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今は(再び)さておきます!



(残念)超絶イケメン神様登場の巻?



陶器のような白い肌、艶めく金の髪、長い睫毛に縁取られた碧の瞳は涼やかで、すっと通った鼻に仄かに色気を感じる薄めの唇。

全てのパーツが見事なまでに完璧に配置されている麗しのご尊顔。


何度見ようと溜息の溢れるこの顔を私が見間違うはずはありません。


ですが、神様は神様だから人外で人でないのに此処にいて……

魔導師長様で殿下の叔父様でベルフォード公爵様で神様で……


とにかく意味がわかりません!!!


「2人ともよくもたせましたね、素晴らしい結界です」

「お褒めに預り光栄です」

「ありがとうございます。で、叔父上はコレの対処は出来ますか?」


……今は(再び)さておきましょう。

そうです、神様なら何とか出来るのでは?


「いえ。この状態の魔は見た事も聞いた事も無いですね。なので殲滅は不可能です」


えっ?神様でもダメなの?

……違う。

神様は出来ないんじゃなくて、してはいけないんだ。


「ですので一旦封印します」

「……封印、なるほど。でもいつかはコレを滅せねば国の災いとなりかねないのでは?」

「ええ。いずれはせねばならないでしょう」

「封印している間に方法を探すのですか?」

「方法の模索はします。ですが私一人では難しいでしょうね。優秀な人材が必要です」

「優秀な人材……魔導師を育てるという事ですか?」

「はい。ですが普通の魔導師ではなく、特別な力を持った魔導師を、です」

「特別な力?」

「ええ。クロード殿下やリフレシア嬢のように」

「それは…」

「今は封印が先です。詳しい話は後にしましょう」


内容が気になるらしい殿下との会話をばっさり切った魔導師長様(神様)。

私も気になりますがまずは魔が先ですね。


「殿下とユリウス君は同時に結界を解いて下さい。リフレシア嬢はそのままを維持して。魔導師の諸君は念のため物理的結界をホール内に展開。封印は私がします」

「合図はいります?」

「いえ、私に対しては結構です。出来るだけ同時に解除して頂ければ助かります」

「では僕が指を鳴らすのを合図に。それでユリウス殿は大丈夫?」

「はい」


ち、ちょっと待って下さい!

またしても私の役割は無しですか?

先程とは違って今なら冷静に対処できます。


「魔導師長様、あの……」

「リフレシア嬢。先程貴女方には鑑定をかけさせてもらったので魔力の多さも魔法の強さもわかっています」

「っでしたら……」

「ですが貴女は自分が思うより精神的に疲弊しています。その状態で今以上の魔法の行使を魔導師長である私は許可出来ません。此処に浄化魔法を使える者がいれば貴女と交代させたいくらいです」

「…………お時間をとらせて申し訳ございません」

「いいえ。リフレシア嬢、貴女は9歳の女の子とは思えない魔力と魔法を持っています。ですが魔と相対するのは大人でも精神的疲労が大きいのです。自身の状態を把握出来ないと魔法は扱いきれません。今回の事を糧にし次に生かして下さい」

「はい……」


いつもの神様と同じ柔らかな口調。

でも、いつもとは違う厳しい内容。

頭では正論だとわかっています。

だけど胸が苦しいのです。

失敗ばかりの自分が恥ずかしくて……泣きそうです。


……でも。

魔導師長様(神様)の瞳は微かに揺れていて……



出会ってから今までずっと優しかった神様。


ちょっとした注意すら、した後にはオロオロしてしまうくらい怒るのが苦手な神様。



きっと今泣きたいのは神様の方。



ふと思い出す。

悪戯してパパに怒られ泣きじゃくる私を抱きしめながら言った一葉のママの言葉。


「怒ったパパの方がつらいかもね」













(残念イケメン)神様 side


これが出来たと喜び、あれは苦手だと唇を尖らせる。


嬉しいと微笑み、悲しいと顔を歪める。


豊かな感情とともにくるくると変わる表情は私達には持たざるもので、ひどく眩しい。


胸の中にともった小さな灯りは気付けば太陽のように輝いていて、それは私に変化をもたらした。


神として人に抱く慈悲や慈愛とは違う感情。


その感情の名を私は知らない。


神としてではないこの想いが何処に向かっていくのかも、私にはわからない。


けれど、胸で輝くこの想いを逃さぬよう抱きしめていたいと願うのだ。

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