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七彩の魔術師~捨てられた少女は二度目の人生を妖精と歩む~  作者: ウィン
第十三.五章:サモナーズウォー大会編
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第四百八十七話:エキシビションマッチ、VSアリシア

 急遽設けられたアリシアとの一戦。決勝で戦おうという願いは叶わなかったけれど、こうして勝負の機会を与えられたことは喜ばしい。

 私はリバル戦で入れていたホムラのカードを含めたチートカードを抜き、通常の【ドラグーン】として戦う。

 環境が変わればどうかわからないけど、今のところは流石に使ったら無双ゲーになってしまうからね。大事なアリシアとの一戦でこれを使うのは流石に憚られる。


「こんなにも早くこの時が来るとは思わなかったわ」


「私も。楽しみだね」


「ええ、この時を楽しみにしていました」


 お互いにデッキの構築は知っている。今まで何度も戦ったし、その度にあれこれ考察していたのも知っている。

 だからこそ、それがこの場でどう生かされてくるのかが楽しみでならない。アリシアは間違いなく私が今まで相手にした中で一番強いから。

 お互いにデッキをカットし、先攻後攻を決める。どちらも冥界肥やしを優先するデッキだからできれば先攻が欲しいところだったけど、残念ながら先攻を取ったのはアリシアの方だった。


「私の先攻ね。行きますわよ」


「かかってこい」


 アリシアのデッキは【ホーリーナイト】と呼ばれるテーマのデッキ。

 冥界に存在する【ホーリーナイト】の種類の数だけ攻撃力に補正がかかる特性を持っており、さらにそれぞれの召喚獣には自力でデッキから冥界にカードを落とす特殊能力がある。また、冥界の【ホーリーナイト】の種類によって特殊能力が変わるので、扱うには結構なテクニックが必要となる。

 元々短期間とはいえ環境デッキだった時期もあるデッキなので、使いこなせればとても強い。

 ちなみに、私の【ドラグーン】デッキと合わせてもそこそこ相性がいいテーマでもある。召喚獣が持つ冥界肥やし能力は同じく冥界を肥やしたい私のデッキとは好相性なのだ。


「私は支援魔法【聖なる結界】を発動、デッキトップからカードを三枚冥界に送り、その後デッキから【ホーリーナイト】召喚獣を一体手札に加えるわ。これによって、【ホーリーナイト・ライティ】を手札に加えます」


 デッキからカードを三枚冥界送りにするのは一見デメリットのようにも思えるが、先に言ったように【ホーリーナイト】は冥界にいる【ホーリーナイト】の種類の数によって強くなっていくのでれっきとしたメリットだ。

 デメリットがあるとしたら、デッキの上のカードを冥界送りにするのでカードの確認が出来ず、意図しないカードが冥界に送られる可能性もあるってことだ。

 例えば、召喚獣が送られる分にはメリットでしかないが、支援魔法や罠が送られてしまうとデメリットとなりうる。基本的に、支援魔法も罠も冥界に送られてしまうと回収の方法があまりないからね。容易に復活できる召喚獣とは違うのだ。

 ただ、それに関してはデッキ内のカードの比率を変えるだけでそこそこ解決できる。召喚獣を多めにしておけば、必然的に召喚獣が送られる可能性が高くなるわけだし。

 どれだけ支援魔法を積むかは好みだが、アリシアは確か三分の一くらいが支援魔法だったかな。

 ちょっと多いけど、あまりに支援魔法を少なくしすぎても動きにくくなるので難しいところ。私も、これより少ない方がいいとか多い方がいいとかは答えられないし。


「そして、【ホーリーナイト・ライティ】を召喚してターン終了。ターン終了時にライティの特殊能力によってデッキトップからカードを三枚冥界送りにします」


 現在冥界にある【ホーリーナイト】の数はすでに四種類。ライティの特殊能力は罠の破壊なので今のところ関係はないが、場にいるだけでどんどん冥界を肥やしていってしまうので少し面倒くさい。

