第94話 見ていなかったもの
レグノアを出てからローデンへ向かう道は、ここ数週間歩いていた西境の空白地と比べれば、拍子抜けするほど整っていた。
主要街道には一定間隔で道標が立ち、荷馬車の轍が深く残っている。昼間なら商人や冒険者とも頻繁にすれ違うため、《警戒圏》へ入ってくる反応の大半も人間であり、何百メートル先まで魔物の位置を探りながら進む必要はほとんどない。
それでもエイルは、補修したばかりなのに再び傷だらけになった装備を気にしながら歩いていた。
長剣はまだ使える。
ただし、できる限り大きな《衝界》は通したくない。内部伝導路へ残る僅かな乱れは、魔力を流すたびにはっきり感じられるようになっており、これ以上無理をすれば戦闘中に性能が落ちる可能性もあった。
だからローデンまでの帰路では、珍しく魔物を見つけても積極的には寄っていない。
素材も十分にある。
レベルも104まで上がった。
今は剣をグレイグへ届ける方が優先だった。
そんな移動の2日目、街道から少し外れた場所で戦闘の気配を拾った。
距離は700メートルほど。
人間が6人。
魔物が9体。
《警戒圏》の反応を見る限り、すぐに死人が出るような切迫した状況ではない。
以前なら念のため近づき、そのまま加勢していたかもしれない。
今回は少し違った。
「……大丈夫そうだな」
すでに人間側が陣形を作っている。
しかも、魔物に囲まれているというより、意図的に一方向へ集めているような動きだった。
急ぐ理由もないため、エイルは街道脇の低い丘へ上がった。
そこで初めて、戦闘へ参加せずに他人の戦いを見ることにした。
◇
戦っていたのは5人組の冒険者と、護衛対象らしい商人1人だった。
魔物は全長2メートルほどの犬型に近い獣で、前脚だけが長く、肩から肘にかけて硬質な骨板に覆われている。頭部は細長いものの口は大きく、上下の牙が噛み合わないほど外側へ反っていた。
単独ならそれほど危険には見えない。
ただし9体が左右へ広がり、交互に前へ出ることで人間側の注意を分散させている。
最初にエイルの目を引いたのは、中央に立つ盾持ちだった。
大盾を持つ男が前へ踏み込む。
右から1体。
正面から2体。
普通なら3方向を同時に受けることになる。
しかし男は正面の2体へ盾を向けなかった。
わざと右側へ身体を開き、最も早く飛び込んできた1体の噛みつきを盾の縁で外へ流すと、その身体を押し込むように進路を変えさせた。
弾かれた魔物が、正面から来た別の1体とぶつかる。
そこで初めて盾を正面へ。
残る1体の突進だけを受け止める。
「なるほど」
力で3体止めたわけではない。
最初の1体を使って2体目を潰し、実際に盾で受けたのは最後の1体だけだった。
すぐ後ろから槍使いが出る。
長さ2メートルを越える槍を持った若い男だった。
突進を止められた魔物へ穂先を向けるが、胸を狙わない。
前脚の内側。
骨板が途切れている狭い部分へ、ほとんど迷いなく刺す。
魔物が脚を引いた瞬間にはすでに槍を戻し、その反動を使って穂先を反対側へ振り、盾持ちと衝突したもう1体の目元を払っていた。
派手さはない。
それでも速い。
エイルの《剣術》や身体能力から見れば、動作そのものを追うのは簡単だった。
ただ、無駄が少なかった。
「槍って、ああやって使うのか」
これまで槍使いと一緒に戦ったことはある。
ジークの戦闘も短時間なら見ている。
しかし自分自身が敵の処理や周囲の探知を担当している最中だったため、足の位置から穂先の戻し方までじっくり見ることはなかった。
さらに後方では女性魔術師が杖を上げる。
「左、3体まとめるよ!」
「寄せる!」
