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ウェルガン王国



読んで下さる皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは。


いつもありがとうございます。


6月26日に少し改稿しました。

魔法使い→魔導師に変更したのと、リフレシアの名前がアルセネアとなっていたのを変えました。

ちなみにアルセネアはぽちぽちと制作中の短編のヒロインの名前です。

誠に申し訳ありません。


誤字脱字に気を付けているつもりなのですが……ご容赦頂けると有難いです。


シリアスは苦手ですが、シリアスがないと話が進まないので精一杯頑張りますのでお付き合い頂けたら幸いです。


十六夜




「……ボードフォール公爵令嬢なのですが」

8つの瞳に凝視され、おずおずと話し出したポアロ様。

「神殿で暫く様子を見た後、王家の管理下にあるトルティナ修道院に行く事になりました。昨日の検査で小さな魔星が確認され、聖水で消す事が出来ました。ですが前列のない魔がついていた為、普通の魔落ちよりも厳しい監視と対処が必要と判断されトルティナ修道院行きが決定したのです。あそこの院長様は浄化魔法を使えますから」

「ロザリア様のお身体は大丈夫なのですか?」

「検査しましたが、身体的には全く問題ありませんでした」


良かったです。

魔落ちした者は精神だけでなく、身体的にも影響があると聞きました。

だからもしかしたらと心配だったのです。


「ボードフォール公爵は令嬢が魔落ちした事を知っていて隠蔽しました。それだけでも大罪ですが、屋敷の使用人に事情を聞いていくうちにかなりの不正が明るみになったのです。急遽、屋敷の捜索を行えば数え切れない証拠があがり、直ぐ様王宮にて査問会が開かれました。査問会にはアルヴィス殿もおられたのでご存知ですね」

「ああ、あれには驚きました。こう言ってはなんですが、あそこまで悪知恵が働くとは思っていませんでしたから」

「ええ、陛下もそう仰っていましたね。しかも、あろう事かそれを証拠もなくアルヴィス殿に擦り付けようとするとは。陛下も私も、査問委員の皆様も開いた口が塞がりませんでした」

「……ボードフォール家は長くはないでしょうね」

「はい。ボードフォール公爵はまだ返り咲けると思っておられるようですが」

……言葉がありません。

何を根拠に返り咲けると思うのでしょうか?

「亡くなられたボードフォール公爵の兄上が家を継いでおられたらこんな事にはならなかったでしょうに。彼はとても優秀でしたから」

「そのボードフォール公爵の兄の死についても疑問が出てきました」

「!!」

「公爵の兄は馬車が崖から転落した事による事故死となっています。ですがその直後、公爵の専属だった従僕が2人突然辞めたそうです。しかも、荷物も給金もそのまま消えるように居なくなった。机の上に乱れた字で書かれた辞職願だけを置いて。古くから公爵家に仕える執事長が話してくれました。これによりその事故の再調査も行われます」

「……取り潰しにしなかったのは関わった者を炙り出すためですか?」

「……陛下の御心はわかりませんが、恐らく」


実の兄を殺してまで権力が欲しかったのでしょうか。それに関わった人達も何が目的なのでしょう。


「ボードフォール公爵にあれだけの事が出来ると思いません。彼を操っていた誰かがいると考えれば腑に落ちるのです。そして、その誰かは何かを企てている可能性が高い」

「心当たりは?」

「王家に楯突くような人物は、今国内居ないかと……」

「……ウェルガン王国か」


この世界の三大王国のひとつ、ウェルガン王国はサマーセット公爵領に隣接する山を挟んだ向こう側にあります。今は比較的友好な国交が行われていますが、ひと昔前には戦った事もあるそうです。史実には国境を守るサマーセット家と私設騎士団が活躍し勝利したと書いてありました。その後、友好条約締結と平和の証として当時のグラナード国の王女様が嫁がれたはずです。


そのウェルガン王国が何故関わっているのでしょうか?






ユリウスside


……昨日も思ったがポアロ様のリフレシアを見る目が気に入らない。

昨日はとんでもない事が起こった後で幼い女の子を労ってるのかとも思ったけれど。


玄関に到着したポアロ様は最初に当主である父上、次は母上にとそつなく挨拶をして、僕とシリスにも声を優しい声をかけてきた。

それ自体は何もおかしな事ではないけれど、始終リフレシアを気にかけていたのに僕は気付いていた。

玄関に到着した時、一番にリフレシアを探していたのにも。


……嫌な感じだ。

同じ事を思ったのかシリスも猫を被るのをやめて渋い顔をしていた。


リフレシアはとても可愛らしい。

見た目は勿論の事だが内面はそれを上回る。

だけどリフレシアはほとんど他人を寄せ付けず、知っているのは家族やサマーセット家の使用人達と僅かな友人(……5人組もまあ、認めてやろう)のみ。

リフレシアの内面を知ると彼女を守るためなら何でもする崇拝者となってしまう。

リフレシアの愛らしさからすれば崇拝者の100人や200人いてもおかしな事ではないし、リフレシアを守るというのなら別段問題はない。


だがポアロ様は別だ。

……認めたくないが初対面であったにも係わらずリフレシアがすんなりとポアロ様を懐に入れてしまった。

そしてあろう事かポアロ様の美貌や物腰にうっとり溜息を溢し見惚れたのだ。

今までどんな美形にもほとんど反応を示さなかったのに。


常にないリフレシアの様子、常にリフレシアを気にするポアロ様。


僕の中でポアロ様という存在が要注意人物と認識された。





……シスコン、ここに至れり。

程々にね、ユリウス君。

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