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ポアロ side



若干情緒不安定なアルヴィスパパですが、リフレシアの周囲の空気には敏感です。

勿論、レティシアママもユリウス、シリス、使用人も気付いています。




先触れで知らせた時刻より少し早めに着いたサマーセット家の玄関には、忙しいはずのアルヴィス殿がいた。


「ようこそお越し下さいました、ポアロ様」

王宮で見る様な冷たい微笑みを整った顔にのせたアルヴィス殿は、言葉と裏腹にどう見ても歓迎しているようには見えなかった。

「わざわざ当主自らお出迎え頂かなくても良かったのですが……ありがとうございます」

「いえいえ。王弟であり、魔導師長であるお忙しい(・・・・)ポアロ様のお越しを私が出迎えるのは当然の事です」

日参しているせいか、日々当たりがきつくなっている。

「本日の仕事は済ましてきましたし、何度も言うようですがもう王族ではありませんので……」

「おやおや、これは大変失礼しました。可愛い娘が長く臥せっていて、心配の余り他の事は忘れがちなのですよ。お許し下さい」

……いやもう、十分元気だと思う。

「許すなど……こちらこそ気遣いが足らず申し訳ありません」

「いやいや、王弟殿下に謝って頂くなどとんでもない。はははっ」

「………………」

何を言っても無駄みたいだ。

「ところでポアロ様、本日は何用でこちらに?」

「……リフレシア嬢の今後の事の相談と、ご機嫌伺い……」

「ああ!今後の事ですか。では保護者である私がお聞き致しましょう!」

どうやら今日もすんなりとはリフレシアの所に行かせて貰えないようだと、小さく溜息をついた。



アルヴィス殿の当たりがきつくなったのはリフレシアが目覚めてからだ。それまでも彼女の状態を確認し、長い眠りで失われる体力等を回復する為に毎日サマーセット家に来訪していたのだが、その時はこんな事は無かった。

彼女が目覚めて安心し、他の事に目を向ける余裕が出来たのだろう。それからのアルヴィス殿……いや、レティシア様以外は私の来訪を良しとしないのだ。

サマーセット家に着いた途端、アルヴィス殿を筆頭に息子2人や使用人があれやこれやと理由を付けて引き留める。無下にするわけにもいかず対応し、ぐったりする頃には女性を訪問するのに遅い時間で、ほんの僅かに顔を見る位しか出来ないのだ。……ある意味素晴らしい連携プレーだか。


理由に心当たりが無い訳ではない。

彼等は私をリフレシアを奪う者として警戒しているのだ。

……そして、それに私は応とも否とも言えない。


神々の恋愛は人間のそれとは大きく異なる。

恋愛自体は変わりないかもしれないが、縛りが無いのだ。

人は国などによって多少の違いはあれど一人と番う。

だが神々は長い時を生きる為か恋に奔放で、心のままに幾人とも恋をする。

そして、その相手が親子や兄妹というのはよくある事なのだ。

だから私にとって、リフレシアは子の様に思っていても恋愛の対象にもなりうるのだ。

更に言えば、久遠の時を生きる神にとって人の年齢など無いに等しい。


しかも……

私はアルヴィス殿達の警戒通り、リフレシアに惹かれている。


彼女は花だ。

まだ固く閉ざされた蕾であるのにかかわらず、柔らかな香りを放ち惹き付ける。

惹き付けられた者達は香りの優しさに包まれて癒される。

皆一様にこの蕾が開かれる様に想いを馳せ焦がれてゆく。

そして思うのだ。

何時開くかわからない花の咲く瞬間を見たい。

この蕾を、鮮やかに輝く様に咲くであろう花を自分のものにしたいと。

そうして集った者達は惹かれ焦がれ、目が離せなくなってしまう。

かく言う私もそのひとり。


ただ私は今までの長い生の中で恋愛をした事が無い。

誘われた事もあったけれど、彼女の魂が気になってそれどころではなかったから。

だから、これが本当に恋なのかわからない。


それに……

この世界はリフレシアの為に創ったもの。

だから彼女が望む相手と添い遂げさせる事が一番で、私の気持ちなど二の次だ。


けれどもし……彼女が私を望んだら私はきっとそれに応えるだろう。

そして彼女の生命が尽きる瞬間まで、彼女だけを愛し慈しみ続ける事を約束出来る。

それは確信を持って答えられる。

私を望まなくてもそれはきっと変わらないだろう。


こういった感情を恋と呼ぶのかは私にはわからない。


……だが、全ては彼女の心のままに……





次回の投稿は7/18です。


ポアロ様決してロ○コンではありません。

神々からすれば人間は全て年下括りになります。

冷たい目で見ないであげて下さいね。


……鈍感すぎる部分については容赦無く文句を言ってやって下さい!

私も文句がいっぱいですので。

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