盾持ちが前へ出た。
魔物を倒すのではない。
盾を地面へ斜めに当て、《盾術》による短い押し込みを繰り返し、左側から入ろうとする3体を徐々に同じ方向へ寄せていく。
そこへ別の剣士が回り込んだ。
片手剣。
身体強化。
それだけなら珍しくない。
しかし剣士は敵を斬ろうとせず、足元だけを狙って浅い斬撃を重ねていた。
大怪我をさせる必要はない。
移動方向を変えさせるための攻撃。
3体がほぼ一直線へ揃った瞬間、魔術師の杖先から風が走った。
「《風縛》!」
空気が渦を巻く。
攻撃魔術ではなかった。
地面近くへ細い風の帯が何本も発生し、3体の脚へ絡みつくように回転する。
魔物の速度が落ちる。
そこで初めて、後方にいた弓使いが3本の矢を続けて放った。
1本目は先頭の喉。
2本目は中央個体の前脚。
3本目は最後尾の眼球。
狙いが全部違う。
先頭だけがその場で倒れ、残る2体の動きが崩れたところへ剣士と槍使いが同時に入る。
数秒後には3体とも動かなくなっていた。
「……上手いな」
エイルは素直にそう思った。
単純な強さだけなら、今の自分が入ればもっと早く終わる。
《衝界》を数本通せば、それだけで複数体をまとめて倒せる可能性が高い。
しかし目の前の5人は、誰も圧倒的な能力値を持っているようには見えない。
それでも盾術、槍術、剣術、風魔術、弓術を組み合わせることで、9体の魔物をほとんど危険なく削っている。
特に印象に残ったのは、全員が自分の攻撃だけを見ていないことだった。
盾持ちが相手をずらせば、槍使いは最初からそこへ穂先を置く。
剣士が脚を狙えば、魔術師はその直後に風を使う。
弓使いは味方が作った一瞬の停止だけを狙う。
それぞれの技能が、他人の技能へ繋がっている。
エイルは少し考えた。
「僕、こういうのちゃんと見たこと少なかったな」
思い返せば理由は単純だった。
共同戦闘では自分自身が前へ出ることが多い。
救助任務なら誰より先に危険を見つけ、敵の大半を引き受ける。
大規模戦では《警戒圏》と《振動感知》で戦場全体を見ているつもりでも、意識しているのは「どこが危険か」「誰を助けるべきか」であって、一人ひとりがどんな技能をどう使っているのかまでは細かく見ていない。
ソロなら、そもそも見る相手がいない。
だから他人のステータスや技能Lvを知っても、その数字が実際の戦闘でどう表れるのかという基準が、自分にはかなり不足していた。
「演習、見るだけでも面白そうだな」
第18席のジーク。
さらに上の席次。
騎士団。
S級冒険者。
固有技能《戦脈》を持つレオン。
彼らが本気で戦えば、今見ている冒険者たちとはまた違う技能の使い方が見られるはずだった。
自分が戦うことばかり考えていたが、観客側へ回る時間があってもいい。
むしろ今は、その方にもかなり興味が湧いてきた。
◇
最後の魔物が倒れたあと、エイルは加勢せずそのまま丘を下りた。
冒険者たちは多少疲れているものの、怪我人はいない。
なら声を掛ける必要もないだろう。
街道へ戻って歩き始めたところで、視界の端に表示が浮かんだ。
【他者技能の観察による戦闘理解を確認しました】
エイルは足を止める。
「これでも?」
直接戦っていない。
訓練すらしていない。
ただ他人の動きを見ただけだ。
それでも《越境》Lv.6の影響下では、未知の技術や考え方を理解すること自体が成長へ繋がるらしい。
続いて小さな変化が出る。
【《剣術 Lv.51 → Lv.52》】
わずか1だけ。
それでもエイルには十分だった。
自分と違う剣の使い方を見る。
それだけでも伸びる。
「……大会とか、かなりいいかもしれないな」
