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蛍の「絶対大丈夫」には彼女なりの根拠があった。その根拠を確かなものにする為に、翌日二人は再び高校へと向かった。
「ハルカさん、いるかな」
ハルカの姿を探して三年生の教室を見て回る二人。夏休み中だというのに思ったよりも生徒の数が多い。教室を見て回ってわかったが、どうやら文化祭の準備をしているようだった。しかしどの教室にもハルカはいない。あまりちょろちょろと動き回っているところを生徒たちに見られても良くないと思い、図書室に足を運んでみる。おそらくハルカの担任であろう百田に聞けば何かわかるかもしれないと踏んでのことだ。
「お邪魔しまぁす……」
そっと図書室のドアを開けると、『指定席』に彼女は座っていた。何をするでもなく、頬杖をついて揺れるカーテンを眺めている。
「百田……先生」
遠慮がちに蛍が声を掛けると、百田はびくっと小さく飛び跳ねてこちらを振り返った。
「あら、あなた……こないだの?」
百田が飛び跳ねた拍子にずり落ちたメガネを右手の中指で直しながら、目をぱちぱちとさせる。
「驚かせてごめんなさい。あの、聞きたいことがあって」
「どうしたの?」
「ハル……東郷さんは今日、学校に来てますか?」
「今日は見てないけど……?」
「そう、ですか……」
「あなた、東郷さん……いえ、東郷くんの知り合いなの?」
「え……」
「だってここに通って『いた』知り合いがいるのよね?」
「……」
「否定しないのね。まぁこっちに来て座りなさいな」
百田はトントンと人差し指で机を叩きながら蛍を呼び寄せた。蛍は大人しく百田の向かいの席にちょこんと座る。
「東郷くんもいつもその席に座ってたわ」
「覚え……知ってるんですか。ヒカルのこと」
「もちろん。彼は私に教師になるきっかけをくれた人なの――……」




