人生の歯車が回り始めたみたいです
……ポアロ様、わんこみたいです。
当初の設定から少しずつ少しずつずれてゆき、気が付けば、超絶イケメンな残念わんこ君になってしまいました。
私の成すべき事はわかりましたが、これまでの経緯を聞いて恐ろしい事に気付いてしまいました。
「ポ、ポアロ様。質問してもいいですか?」
……本当はわかっていますが、万が一違っていたらいいなぁと思いまして。
「答えられる事は全て答えるよ」
「……依り代の神様ってポアロ様の身内(神様に身内とかあるのかは不明ですが)ですか?後、その神様もこの世界に転生してるんですよね?もしかして第一王子殿下とかじゃないですよね?」
「依り代となった神は人で言うところの一番下の弟に当たる。そしてリフレシアの言う通り、第一王子がその神だよ」
簡潔かつ明白に素早い回答が返ってきました。
いや〜〜〜!
だって、ずっと関わりを持たなきゃならないんですよ?
第一王子殿下ですよ?
しかも、あの顔立ち。
これからもっと麗しくなるのは決定事項。
それでなくても悪役令嬢と呼ばれている私。
なのに、美形な王子様と一緒に居たら何を言われるか!!!
……さっきの覚悟を無かった事にしようかな。
あっさりと返された望まぬ答えにやさぐれてる私は悪くないと思います。
「リフレシア、その……ごめんね」
えっ、第一王子様の事?
「何故、ポアロ様が謝るのですか?」
「私は、君を見つけてからずっと見ているだけだった。私にも小さな加護なら与える事は出来たんだ。でも私は何もしなかった。そして君が産まれて消えるのを何度も何度も……ただ見ていたんだ」
……違った、ごめんなさい。
「理由があったんですよね?でも言いたくないんですね?なら私は聞きません。でもそれでポアロ様が自分を責めるのは嫌です。聞かない代わりに謝るのと、自分を責めるのは止めて下さい」
「リフレシア、君は私を責めていいんだ。私は責められる事をしたんだ」
むぅ。
頑固ですね。
「あのですね、私はポアロ様とアリアを自分自身より信じているんです。信じた人がした事を責めるなんてしませんし、したくないです。それにもう終わった事、過去なんです。する気はないですけれど、もし責めたとして何か変わりますか?だからこの事はこれでお終いです」
目を丸くして絶句するポアロ様と冷気をのせた視線をポアロ様に向けつつ頷くアリア。
言い過ぎたかなぁ。
でもポアロ様は若干面倒臭いところがあるから強引に終わらせないと引き摺るんです。
しかも私がアリアみたいにばっさり斬ると暫く凹んで更に面倒臭くなるので加減が難しいのです。
……今まで、凄く深刻な雰囲気だったのが一気に吹き飛びましたよ、ポアロ様。
「……浄化に優れた神様って言ってましたよね?だから、封印したものを第一王子様が持っている?」
パアッと笑顔になるポアロ様。
「流石は(私の)リフレシア!その通りだよ!彼は無意識に悪意のあるものを浄化しているんだ。だから彼が持っているのが一番良いんだ」
話を逸らして正解でした。
うん、立ち直ったみたいです。
あれ?
前に聞いた時は言えないって言ってましたよね。
もしかして……
「ポアロ様、私が闇の神様に出会う事でここに至るまでの詳細を話せるようになって、私がその詳細を知る事で教えられる内容が増えたとか?」
にっこり極上の笑顔を麗しのご尊顔に浮かべたポアロ様。
「正解。リフレシアと闇が出会う事が切欠となって色々な歯車が回り出すようになっていたんだ。まだ幾つかは話せない事もあるけれどね」
どうやら私の人生の歯車が回り始めたみたいです。




