特別棟でのおはなし 2
リフレシア。
年頃の女子として、余りにも不憫です……
「あれ?リフレシアの方が早かったんだね。何処通って来たの?」
ポアロ先生に負けず劣らずのご尊顔に無邪気な笑顔を浮かべやって来るクロード様。
……兄弟神って言ってましたよね?
神様が美しいとは人間の妄言では無かったらしい。
こんな超絶美形様が沢山居る天界……。
行く事は無いと思うけれど行きたく無いです。
「このお二人の美しさは天界でも別格です」
空気の様に側に佇んでいたアリアの小さな声。
……アリアさん、口に出していませんよ?
にっこり微笑み頷くアリア。
うん、もう気にしない。
ですが成る程、納得です。
普段この二人に辛辣なアリアですら、美しさは認めているらしい。
「リフレシア嬢程愛らしく懐の中にしまっておきたい女神はまだ見た事が無いよ」
「そうだね、こんなに可憐で常に愛でたくなる女神も見た事無い」
や〜め〜て〜
この世のものとは思えない麗しいご尊顔を持つ方々からの褒め言葉は、私の精神をガリガリ削る責め苦だと気付いて下さいっ!
そして二人も心を読むのは止めて頂きたい。
「「顔に出てる」」
声を揃えて言わないで下さいっ!
精神的ダメージが倍増する気がします……
きっと二人を睨むと蕩ける笑顔×2が返ってきます。
「そんな顔もまた愛らしいね」
「睨んでるつもりなんだ?可愛い」
……もう、やだ。
涙目になった私を優しく撫でたアリアがぽつりと言います……足元のひんやり付きで。
「このお二人、接近禁止にしますか?」
味方してくれて嬉しいけど、この二人アリアの上司的存在だよね?
「問題ありません。このお二人の上の方から、リフレシア様を護るにあたって、ある程度の権限を頂きましたので」
二人の上?
神様の世界はよくわからないけれど、神様の中でも上下関係があるみたいです。
なら、アリアに頼んで甘々な言動を禁止しつもらいましょう。
アリアはこくりと頷いて
「リフレシア様との会話を禁止します」
と、言い放った。
い、いやいやそこまでは……
「リフレシア様。このお二人は若干のからかいはあるものの、仰る言葉は全て本心ですので会話を禁止しなければ、ずっとこの調子ですよ」
溜息まじりのアリアの言葉に、真顔でコクコク頷く二人。
肩を落として項垂れた私は、二人との普通の会話を諦めたのでした。
「本題に入ってもよろしいですか?」
「「勿論」」
……うん、間違いなく兄弟です。
「私の魔力量はお二人と近い、という認識で合っていますか?」
「僕はかなりの間、現世で過ごしているから近いと言えば近いけど、叔父上は制限がかかっていても僕達より魔力を含めた魔法の力は数段上かな」
「……ポアロ先生」
「うん?」
「ポアロ先生の魔力が溢れる時って、どんな時ですか?」
「感情が制御しきれない時かな?主に怒りの感情だと思うよ」
「その時起こる現象はどんな現象ですか?」
「冷気が出る。感情の度合いによって程度も範囲も違うけれど」
「……冷気が出るだけ?」
「うん。リフレシア嬢も気付いたんだね?」
「ポアロ先生は気付いていたのですか?」
「リフレシア嬢を見ていたら気付くよ。……後もう一つ気付いた事がある」
「えっ?」
「上限だったはずのリフレシア嬢の魔力が、年々増加し続けている」
「「!?」」
今まで話を黙って聞いていたクロード様が焦った様に割り込みました。
「ちょ、ちょっと待って。リフレシアの魔力は人間が持てる最大量だって言ってたよね?なら今のリフレシアの魔力量は……」
「……人の持てる域を超えている」
……どうやら私……
規格外から人外に進化したみたいです。
「だとしたら、今リフレシアは僕よりも上位という事なの?」
「リフレシア嬢、クロード様を鑑定してご覧」
……見えます。
ええ、ばっちりと鑑定出来ました。
クロード様の身体を包む様に七色のオーラがその強さを表す輝きを放っています。
闇を封印する時には鑑定出来なかったのに。
うわあ……
人外な上に元神様より強くなっちゃいました……
「……鑑定出来てしまいました」
「だろうね」
「嘘でしょう。リフレシア何処目指してるの……」
いえ、何処も目指してません。
完全に不可抗力です。
私って一体……止めておこう。
考えるだけ無駄な気がします。
アリアが心配そうに撫でてくれる事に癒されながら、頭を切り替えます。
「ポアロ先生、クロード様。どうやら私の魔力は人格らしきものがあるみたいです」
「はっ?」
「………………」
「私の魔力は闇と同じく、自らの意志を持ち行動しています」
ポアロ先生に聞いて、疑惑は確信にかわりました。
そう、私の魔力は闇と同じ様に進化しています。
次回の投稿は8/22(土)になります。