 それに、バフ効果も相まって下級召喚獣としてはそこそこ高めの攻撃力になっている。こちらの下級もそれなりに攻撃力は高いけど、ちょっと足りないかな。


「私のターン。私は【竜の墓場】を発動、デッキから分類ドラゴンの召喚獣を三枚まで冥界送りにするよ」


 対するこちらのターン。早々に【竜の墓場】を引けたのはかなり運がいい。一気に三枚も冥界を肥やせる万能カードだ。

 ただ、ミレニアがいないので復活まで行けないのが残念なところ。

 このターンではどうしようもできないし、壁を作って終わりかなぁ。


「【ブリリアントドラゴン】を守備状態で召喚してターン終了」


「では私のターン。私は【ホーリーナイト・ガルティ】を召喚。さらに罠を一枚仕掛けてターン終了です。そして、ライティの特殊能力でデッキトップを三枚冥界に、さらにそれに連動してガルティの特殊能力が発動、デッキトップを二枚冥界送りにし、その中に【ホーリーナイト】召喚獣がいたなら、その数だけデッキからカードを引きます。今回は一枚【ホーリーナイト】だったので一枚引きますわ」


 攻撃はされなかったが、これで冥界の【ホーリーナイト】の種類は六種類。後一種類でも落ちれば【ブリリアントドラゴン】の守備力を越えてしまうな。

 同名カードも多いので種類被りすることも多いのだけど、今回はかなり調子がいいようだ。

 特殊能力だけ見るなら今のところどちらも害はないけど、単純に攻撃力が高いのが問題。でも、まだミレニアが引けないんだよね。

 他の復活系のカードでもいいけど、早く引かないと大変なことになりそう。


「私のターン。私は【ドラグーン・コウライ】を召喚、場に出た時に特殊能力を発動し、デッキから【ドラグーン】カードを一枚冥界送りにする。これでターン終了だよ」


「では私のターン。私は支援魔法【聖なる加護】を発動。手札の【ホーリーナイト】召喚獣を一枚冥界送りにし、デッキから二枚引くわ。さらにガルティを生贄に捧げ、【ホーリーナイト・グランティ】を召喚。これで戦闘よ、グランティで【ブリリアントドラゴン】を攻撃」


「受けましょう」


「グランティは冥界の【ホーリーナイト】が三種類以上存在する時、守備状態の召喚獣を攻撃すると貫通能力を得るわ。よってその分のダメージを与えるわよ。さらに、ライティでコウライに攻撃して撃破しておく」


「全滅かぁ」


 アリシアは割と理想的なムーブ。うまく冥界を肥やしつつ、場を制圧してきている。そろそろ冥界も肥えてきたので、一撃死が怖いところだ。

 ただ、冥界が肥えるということは【ホーリーナイト】の弱点を晒すということでもある。

 今回はだいぶ手が早いしそれでもいいんだけど……できれば正面から勝ちたいな。


「ターン終了。ライティとグランティの特殊能力でそれぞれデッキトップから三枚冥界送りにします。……冥界に送られた中に【ホーリーナイト・ルーティ】がいたので特殊能力を発動。このカードがデッキから冥界に送られた時、このカードを復活させるわ」


 【ホーリーナイト】の怖いところは、こうして何もしていなくても召喚獣が増えるということだ。

 この特殊能力を持つ召喚獣は代わりに通常の召喚ができないのだけど、計算が狂うから厄介な存在である。

 ライフはまだ余裕があるけど、そろそろ何とかしないとやばいなぁ。


「私のターン」


 でも、少し事故気味ではあるけど、まだ何とかなる範囲である。

 私は次の引きに思いを込めてデッキからカードを引いた。

 感想ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] どっちが勝つか……
[良い点]  ハクさんが認める好敵手アリシアお嬢様の最良の展開にこれまでの戦いでは出なかったハクさんの若干の焦り(^艸^)それでも運否天賦ではなく〈正面から勝ちたい〉と願うあたりチャンピオンの矜持を感…
[良い点] 小手調べな感じで行くのかと思いきや 順調な滑り出しでアリシアの場が整ってきましたね これもリバルによって不運な目にあったからだと思えます [一言] かかってこいの一言で既にチャンピオンの貫…
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