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私は独りじゃありません!



……また、シリアスです。

語彙力の足りない文章で読みづらいと思いますがお目こぼし頂けると助かります。






「20年……そんな事あり得るのですか?」

「普通ならあり得ないね。でも今回の事件にまつわる事は『そのあり得ない』ばかりだから」


15歳、20年前。何か意味があるのでしょうか?


「公爵の兄の死に疑問が出て来た話は覚えている?」

「はい。事故直後に従僕2人が失踪していた事がわかったって……もしかして」

「うん。公爵の魔星が現れた時期なんだよ」


公爵は何かの切欠で『魔落ち』し、自分の兄に対する妬みや恨みなどの負の感情が増幅され、従僕を使って事故に見せ掛け殺害したなら辻褄は合います。

でもそれは過去の事で、今現在公爵が他国と繋がる理由とは関係ない事です。


「もし、『魔落ち』した人間を見分けられる者がいて、監視していたらどうなると思う?」

「!!!」

「『魔落ち』した人間の罪を把握し、それを盾に操る事が可能になるよね。犯した罪が大きければ大きい程、爵位が高ければ高い程にその枷はきつく重くなる」

「でもっ、20年も魔人にならず操れるとは思ってないはず……」

「『魔落ち』を見分けられる者がいるなら、『魔落ち』を制御出来る者がいてもおかしくない」


……この世界の常識ではあり得ない事ばかり。

今回の件にはアレが関わっているから?

でも、封印したのなら収まるの?


「……残念ながら、今回私が封印したものはアレの全てではないんだ。確実に残滓は感じるから。でも、この世界で身体を持った私には神の時のような力は使えない。だから正確な情報まではわからないんだ」

「……アレは、封印したものは今何処に?」

「アレは、第一王子が持っている」

「!危険ではないのですか?第一王子様ですよ?次期国王様ですよ?」

「うん、わかっているよ。でも彼が持っているのが一番安全なんだ」

「………………」

きっとこれ以上は言えないんだ。


ポアロ様の瞳が揺れているもの。


ボードフォール公爵様とその黒幕、第一王子様、そして私はアレと複雑に繋がっている。

その繋がりの結果が今回の事件。

そして、それはまだ終わっておらず、きっと私と私の周りを巻き込んでいく。


この世界の常識には何一つ当てはまらない。

アレはいつだって何もかもを無茶苦茶にしてしまう。

炎のような腹立たしさに胸が焦げそうで。


でも……一番腹が立つのはまだアレに敵わない自分。


神様は「時が来るまで」と言いました。

なのでまだ時間はあるはずです。

それに「育てる」とも。

私と第一王子様を育てる、アレに対抗できるようにするつもりなんだと思います。



転生した時心に決めたのです。

未来を夢見る人生を必ず手に入れると。

神様やアリアが側に居てくれるこの世界で……



だから出来る事は全部します。

最期の一瞬まで絶対諦めたりしない。

ただ、成す術なく消えたりしない。



神様やアリアを、家族を悲しませたりしたくない。



決意を固めた私はポアロ様を真っ直ぐ見ます。


「『時が来るまで』私に出来る事を教えて下さい」


ポアロ様は苦しそうな顔で口を引き結んだ後小さく息を吐きました。


「……今ほど自分の無力さを痛感した事はない。まずはアレについて知ってる事を教えるよ。あくまで話せるだけになるけれど」


アレについて、はっきりと話すのは初めてです。

無意識に身体が震えてしまっていたのかベッドに腰掛けたポアロ様が優しく肩を撫でてくれました。


「……時間はまだある。今でなくてもいいんだ。怖くて当たり前なんだよ?私達に強がらなくていい、いや強がらないで欲しいんだ。文句や愚痴や……弱音を言っていいんだ、リフレシア」

そう言ったポアロ様も、側で黙って見守っているアリアも心配そうな顔で私を見ています。


わかってないですね。アレに対する恐怖が無いとは言えません。でも今私は独りじゃない。こうやって心配してくれる2人がいるから私は強くなれるのに。


「大丈夫ですよ?ちゃんと文句も愚痴も弱音だって言います。私は独りじゃありません。だって前世を含め全部受け止めてくれる2人がいるんですから」


そうです。

繰り返した過去は過去。

今回も同じなんて誰が決めたのか。

もし、決められていてもぶち壊せばいい。

だって、今までとは違うもの。

全部知っていて側に寄り添ってくれる人が2人もいる。



……優しい大切な人達が側に居てくれるんですから……



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