ⅩⅩⅥ
結論から言うと、僕へのストーカー被害は無くなった。
父に相談してから一週間が経ち、気が付いたら複数いたストーカー達が全員いなくなっていた。
あの人が何をしたのかは分からないし、知りたくもない。
でも、僕を、ゆきちゃんを助けてくれたのは事実だ。
、、、、、やっぱり嫌いだ。
嫌いになりきれない自分も、嫌わせてくれないあの人も、嫌い。
あれから僕の周り、ゆきちゃんの周りにも特に被害はない。
ゆきちゃんの部屋に行かなくなってから、二週間が経った。
僕はそろそろゆきちゃん不足だったのもあり、久し振りに彼女の部屋へ行った。
彼女の部屋の前には、何もない。
大丈夫、もうあんなことにはならない。
チャイムを鳴らそうとすると、目の前の扉が開き誰かが勢いよく飛び付いてきた。
「詩晴!おかえりなさい。」
眩しいほど笑顔のゆきちゃんだった。
僕は言いたかったことも全部後にして彼女を抱き締めた。
久し振りのゆきちゃんだ。
僕の胸にぐりぐりと頭を押し付ける彼女が可愛くて悶え、
ふわりと揺れる彼女の髪を一房掬い上げキスをする。
しばらくゆきちゃんを抱き締めたまま愛でていると、階段の方から足音が聞こえた。
ゆきちゃんは我に返り、顔を真っ赤にして離れた。
「あー、もう可愛い」ボソッ
思わず漏れ出た言葉は幸い彼女には聞こえていなかったようだ。
中に入ると珍しくゆきちゃんの部屋に廉士さんがいた。
僕を見るなり抱き付こうとしたので丁重にお断りした。
僕が原因であんな出来事があったのに、僕のことを当たり前のように受け入れてくれる彼女らの存在が嬉しかった。




