表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/107

お兄様とシリスを信じます!


今回不快な表現があります。

苦手な方ごめんなさい。


久しぶりのシリアスです。




すぐに警備の騎士様が現れ甲高い声で喚くロザリア様を拘束します。

私が結界を解いてからの騒動は周知の事となったせいか、周りに人だかりが出来ていて様々な非難の視線がロザリア様に向けられます。

噂が大好きな貴族の格好の的です。

嘲笑を含んだ囁きにいたたまれなくなった時、それは起こりました。


拘束されて暴れていたロザリア様が急に動きを止め俯きます。


「なによ、わたくしが悪いんじゃないわ。全部その女のせいよ。どうしてよ、わたくしの欲しいものをその女がもっているの?……嫌いヨ、ニクイ、シンデシマエバイイノニ!!!」


顔を上げ私への怨嗟の言葉を吐くロザリア様。

その背中から煙の様に湧き出る黒い靄。


!!!


心に抱く負の感情が一定量を超えると、人は魔に堕ちます。魔に堕ちた者には身体に黒い星形の痣が現れ、放っておくと痣は広がり、最後には全てが黒く染まります。真っ黒に染まった人、それを魔人と呼びます。

魔人は魔物と違い知性が高く狡猾です。魔物を統率して人を襲ったりします。基本的には物理攻撃が主体ですが、ごく稀に魔法を使う魔人がいます。器となった人の属性魔法を使えるからです。魔法を使える魔人は、人にとって非常にやっかいな存在なのです。

ただ、現在は魔法を使える魔人は確認されていません。


魔に堕ちた者『魔堕ち』に顕現する黒い星の痣『魔星』を確認したら必ず国に報告しなければならないという決まりがあります。

魔星が小さいうちなら、聖水や神官の祈祷、光魔法の浄化で消す事が出来るからです。

その為、魔人にまで堕ちる者はいないのです。


けれど見た限りロザリア様は真っ黒になっていません。

魔人でもないのに、強大なまでの圧を放ち器から出て具現化されたもの。

見た事も聞いた事もないけれど、これは『魔』そのものなのでしょう。


……そして多少の違和感はありますが覚えのある感覚。


器であるロザリア様の力を全部吸収していないのにこの強さ。

ロザリア様が凄まじい魔力保持者だった?

ううん、鑑定では微弱だった。

では何故?

予想も想像も超えた状況に頭が働きません。


!!

どんっと言う鈍い音と同時に、ロザリア様を拘束していた騎士様が弾き飛ばされました。

幼い少女相手に油断していたとしても、エリート中のエリートである近衛騎士が呆気なくやられたのです。

興味本位で見ていた人達も、事態の深刻さに気付き慌てふためきます。

悲鳴をあげるもの、我先にと人を押し退けるもの、震えて座り込むもの……場は一瞬にして混乱の極みに陥りました。


その間にも、ロザリア様の背にある魔は大きくなっていきます。


……落ち着かないと。

今までちゃんと練習してきた。

だから出来る!


一息吸い込み、私とロザリア様を包む結界を張ります。

先程とは違い水と光の結界を。


ロザリア様が背負う魔が、結界のせいで押し留められます。


けれど私は焦りました。

結界と接触した魔が消滅しない事に。

水と光の結界、これは聖水の結界です。

なのに押し留める事しか出来ないなんて……


これが効かないとなると光魔法での浄化がセオリーですが、私の予想通りならそれもどれだけ効果があるのか。


悩んでいる間にも魔は結界を破ろうとしています。

私は更に結界へと魔力を注ぎました。

この結界から出すわけにはいきません。

結界の外には多くの人達と、皆がいます。

大好きで何よりも大切な家族がいるのです。


……また前世と同じ最期を迎えるの?


「リフレシアっっ!!!」

「姉様っっ!」

「!」

絶望に心が折れそうになった私に聞こえた声は、結界に張り付くように叫んでいるお兄様とシリスでした。


「この結界を解くんだ!」

「ダメです!私ではこの魔を消せません。結界を解けば皆に被害が……」

「わかっている。だがここは王宮だ。時間さえ稼げば魔導師達が来る。僕に考えがある。だから結界を解くんだ!」

焦りながらも要点だけ伝えるお兄様の顔は、私を助けるために嘘を言ってる様には見えません。


どうしよう……お兄様の策に乗る?

でも失敗したら皆が危険にさらされてしまう。


そんな事をぐるぐる考えていた時、ふと神様の言葉を思い出しました。


「リフレシア、どんな時も命を諦めてはだめだよ。君の命は君だけのものじゃない。リフレシアを愛する全ての人達のものでもあるのだから、もちろん私も含めて」


転生してから幾度となく言われた言葉。


何を弱気になっていたのでしょう。

諦めるのは最後でいい。

出来る事全部してからです。


「お兄様、手順をお願いします!」

「リフレシアが結界を解くと同時に僕とシリスで結界を重ね掛けする。リフレシアが彼女にかけてる光魔法は今のまま維持して」

「!はい」


ロザリア様が魔にひきずられない様に、微弱な浄化をかけていたのもお見通しだったようです。

ここまで理解した上での策なら、確率は高いはず。

お兄様とシリスを信じます!


「お兄様、シリス。準備はいいですか?」

「ああ、いつでも」

「はい、大丈夫です」


2人の頼もしい声を合図に、私は結界を解いたのでした。












ある日の(残念イケメン)神様とリフレシアとアリア


「こんばんは、リフレシア」

「(残念イケメン)神様、こんばんは!」

「今日は1日何をしたのかな?」

「今日ですか?アリアと一緒に庭園でお茶をしました!ね、アリア?」

「ええ、天気も良くて料理長の新作のお菓子も美味しかったですね」

「っっ、アリアは侍女なのに同席したの?」

「ええ、優しい(私の)リフレシア様が是非と仰ったので」

「他の人にばれない様にアリアが水の結界を張ってくれたんです。お日様の光が水の結界に反射して……とっても綺麗だったんです〜」

「……アリア」

「どうされました?何か問題でも?」

「…………問題はないよ」

「フフフ」


アリアと(残念イケメン)神様が笑いあっているのですが、2人からひんやりとした空気が流れてきます。


私の周りでは時々ひんやり笑顔現象が起こります。

?何でだろう?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