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導入

 ――ここは……どこだろうか……


 見渡す限り一面の白い世界、立っている感覚がなく上も下もわからない。

 自分はどうしてここにいるのだろう、確か寝る前にお茶を切らしてることに気づいてコンビニに行こうとして…………それからどうなったんだっけ。


「聞こえるか人間の魂よ」


 誰だろう、どこからか声が聞こえてくる。でも回りを見渡しても何もなく誰もいない、それに魂? もしかしたらこれは夢の中なのかもしれないな。


「夢ではない。おぬしはすでに死んでいるのだ」


 …………それは本当なのかな、いかんせん記憶が途中で切れてるので信じきれないし、もし本当だとするとどうやって死んだのか気になる。


「そうだな、簡潔に言うとおぬしがコンビニに行った時にちょうど刃物を持った強盗がいたがそれを無視して買い物をしようとしたところ逆上した強盗に後ろから刺された、という感じだな」


 ……否定ができない、私はすごくめんどくさがりなのだ。そんな面倒な状況だと私なら知らぬ存ぜぬ我関せずで通そうとするかもしれない。


「さて、気が済んだのならさっそく本題に入らせてもらおう」


 本題?


「おぬしにはわしらの作った世界に移動してもらう」


 ……それはつまり異世界転生というやつですか。


「そうだ。おぬしが読んでおった書物にもよく出てくるあれだ」


 どうしてそれを……しかもそんなこと急に言われても…………


「わしは神だからなんでもお見通しなのだよ。それにおぬしは前世に未練なんてもう無いし悩む必要もないだろう」


 たしかにあんなつまらない人生に未練なんてほとんどない。あるとすれば今読んでいる本続きが読めないのが残念だと思うくらいだ。……でもどうしてそんな事をしてるんですか。


「いやな、いま神のあいだで魂を別の世界に転生させてそれを見守るのが流行っていてな、わしもやってみようと前世に未練がなさそうな人間を適当に連れてきたのだよ。自暴自棄になって世界を壊されてもこまるのでな」


 なるほど、つまり暇つぶしにつきあえと。


「まあ簡単に言うとそういう事だな。こちら側の都合に合わせてもらう故ある程度の要望も受け付けておるぞ。例えばさっきから頭の隅ににある姿や特徴、欲しい能力を持った状態で転生させることも容易だぞ。もちろん世界のバランスが崩れない程度に抑えられるが」


 頭の中の表面ならまだしも奥のほうまで読みとるのやめてくれませんか……


「それはすまない……だが要望はだいたいわかった。では時間も惜しいしさっそく転生といこうではないか」


えっ、そんなきゅうに――


「では楽しんでくるといい」


っ…………いしきが――遠く――


――――


…………

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