自分より強い人間の技能なら、何が起きるのか。
少し楽しみになった。
◇
ローデンへ着いたのは、その翌日の夕方だった。
西門の景色は以前とほとんど変わっていない。
門前には依頼帰りの冒険者が並び、荷馬車が順番を待ち、門番が冒険者証を確認している。
エイルも列へ並んだ。
A級証を見せたところで門番が一度顔を確認し、すぐに思い出したらしい。
「あれ、エイルか?」
「はい」
「西へ行ってたんじゃなかったか?」
「戻ってきました」
「見れば分かるが……」
門番の視線が装備へ落ちる。
傷だらけのコート。
表面を削られた軽装甲。
何度も修理した痕跡の残る靴。
そして腰の剣。
「また随分やったな」
「ちょっと壊れました」
「ちょっと?」
最近、同じようなやり取りが増えている。
エイルはそのまま街へ入った。
最初にギルドへ顔を出すべきか少し迷ったが、荷物の大半が装備素材なので、先にグレイグのところへ向かうことにした。
◇
《赤炉》の工房からは、遠くからでも鎚の音が聞こえた。
入口の扉を開く。
熱。
鉄。
炭。
以前と変わらない匂いがする。
奥で赤熱した金属を叩いていたグレイグは、入ってきた相手を一度見ただけで作業へ視線を戻した。
「そこ置いとけ。今手ぇ離せねえ」
「分かりました」
エイルは邪魔にならない壁際で待つ。
数分後。
グレイグが金属を炉へ戻し、額の汗を腕で拭きながらこちらへ来た。
「で、何――」
途中で止まった。
エイルを見る。
正確には、腰の剣を。
「抜け」
「はい」
長剣を抜く。
渡す。
グレイグの顔が険しくなった。
「……お前」
「はい」
「俺がこれ渡してから何年経った」
「そんな経ってないです」
「そうだな」
声が低い。
「なのになんでこんなことになってんだ」
刀身を光へ向ける。
欠け。
傷。
僅かな歪み。
さらに魔力を流した瞬間、グレイグの眉間の皺が深くなった。
「一回直してるな」
「レグノアでドルガンさんに」
「《鉄環》のドルガンか」
「知り合いですか?」
「昔から知ってる。あいつがここまで補修して、それでももう傷んでるってことか」
グレイグは柄元へ魔力を流し、先端まで何度も確認する。
「何を通した」
「最初は《衝撃》です。そのあと上位化して《衝界》になりました」
魔力が止まった。
「上位化?」
「はい」
「いつだ」
「数日前です」
「……見せろ」
グレイグが工房奥の厚い金属板を指差す。
「ただし剣は使うな。素手でやれ」
エイルは金属板の前へ立った。
厚さは20センチほど。
普通の訓練用ではなく、鍛造素材の強度を見るためのものらしい。
掌を表面へ置く。
「どんな技能だ」
「力の通る場所をかなり細かく決められます」
「表面壊さず、中だけやれるか」
「多分」
「やれ」
エイルは《衝界》を流した。
金属板の表面にはほとんど力を使わない。
内部へ。
中心。
そこで小さく広げる。
乾いた音が1度だけ鳴った。
外見は変わらない。
グレイグが金属板を裏返し、横から確認する。
それから鎚で軽く叩いた。
中央部分だけ音が違う。
「……内部だけ歪ませたか」
「はい」
「分岐は?」
「できます」
「収束」
「できます」
「受けた力を逃がすのは」
「一部なら」
「剣から地面へ?」
「それもできます」
質問が次々に飛んでくる。
エイルは1つずつ答えた。
最後にグレイグが聞いた。
「最大出力は、前の《衝撃》と比べてどれくらいだ」
エイルは少し考える。
「単発の威力だけなら、まだそんなに変わってないと思います。でも、今まで無駄になってた力を減らせるので、同じ魔力でも深く通ります」
「つまり実際に剣へ掛かる負荷は増えてる」
「多分」
