上がっていき、学園の何処を通っても似たような感じです。


最初の頃は構えていたのですが、ひそひそこそこそ噂するのは貴族令嬢だけ。彼女達は貴族特有の此方に聞こえる内緒話(私には出来ない高等技術です)をするだけで、平民の学生は私に構う余裕も無いらしく完全スルー。元々言われ慣れていた私には、陰口のレパートリーが増えたなあ、ぐらいにしか感じなかったのです。


ただ、今までよりも認知度が上がったみたいで何処に言っても何か言われる様にはなりました。


でも、それだけなのです。



封印の珠にヒビが入って1ヶ月。


少しずつヒビは広がっています……虫眼鏡で確認しないとわからないぐらいに。今の広がり具合だと封印が解けるのは1年位かかりそうです。


確かに私に対する悪意は若干増えたと思います。果たしてこれがヒビによる影響なのか、はたまたサブリナ様の一件で認知度が上がったせいなのか判断出来ない位の僅かな違いです。油断は出来ないですが、私としては肩透かしをくらった感じが否めません。ポアロ先生もクロード様も予想外だったらしく困惑気味です。


そんな状況でも関係無く、SSSクラスの毎月のテストはやって来るので、それをこなすのに必死な私は時々忘れてしまいそうになっていました。


そんなある日のことです。


「魔力が多いと怒ったり感情が昂ると溢れるよね?僕達もたまになるけど、リフレシアのはちょっと変わってない?」

休憩時間に魔法の教科書を読むのに飽きたらしいフレデリックが話掛けてきました。

「どういう事?皆のとは違うの?」

「ああ、そうだな。俺達は魔力が溢れた時、それぞれ決まった現象が起こるがリフレシアはその時々で違う事が起こってるな」

苦虫を潰した様な顔でマナーの教本を読んでいたルーカスも話に入ってきます。

「そうだねぇ。リフレシアの感情によって変わってる様に見えるね」

ストレッチをしていたダリルも私を見て不思議そうに首を傾げました。

「う〜ん、意識した事が無いからよく覚えてないですが、冷気と光の膜みたいのはよく出ますね」


この2つは割りと頻繁に出てきます。


冷気は怒った時だけでなく、暑さに弱い私がうだっていると、ダイヤモンドダストの様なものが周りに出てきて適温にしてくれたり、光の膜は見たくないとか見せたくないと強く思うと対象を覆ってくれるだけでなく、萎れた花を可哀想だと思うと包む様に出て元気にしてくれたりします。

その他にも私にとって便利な現象が様々な形で現れるのですが、強い感情のぶれがだけが発現の切欠ではありません。


「えっ?これが普通じゃないの?私のはおかしいの?」

今まで周りの人に何度も見られていますが、一度も指摘された事が無かったです。


「まあ、かなり特殊だとは思うけどリフレシアに害はないからいいんじゃない?」

「確かに。それに暑い季節や寒い季節はリフレシアの側に居ると周りも助かってるしな」

「そうそう。リフレシアの近くは空気が澄んでて疲れが取れるしね」


……驚愕の事実。


私の魔力、冷暖房空気清浄付きだった!



「ええ〜!何、皆知ってたの?」

「そりゃ知ってるでしょ」

「俺達が出会った頃から出てたからな」

「……リフレシアは何処までいってもリフレシアだよね」


最後のダリルは可哀想な子供を見る目だった。


だけど今まで誰も何も言わないし、それが普通だと思うじゃないですか。

……決して私がお馬鹿さんな訳じゃないです……



けれどよく考えてみれば私の魔力は無意識下の私の意を汲んだ現象が多いです。勿論、ある程度は意識的に扱う事も出来ますが、基本は勝手に発現してる気がします。


……勝手に?


魔力が自らの意志を持っている?


あり得ない、聞いた事が無いけれど、そう考えると全部辻褄が合うのです。

……しかも存在そのものが規格外な私。

あり得ます、というかほぼ十中八九そうなのでしょう。


全然気付かなかった……

でも不思議な感覚です。

私の中の魔力は意志があって共存しているのです。

私の中にある魔力は魔法を使う為のただのエネルギーじゃない。



私の中の魔力が、形のある何かだと認識した瞬間でした。



カタコトカタコト

歯車の音が加速した気がした。





最近出ていないユリウスとシリス。

近々登場予定です。

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