殿下(狼さん)との接触はご遠慮します!
……出来るだけ殿下(狼さん)に関わりたくないリフレシアです。
そして、出来るなら殿下に関わらせたくないポアロ様とアリアです。
「クロード殿下とリフレシアは年齢が入学基準に達していないけれど、2人とも魔法全般が規格外で早急に制御の習得が必要だと判断されて、特別入学という形で学園に通ってもらう事になった。それなら、学園長であり魔導師長の私が直々に指導してもおかしくないしね」
「……クロード殿下と別々に教えてもらう事は出来ないんですか?」
手間が掛かるのはわかっていますが、殿下(狼さん)との接触は出来るだけご遠慮したいのです。
……主に私の精神衛生上の問題で。
「リフレシアのお願いは聞いてあげたいんだけど、ちょっとそれは難しいかな?一応はこの世界で人として生きてるから、肩書きに見合った仕事もしててね。2人別々に指導となると時間が足りない。それに2人ともお互いの資質を理解しておいてもらいたいからね」
「………………わかりました」
物凄く嫌だけど、ポアロ様を困らせたいわけではないので諦めます。
今してるであろう(自分では見えないですが間違いないはず!)渋面に苦笑しながらポアロ様は聞きます。
「リフレシアはクロード殿下が嫌い?」
「……嫌いではないです」
「じゃあ、何でそこまでクロード殿下を避けるのかな?」
「………………」
美形な王子様と一緒に居て何か言われるのも嫌ですが、あの王子様は見た目と違い、いい性格をしています。
まあ、見た目を裏切る性格の美形は私の周りに沢山居るのでそこが問題ではないのです。
殿下には面倒事の予感がするのです。
それでなくても、いっぱいいっぱいなのにこれ以上は御免です。
でも……ポアロ様の弟だから、仲良くして欲しいのでしょうか。
「ポアロ様は私と殿下に仲良くなって欲しいのですか?」
「いや。これからの事を考えたら、仲が悪いのは困るけれど、仲良くなって欲しいとは思ってないよ。クロード殿下の見た目は天使のようだけど性格はちょっとね。リフレシアに悪い影響が出そうだから、注意しとこうかと思ったんだ」
ポアロ様とアリアは遠い目をして頷きます。
……殿下は今までに何をやらかしたんでしょうか?
気になるところではありますが、ポアロ様がこう言うのなら、一緒に勉強する級友くらいの距離で大丈夫でしょう。
いずれ闇の神様と相対する時までにお互いの得手不得手や癖などを把握しておけばいいはずです。
「学園への入学手続きや、それに関する諸々は全て済ましておいたから、リフレシアの体調が良くなったらいつでもおいで。因みにクロード殿下は既に通われているよ」
逃げようとは思ってませんが、準備万端ではないですか。
そして、殿下の情報は必要ないです。
いずれにせよ、今の私では足りない事は十分理解しましたから、色々学べるのは有難いです。
「わかりました。私の体調などは大丈夫ですが、確か学園は制服がありましたよね?それの準備が整えば行けると思います」
「心配ご無用です。制服などの学園に関する物の手配は既に終わっております、リフレシア様」
「流石アリア!じゃあ、いつでも行けます、ポアロ様」
うちのアリアは出来る侍女なのを忘れてました。
「……リフレシア、ただね……」
「?」
渋面になるポアロ様。
「……サマーセット家が反対してるんだ」
そうでした。
事情を知らない家族がおいそれと私を外に出すとは思えません。
しかも再び1ヶ月も昏睡した私。
先程の父様の様子だと、ポアロ様が説得するのは難しいかもしれません。
ですが、私に甘い父様です。
私自身が望んで行きたいと言えば納得してくれるでしょう。
「私もなるべく多くを学びたいと思っています。今の私では足りな過ぎますから。少し時間は掛かるかもしれませんが家族を説得して、出来るだけ早く学園に通えるようにします」
「……私からも続けてお願いするよ。あっ、学園にはアリアも来れるからね」
それは嬉しいです!
不謹慎かもしれないですが、アリアと一緒に寄り道とか出来るかもとわくわくします。
その時心配そうに私を見ていた2人にも気付かなかった私は、軽く考えていた家族の説得に後々頭を抱える羽目になるのでした。




