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目が覚めたら平原だった――
というより植物もところどころでしか生えてないので荒地と言ったほうが良いのかな……いや今はそんな事はどうでもいい、なんだこの状況は。
地面が細長く数十メートルほどえぐれており、その端の片方には片膝をついた満身創痍という感じの金髪のイケメン、白銀の鎧がかっこいい。反対側には頭に黒い角がふたつある赤い毛をしたひと、こっちはうつ伏せで倒れているしマントで全身が隠れているのでよくわからない。さらにその二人の真後ろを除きそれをかこむように人だかりができていてこちらを注視している。金髪のイケメン側には人間が多くて頭に角が生えてる人側は人外が多い、さっきまでまるで二人の戦いを観戦していたかのようにみえる。そしてその中央に全裸でたたずむ私…………ぜんらで……
「――っ!」
まってまってどうして全裸でこんないかにも戦場みたいなところにいるの!たしかに生まれたばかりで服を着てるいきものなんていないから全裸はまだわかるけどさ!もう少しいい場所とかなかったわけ!?こういった転生系といえば森の中にある湖の近くとかが多いはずなのに……
ちくしょおぉ……うずくまったのはいいけどこれからどうしよう…………あ、尻尾がある。ほんの少しだけ灰色がかった白でふわふわさらさらの尻尾だ。
感覚があるし私の尻尾だろう。よく意識してみると耳も横ではなく上についてる気がする。
現実逃避ぎみに考え事をしていると誰かが近づいてくる足音が聞こえたので少し顔を上げてみると全身鎧の人がこちらにむかってきている。手に布のようなものを持っているのでもしかして助けにきてくれたのだろうか、そうだと思いたい。
「――――」
声は低めだけど多分女の人だろう。内容がうまく聞きとれなかった。
「――――」
と思ったけど……これはもしかしなくても言語が違うのでは…………
たしかに転生ものでは定番だけどこれでは意思の疎通ができない、とりあえず差し出された布を手にとり身にまとう。
よし、少し小さいけどこれで動ける。どうせお礼を言っても通じないだろうしこれ以上衆目にさらされる前に軽く会釈だけして移動しよう。
「おわっ」
「――、――――?」
あれ?うまく歩けない、バランスを崩して目の前にいる鎧の人に寄りかかるように倒れてしまった。立つところまでは大丈夫だけど歩くとなるとうまくバランスがとれない、どうしてだろう。
そんな事を考えていると鎧の人が流れるように私の背中と太もものあたりに手をのばしてきた。
「っ!」
次の瞬間体が浮かぶ感覚がしてちょっとびっくりした。この体勢は横抱き、いわゆるお姫様抱っこというやつか。不安定とはいえちゃんと地面に立っているのでやりづらいはずなのにこんな軽々とやるのはすごいと思う。慣れてるのかな?いや、戦場にいるくらいだから鍛えてるだろうしこのくらいは出来るのだろう。
さすがに全裸でいるよりかはましだけどこれはこれで恥ずかしかったりするが、いま暴れても危ないし降りてもまともに歩けないのでおとなしく抱っこされておく。
すごく注目の的になってる気がする、こっちを見ないでほしい。少人数に見られるならまだ興奮するけどここまで多いとさすがにきつい。
そうだこの布で顔を隠してしまえば恥ずかしさが軽減されるのではなかろうか、布は膝のあたりまでしかないのでそうすると太ももが半分くらい出てしまうけど股の間は尻尾で隠せるしお尻もぎりぎり見えないはずだ。
しばらくすると歩くのが止まり、私をかかえてる鎧の人が誰かと少しだけ話をしたあとすぐに歩きだした。周りから小さいながらも話し声が聞こえる、頭から布をかぶっているのでなにも見えないが多分あの人だかりを歩いていて私の事でも話しているのだろう。
しばらくするとその声も聞こえなくなってきた、多分あの人だかりをこえたのだろう。
どっちにしろなにも見えないので目をつむる。鎧の金属音や足音、風の音がちょうどいい感じに耳を刺激してなんだか眠くなってきた。
こんな状況で眠くなるなんて危機感がなさすぎるなと思いながら流されるまま私は意識を手放なした。