「多分じゃねえ」
また怒られた。
◇
「素材もあります」
「先に言え」
エイルは背負っていた荷物を下ろした。
最初に高純度《脈晶鉄》。
グレイグは一目見ただけで手を伸ばした。
「どこで採った」
「グラウゼンの地図にない場所です」
「純度が普通じゃねえな」
次に《響殻》。
「鳴殻甲獣か。悪くない」
背中結晶を持つ8脚種の収束結晶。
ここで少し顔が変わった。
「これは知らん」
「魔力を細く通すのが得意でした」
巨大鉱晶獣の中心結晶。
グレイグの目がさらに細くなる。
魔力を流す。
分岐。
再収束。
何度か角度を変えて確かめる。
「……こいつは面白い」
循環繊維。
魔力で硬さが変わる素材。
施設守備機構の魔力繊維。
関節部品。
最後に巨大侵食体から採取した黒い結晶核を出す。
工房の作業台が、珍しい素材だけでほとんど埋まった。
グレイグが何も言わない。
エイルは少し待った。
「ドルガンさんから伝言があります」
「なんだ」
「『お前の客、もう前の剣じゃ足りねえぞ』って」
数秒の沈黙。
「……あの野郎」
悪口なのか、同意なのか分からない。
グレイグは改めて長剣を見る。
この剣は、以前のエイルへ合わせて作られた。
深層循環獣の素材を使い、《衝撃》を高密度で通せるようにし、旧剣の一部まで芯へ残している。
当時なら明らかな過剰性能だった。
しかし、そのエイルはもうLv104。
《魔力圧縮》は62。
《衝界》は27。
剣術も52まで来ている。
作られた時とは使い手自体が別物に近い。
「レベルは」
グレイグが聞く。
「104です」
「……前来た時」
「A級になった頃なら41です」
「ふざけてんのか」
「ふざけてないです」
「分かってるから腹立つんだよ」
グレイグは椅子へ座った。
腕を組み、剣と素材を長い間見比べる。
エイルも黙って待った。
やがて鍛冶師が口を開く。
「補修はしない」
「はい」
「今のまま強化もしない」
「はい」
「作り直す」
予想していた答えだった。
「全部ですか?」
「剣としてはほぼ全部だ。ただし、今の芯は残せる」
エイルの視線が剣へ向く。
旧剣から残してきた部分。
旅を始めた頃から使ってきたものが、今の剣にも入っている。
「残したいです」
「そう言うと思った」
グレイグは素材の1つを指で叩く。
「だが、前みたいに芯の中心へそのまま置くのは駄目だ。今のお前は1本の魔力路だけ太くしても意味がねえ。《衝界》を使うなら、剣そのものが分岐と収束へ耐える構造じゃなきゃならん」
高純度《脈晶鉄》を左へ置く。
「これで基礎の伝導路を作る」
巨大鉱晶獣の中心結晶を右。
「こいつは分岐した力を受ける中継材に使える可能性がある」
収束結晶。
「こっちは剣先寄りだ。内部へ通した力を最後まで散らさない」
《響殻》。
「峰側へ薄く入れる。反動逃がしだ」
黒い結晶核だけはすぐに決めなかった。
グレイグが魔力を通しながら何度も首を傾げる。
「問題はこいつだ」
「使えません?」
「逆だ。使えすぎる」
エイルが少し目を見開く。
「魔力を圧縮する。分ける。戻す。全部勝手にやろうとする。剣へそのまま入れたら、お前の《衝界》と喧嘩する可能性がある」
「じゃあ無し?」
「それを決めるために試す」
すぐには使わない。
素材が強ければ全部詰めればいいわけではないらしい。
それも少し面白かった。
◇
「長さは変えます?」
「少しな」
グレイグが現在の長剣を持つ。
「お前、膂力もかなり上がってるだろ」
「はい」
「敏捷も」
「多分かなり」
「数値は」
「最近ちゃんと見た時よりまた上がってると思います」
「後で測ってこい」
「はい」
