最高の彼女
実咲と付き合い出し、仕事も3年目になって更に楽しくなってきた。
仕事も恋も充実とはこんな感じなんだろうな……。
でも、そろそろ転勤の事も頭をよぎる様になってきた。
来年は地方の営業所かも知れない。
間違いなく転勤はあるので異動を意識していないといけない。
実咲は本社勤務採用なので異動はない。
遠距離恋愛も考えとかなきゃいけない時期になってきたのかな……。
近いうちにこれからの事、実咲と話さなきゃ……そう思う様になっていた。
ある日、いつもの様に実咲に会っていた時、これからの事を話すタイミングになったので転勤の事をどう思っているのか聞いてみた。
「そっか……、転勤か……。 あるよね、もう……。 司は全国希望?」
転勤先は、全国かエリア内か決める事ができた。
全国にした方が、キャリアアップにもなるし当然昇給や賞与も変わってくる。
営業に配属された時点でどちらかの選択ができ、俺は全国を選択していた。
「俺、全国。 北海道かも知れないし、沖縄かも知れない。 実咲、遠距離は嫌?」
「正直、寂しいなと思うとは思うけど……。 会いに行けばいい話なのかなとも思う……。 けど、もう考えとかないといけないんだよね。 そう遠くない話だもんね……」
実咲はこの話にも落ち込む様子もなくどちらかと言えば前向きに捉えてるみたいだった。
実咲はいつもそんな感じだった。
プラスに考えれる人、何かにつまずいても視点を変えて物事を見れる人だった。
いつも穏やかであまり焦る事もない、目の前で起こった事を受け止め解決策を考える、そんな実咲と居ると俺までもそんな風に考えられる様になってきた。
けんかにもならず、いつもいい時間を過ごせていた。
「いつかさ、結婚するのかな……」
サラッと出た言葉だった。
でも、お互い一生を左右する事。
こんなにサラッと言っちゃダメだよな……。
我に返った。
「あ! ごめん。 変なつもりじゃなかったんだけど……気にしないで!!」
「司は結婚、考える? どんな風になりたいとかあるの?」
「漠然と……かな?」
「そこに私は居る? 居ていいの?」
「普通に居る事が想定できたからさっき言っちゃったんだと思う……。 実咲は結婚の事考えないの? あ! 相手が俺じゃなくてもさ、友達だって結婚してる人増えてきたでしょ? そういう意味でだよ」
「相手は司がいいな。 そりゃそうでしょ? 今、好きで付き合ってるんだから。 司の横にずっと居ていいならそうしたいけど……」
「俺は実咲がいい」
「……私はこんなに幸せでいいのかなぁ……。 けどさ、付き合ったのも急だけど、結婚の話も急だねーー。 決まった訳じゃないけどさーー」
俺たちはまた大笑いした。
「ちゃんとプロポーズはするから」
俺は実咲にちゃんと伝えた。
「ありがとう。 じゃあ気長に待ってようかな……」
実咲は嬉しそうにそう言っていた。
俺たちはお互いの未来を意識し、これからも続く2人で作る時間に何の迷いもなかった。
実咲ならいい奥さんだしいい母にもなると思う。
実咲そのままの子供が産まれたらいいな……。
そんな実咲との未来を思い描けた。
ありがたい事に実咲も俺がいいと言ってくれている。
お互い本当に合う人を見つけたのかな……。
幸せそのものの未来。
それしか描けない未来。
この人を失いたくない。
ふわっと後ろから抱きしめた。
びっくりしている実咲に更に腕に力を込めた。
「実咲、絶対幸せにするから。 どこにも行かないで俺の傍にいてよ……」
「司、幸せにしてくれるのはわかってるよ。 私、どこにも行かないよ。 私が司の事を好きなの、知らない? 結構、好きなんだけど伝わってないのかな?」
笑った実咲が一番好きだ。
「ほんと私って幸せだねーー」




