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クロード・ヴェル・グラナード side 5 +? side



長かったです。

次回からはリフレシア視点に戻ります。



……うん、何とかしてくれるとは思ってた。

思ってたよ?


だけど……


誰が新しく世界を創るなんて予想出来る?

いや、出来ないでしょう。


まあ、発端はあの狸親父様だから、新しい世界を創る位してもらっても良いだろう。


でも記憶が全部戻ったからこそわかるんだけど、リフレシアの加護付け過ぎだよ。僕や兄さんは元が神だしリミッター付けてもこの状態なのは仕方ないけれど、リフレシアも同等なんて……彼女は人間なのに。ここまできたら人間の枠超えてるよ?


いや、心配なのはわかるよ?補佐に上位の天使も付いてるから、大抵の事は上手く誤魔化せると思う。勿論、僕も協力するからいざとなれば国家権力を使って握り潰す。持ってる力を使う事に躊躇も異論もないからね。


……まぁ、兄さんが満足そうだから良いか。


彼女と出逢って記憶のピースがはまった途端にアイツとも会ったのは最悪だった。折角の再会が台無しだ。おかげでゆっくり話す暇も無かった。


だけど、仮封印したアイツに浄化かけ続けろなんて、人使い荒いよ。

しかも、それはリフレシアに内緒って。無意識に浄化が出来る?いやそんな事出来る訳ないし、そこそこ大変なんだよ?確かに彼女の性格なら、自分が代わるとか言いかねないのはわかるけど。


……僕の頑張りは彼女に伝わらないじゃないか。

僕だって少しはいい所見せたいのに。


するのが嫌な訳じゃないし、むしろ出来る事があるなら何でもするけれど……何か理不尽だ。


この世界に来て兄さん性格変わったよね?


自分の欲求に対して素直だし、表情も豊かになった。感情を言葉にするし……かなり天界の時とは違う。


……嫌いじゃないけどさ、今の兄さん。



彼女、リフレシアは側で過ごしてわかったけどかなりのお転婆だった。今まで自己が確立されるまで成長できなかったから、わからなかったんだろうけど。兎に角、好奇心旺盛で気になったものに対する探求心が半端ない。リフレシアの真面目で努力家な性格と高過ぎる全ての能力が相まって、想定外の結果を産み出しては周りを振り回してる。


斯く言う僕も振り回されてる一人だけど……


だって、余りにも無防備で無邪気だから危なっかしいんだよ。



それに加えてあの容姿。


まだ幼い今でさえ群がる害虫駆除に手を焼いてるのに、成長したらどうなる事やら。今から先が思いやられる。

彼女の生家がサマーセット公爵家でなかったら大変な事になってたからね。


そのサマーセット公爵家もその家人もかなり普通じゃない。


家自体、狸親父様の設定以上に繁栄して、三大大国の一国並みの財力と武力を有するし、家族の能力も日々の努力の賜物か進化し続けてる。更には雇われた使用人達も、特化した技術と能力を持っている。しかも忠誠心が高過ぎて、もはや盲信レベルだ。