「今の重量はもう軽すぎる可能性がある。ただ、重くすりゃいいわけじゃねえ。《衝界》で反動を逃がせるなら、今までより刃側へ重量を持たせても振り回せる」
わずかに長く。
少しだけ厚く。
しかし大剣にはしない。
エイルの戦い方は速度、細かな剣操作、突き、《衝界》の伝達、そのすべてを使う。
単純な重量武器に変えれば長所が減る。
「刃の形は今の系統を残す。先端の刺突性能は上げる。お前、最近斬るより突っ込んで中からやる方が増えてるだろ」
「増えてます」
「だと思った」
完全に見抜かれていた。
「それと柄を作り直す。今までより魔力を剣へ入れる量が増えてるから、握り部分から最初に分ける構造にする」
「柄から?」
「お前が剣先で10本へ分けるなら、入口から全部1ヶ所へ押し込む理由がねえ。最初から複数の細い流路へ入れて、剣の中で必要なだけまとめ直す」
エイルは少し考えた。
その方が剣へ掛かる負荷は確かに減る。
今までは自分が《魔力操作》だけで無理やりやっていた部分を、武器側の構造でも補助することになる。
「かなり変わりますね」
「だから作り直すって言ってんだ」
◇
次に防具素材を見たグレイグは、循環繊維と《響殻》の一部だけ別へ分けた。
「こっちはマルナみたいな専門に回した方がいい。ローデンにも腕のいい軽装職人はいるが、どうせ西へ戻るなら《鉄環》側と連携して作らせてもいい」
「時間掛かります?」
「剣だけなら、試験込みで10日前後は欲しい」
合同演習まで約2週間。
間に合う。
かなりぎりぎりではあるが。
「その間、剣どうします?」
「貸す」
「普通の?」
「普通ので我慢しろ」
「折れません?」
「折るな」
無茶を言われた気がする。
「あと、勘違いするなよ」
グレイグがこちらを見る。
「次の剣を作ったら終わりじゃねえ」
「また壊れる?」
「お前が今の伸び方続けるならな」
否定できなかった。
「今回は今のお前へ追いつかせる。だが、その後またLvが50も100も上がったら、当然話は変わる。だから今回は最初から改修前提で作る」
「育てられるように?」
「そうだ」
エイルの表情が少し変わった。
それは気に入った。
完成して終わりではない。
素材を追加し、構造を変え、持ち主と一緒に更新していく。
最果てへ向かう旅がどれだけ続くか分からない以上、その方が自分には合っている。
「それがいいです」
「だろうな」
◇
グレイグへ剣と主要素材を預けたあと、エイルは工房を出た。
腰には代わりに借りた長剣がある。
長さは似ているものの、持った瞬間から違和感が大きい。
軽い。
魔力を流してみる。
内部路がないため、当然ながら普段使っている剣ほど滑らかには通らない。
「これで《衝界》使うの怖いな」
最大出力は使わない方がいい。
逆に言えば、ちょうどいい訓練になるかもしれない。
装備へ頼らず、必要最低限の魔力だけを通す。
身体。
剣術。
制御。
合同演習までは10日以上ある。
剣が完成するまで何もしないつもりはなかった。
そのままギルドへ向かう途中、ローデンの訓練場から金属音が聞こえた。
何人かが模擬戦をしているらしい。
以前なら特に気にせず通り過ぎていた。
今回は足が止まった。
街道で見た冒険者たちを思い出す。
盾術。
槍術。
風魔術。
弓。
自分が知らない技能は、まだいくらでもある。
そして、それを本当に使い込んだ人間が戦えばどうなるのか。
「少し見ていくか」
エイルは訓練場の方へ歩き出した。
剣が完成するまでの時間は、レベルを上げるためだけにあるわけではない。
今までほとんど見てこなかった他人の強さを知る。
それも今の自分には、十分な成長になりそうだった。




