ⅩⅩⅦ
高校が夏休みに入り、僕は益々ゆきちゃんの部屋に入り浸った。
あるとき、ゆきちゃんがバイトで僕と廉士さんで留守番を頼まれた。
こういうことは度々あって、僕らはそれぞれ好きなことをして過ごすがこの日は違った。
廉士さんが真剣な顔で僕を呼んだ。
少し緊張しているようで、僕も姿勢を正した。
何度か深呼吸をして、やっと彼が口を開いた。
「詩晴は、何でみゆが好きなんだ?」
僕は思わず吹き出した。
「真剣な顔で何かと思えば、フフッ、そんなこと?」
僕が笑っていると、廉士さんは頬を染めた。
「そんなことじゃない、俺の大事な姉さんの事なんだぞ。正直に答えてくれ。」
照れながらも真剣に聞いてくる廉士さんに僕も笑うのを止めた。
「何で、かぁ。何でだろうね、僕も分かんないや。」
僕の答えをからかっていると思ったのか、鋭い視線を寄越した。
「ふざけている訳じゃない。本当に分からないんだ。」
今まで男性とのお付き合いの経験はもちろんある。
だか所詮、中学生のお遊びだ。
真剣だったかと言われれば当時は真剣だったのかもしれない。
でも、常に心のどこかでこれじゃない、という気持ちはあった。
僕が女の子に惹かれるのはこれが初めてではない。
思い返せば小さいときからかもしれない。
初恋は、保育園の担任の先生。
私の担任は女の人だった。
小学校では、好きな男の子がいた。
だか、その子の家に行ったとき、たまたまその子のお姉さんに会った。
それから僕はお姉さんに会うためにその子の家に行っていた気がする。
中学校では女子校だったが、近くの男子校の生徒とお付き合いをしていた。
しかし、半年ほどで別れた。
僕は自分の全てを捧げてもいいと思えるほどの恋愛をまだしたことがなかった。
そんなときにゆきちゃんと出会ったんだ。




