私の名前はリフレシア・サマーセット
シリアスが続きます。
語彙力の無い自分が恨めしい……
「……遠くまで聞こえる耳をお持ちですね、アルヴィス殿に隠し事は出来ません」
「一応、宰相をさせて頂いておりますので。ポアロ様は陛下から?」
「はい。それも昨日聞いたばかりです」
???
肝心な事が明確にされずに進む会話についていけません。
隣のお兄様やシリスも同じらしく、困惑しています。
「ふふっ、すまない。お前達には何の事かわからないね」
と、父様が苦笑しつつ教えてくれました。
友好条約が結ばれてから即位したウェルガン国王は温和な方が多く、グラナード国だけでなく他国との戦もせず平和な治世が続いていた。けれど、ここ最近貴族の様子が一変し、ウェルガン王家と何か揉めているようだ。自国内の争いは他国に知れると弱味となるので強固に隠している。それなのに父様が知っているは優秀な間諜を持っているからだとポアロ様は言ったらしい。
……大人の会話は面倒ですね。
「ウェルガン王国が揉めているのはグラナード国に戦を仕掛けようとする貴族がいるからだ。だが、グラナード国を攻めるにはまずここサマーセット公爵領を落とさなければならない。けれど先の戦でサマーセットの強さは身に染みているはずだ。だから内部から切り崩そうと操りやすそうなボードフォール公爵を担ぎ上げたんだろう」
「ですが彼等もボードフォール公爵家がサマーセット公爵家にここまで敵わない事は誤算だったのでしょう。そんな時ボードフォール公爵家に魔落ちの娘がいる事を知ったため、娘をサマーセット公爵家を崩す切欠にしようとした……というのが上部の見解です」
「……酷い。ロザリア様は捨て駒にされたんですか?まさかボードフォール公爵様もご存知の上ではないですよね?」
「「………………」」
……沈黙は肯定ですよね。
あんまりです。
血の繋がった我が子を生け贄にするなんて……。
家族を犠牲にするなんて……。
……赦せない!
怒りが身体を支配していく。
どこもかしこも熱くてたまらない。
目の前が赤く染まっていく。
世界も自分も赤く赤くとけていく。
「リフレシア嬢!」
私を呼ぶ神様の声が遠く感じる……
ここが何処で、自分が何者なのかが曖昧で……
「リフレシア嬢!」
再び呼んだ神様は私を強く抱き締めて綺麗な瞳を合わせた。
綺麗な綺麗な瞳、私の大好きな碧い宝石……
「……リフレシア嬢、大丈夫、大丈夫だから。ゆっくり息をして」
優しい声と規則正しい音が聞こえる。
「そう、上手だね。そのままゆっくり息をして」
わたしはいきをしてる……
いきている?
「リフレシア嬢、大丈夫だから」
わたしはりふれしあ……
わたしは……私はリフレシア。
私の名前はリフレシア・サマーセット。
この世界で生きている、神様やアリア、大好きな家族と生きている。
「そう、大丈夫。でも少し疲れたでしょう?だから今は休めばいい」
うん。
神様、ちょっと疲れちゃったみたい。
だから……少しだけ眠ってもいいよね?
「ええ、貴女が望むだけ。おやすみなさい、リフレシア嬢」
神様の優しい声を聞いて私は意識を手放した。
リフレシアパパはサマーセット公爵家総出の会議に参加していたました。
可愛いリフレシアが害されかけたのです、当然です。
(仕切っていたのはリフレシアママとアリアですが……)
ですが、王宮から査問会の呼び出しがかかります、
しかも陛下からの呼び出しです。
行かないわけにはいきません。
でもリフレシアパパの心の天秤はがっつりサマーセット家の会議に傾いています。
(王宮の呼び出しを無視するには)どうしたものかと悩むパパ。
そこへすかさず声をかける使者様。
「『王家の間』への転移の許可が出ております」
王家の間は王族だけが使える場所。
転移の魔方陣がありますが、当然使えるのは王族のみ。
それを許可した国王様。
転移すれば時間は然程かかりません。
リフレシアパパはそれならと査問会に出席したのです。
……最後のまとめのところだけですが。
流石は国王様です。
サマーセット公爵の心の内などお見通しなのでした。