兎に角、サマーセット公爵家はリフレシアの後ろ楯としては申し分無い……というかあの家で無いと無理。



それに……


やっぱり、何度転生しても、何処に産まれても彼女は彼女だった。



ただただ、真っ直ぐにひたむきに、一片の曇りもなく周りを愛している。


そして彼女の愛は周りの人を包んで癒す。


彼女を憎んだ相手さえ、彼女は愛を注ぐ。


その愛は光となり憎しみすら溶かしてしまう。




だから彼女が選ばれた。


きっと創られただけが理由じゃない。


憎しみすら……負の感情すら溶かしてしまう彼女だから与えられた宿命。


この神が関わる宿命は、彼女でしか成し得ない。



神が引き起こした事の代償を彼女が払わねばならないのなら、僕は彼女に持てる全てを与えよう。


それはきっと兄さんも同じだから。



だから、リフレシア。

君は君の思うままに進めば良い。

君の心が望むままに……




□□□□□□


時々浮上する意識で見た光景は酷く悲しく辛いものだった。



取り込める許容量を超えた負の感情は身体と意識の大半を呑み込んでしまった。

どんどん深くなる闇に対抗する術は無く、微かに残った神力をいざという時の為に守るのに必死だった。


深い闇に永く囚われる内に私は闇の感情がわかる様になっていた。

最初の頃はただ自分以外の全てに対して羨み、僻み、嫌悪、憎悪等の人間が持つ負の感情をぶつけていた。乱雑な感情が秩序も無く撒き散らされていただけだったのが、少しずつ時を重ねていく内に人格らしきものが形成され、それと共に知能も育っていった。そして、呑み込まれた私の意識の中から様々な知識を得て、狡猾さを増していく。

私の中にあった負の感情を感じ取った闇は、事あるごとにそれを私に突き付けて、私の残った意識を蝕もうとする。


何故私が負という毒をこの身に取り込み、その毒を生み出す人間を救わねばならないのか。


誇張されていても私の中に確かにあった不満。

人間にも天界にも向けた憎しみ。


常ならば、些細な事と流せても、闇の中で冷静な判断を失った私には甘い蜜となり、少しずつ意識を削られてしまう。


この闇の中で感じる負の感情は抗う事が難しい恋の様な甘さの毒だった。

その毒に抗う事が何時まで出来るのだろうか。徐々に削がれていく気力に、私は希望を失っていく。


そんな時、闇が見つけたのは小さな淡い光を持つ少女だった。


その少女は聖女になるには小さすぎる光にもかかわらず、曇る事無く輝きを増していく。その輝きは周りの人々に降り注ぎ、闇の放つ負の感情を浄化した。


闇はこの少女を怖れていた。

そして何故か少女に執着していた。

だから、執拗に少女を狙い、力が育つ前に襲う。

少女が幼い内に……


だが、強大な力と知能を持った闇を浄化するには幼い少女の輝きでは足りなかった。


しかし、少女は奇跡を起こす。

少女の生命を輝きに変えるという悲しい奇跡を。

だが、それでも力は足らず、必ず相討ちになってしまう。


そして、その奇跡は少女の魂が転生する度に繰り返されていったのだ。



それから何度めかの転生で、変化が生じる。

少女を気に掛けた一人の神、大いなる全てを創りし神の末の息子である若い神が少女の元にやって来る様になったのだ。

その頃にはもう既に私の意識はほとんど闇に呑み込まれていて、少女の事を思うほんの少しの自我しか残っていなかった。


お願いだ、あの子を悲しい鎖から解き放ってあげてくれ。


だけど私の願いは届かなかった。

悲しい奇跡の瞬間に彼は何も出来なかった。


ああ、これは彼女が背負いし宿命なのか。

私も彼も、大いなる神でさえこの悲しい奇跡を止められない。


微かな希望が絶望へと変わり、私は抗う事を止めた。すぐに私の意識は呑み込まれるだろう。


なかなか始まらない浸食を怪訝に思い良く見ると、目の前では更なる悲劇が起こっていた。

彼も闇に囚われてしまったのだ。


彼の方に力を割いたのだろう、私への拘束が緩んでいる。

ならばと、気力を振り絞り意識を取り戻す。

力が少ない為、少ししか取り戻せなかったが、前よりはましだろう。


少なくとも囚われた彼との接触は出来るはずだ。


今は無理でも、力が少なくても2人も神がいるなら勝算はかなり上がる。


少女を救うだけなら何とかなるかもしれない。


希望が灯る。

小さな希望だった。

まるで少女の光の様に小さいけれど温かい希望が私の中で瞬いた。














蒔いた種が少しずつ芽を出してきました。

まだ種は残っています。

今までに蒔かれた種とこれから蒔く種が全て芽を出した時………


何が起こるのでしょうか。

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