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以後、気を付けます!



リフレシアはリフレシアでした。



「リフレシア!独りで先に進んではいけないとあれ程っ……また……これでは彼等の訓練にならないよ」

「くすっ、リフレシアだからね。今日は何考えてたの?」

焦った声から呆れた声に変わったポアロ先生と面白そうにからかいを含んだクロード様に我に返った私。


はっっっ!!!

「ごめんなさい、ポアロ先生……」


私はポアロ先生に謝りつつ、小さな栗鼠だけがちょこんと座る目の前の草地を見て項垂れました。


私が今居るのは王都に近い森で、今日は新しく入庁した魔導師様の訓練の為の魔物討伐……なのですが、どうやらこの3年間を振り返っている内に全部殲滅してしまったみたいです。私達3人はフォロー役として同行していたのに!ちらりと彼等の後方にいる魔導師様を見ると目をまん丸にし、唖然としています。


また、やってしまいました……


慰める様に足元にすり寄る茶色の栗鼠を抱き上げて、指先で柔らかなもふもふを撫でる事で下降した心を癒します。



特別入学してから受けた授業の8割は魔法行使でした。

属性の攻撃魔法、防御魔法は勿論の事、魔道具制作、魔法薬作りにも魔力や属性魔法が必要でした。

少ない座学はかなり高度な魔法理論や魔法陣の習得でしたが、ハイスペックでチート全開のリフレシアの頭は一度で全てを吸収してくれたので、そこは神様に感謝しかないです。9〜10歳の子供が理解出来る範疇を超えすぎた内容だったので。

クロード様も同様に(元は神様ですからね)難なく一度で全てを理解していました。


苦手だった攻撃魔法も何とか一通りは使える様になり念願の転移魔法も覚えた頃、クロード様にこっそり誘われたのです、魔物討伐に。


元々クロード様は内緒で魔導師様の魔物討伐に付いて行っていたらしく色々と手際良く潜入する事が出来ました。

さすがに初めて付いて行った時は驚かれ帰る様に説得されましたが、何度か強引に同行する内に慣れたのか諦めたのか呆れ顔で苦笑をこぼしはするものの何も言われなくなりました。

……粘り勝ち?


実践は練習より遥かに難しいものでした。常に魔物の動きに合わせ対処すると言うのは、広い視野と冷静な判断が必要となり、一朝一夕で身に付くものではないのだと痛感したのです。


ですがやはりポアロ先生には5回めあたりで気付かれてしまいました。


魔法行使の練習に壁も感じていて、実践によりわかる足りない部分や、生まれるアイデアの数々を必死にプレゼンし、実践の必要性を強く主張した結果、渋々ながらも了承を得たのです。

但し、授業の一環としてポアロ先生が選んだものをポアロ先生同行の元で、と言う条件付きではありましたが……


と、いった過程があっての今なのです。



最初の頃、討伐した小さな魔物の最期の声が耳に残り、私は考えました。


もしかしたら、魔物も人と同じで魔落ちに段階があるかもしれない。浄化したら元に戻る可能性があるのでは、と。


クロード様やポアロ先生に協力してもらい比較的小さめの魔物に浄化魔法をかけたのです。


結果は私の推測通りで、浄化された魔物はただの兎に戻ったのです。私は喜び勇んで魔物への浄化を提案しました。


ですがこれには多くの障害があり断念せざるを得ませんでした。


まず、浄化魔法の使い手の数が少な過ぎる事。そして、その使い手が我が家と王家を除いて全て神官である事。……基本神官は神殿勤めなので魔物討伐などに必要な体力、武力(魔導師様は騎士様に近い訓練を受けています!)を持っていないのです。更には浄化出来る段階の見極めを襲われている最中に出来るはずも無かったのです。


しかし、心の何処かでその事は残っていました。


ある日の討伐で、目の前に現れた手の平に乗る位の小さな魔物を見た時に、それは突然発動したのです。


10匹程の体躯もまばらな魔物にきらきら光る何かが降り注ぎました。ほとんどの魔物は黒い靄となり溶ける様に消えてしまい、残ったのは美しい毛並みの立派な角を持つ男鹿と小さなモモンガ。それらからはもう魔の気配はしませんでした。男鹿は瞳を私に向けた後、その場から素早く走り去りましたが、モモンガは其処に留まりつぶらな瞳で私をじっと見詰めています。怖がらせない様にゆっくり近付き両手で掬い上げても、その子は逃げませんでした。指先で頭を撫でると気持ち良さそうに目を閉じます。そして「おうちに帰っていいんだよ」と言う私の言葉に返事をするみたいに「きゅっ」と一声鳴くと腕から肩へと駆け登り両腕を広げて飛んで行ったのです。

ポアロ先生が解析した結果、魔物に降り注いだ光るものは高濃度の聖水が霧状になったものでした。膨大な魔力が必要となるので基本的には使わない様にと注意されました。


注意を受けたものの、それからは私が意識して止めないと魔物に遭遇する度に聖水の霧が出てしまうようになったのです。


実践を繰り返す度に私の魔力は変化していき、気が付けば意識せずとも防御の結界は展開され、高濃度の聖水が霧状で広範囲に散布される様になったのです。

魔力が意思を持ち私を護るのです。

これにはポアロ先生もアリアも意味がわからないと首を捻っていました。勿論、私にもわかりません。……でも神様でもわからない何かがあるなんて、とわくわくしてしまいます。


けれど、今日は駄目だったのに〜


ひたすらに新しい魔導師様に謝りました。

以後、気を付けます!













リフレシアは動物に好かれます。

でも、他に人が居ると寄って来ないのであまり知られていません。

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