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ヒロインの姉に転生したので!  作者: ユナユナ
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第八話 君も巻き添えだ

「「お手数おかけしました」」 


「おう」


えー、現在私とシズイ先生はケトルに正座で謝罪しております。

理由?勿論前回の大暴れのせいだけど。


「シズイ、お前は天性の不運を授かってるのを考慮して動けよ」


「あはは、何とかなるかと思いまして」


「思うな。普通の人間は無から物が生まれて頭を直撃しないんだよ」


「そうでしたっけ?私の周りだと皆に降りますからね。君もよく降られてたじゃないですか」


「お前の二次災害だが?!」


ケトルよ。可哀想に。


「嬢ちゃんは顔に哀れみを浮かべないでくれ」


あ、バレてた。

こほん。軌道修正。軌道修正。ついでに顔面も修正。


「シズイ先生ー。さっきの技は何ですか?」


「"カウンター"と"ブラックホール"ですね。

"ブラックホール"の方は闇属性の吸収技ですので、何でも吸収するとだけ。

リーフィリア様に覚えていただきたいのは"カウンター"の方です。ケトルに解説していただきましょう」


「教師が解説を押し付けんなよ!…はぁ。"カウンター"は反射魔法だ。相手に相手の技を返す。ただ魔法を上乗せして書き換えるから、こっちの魔力も加わってはね返した技の方が威力が高くなる。ただ結構判定がシビアで失敗することが多いな」


鈍臭い私には無理そう。

…威力の増幅か。リーフィリア固有の増幅とはまた違うのかな?

増幅自体使ったことないけど、あれは魔力の上乗せとかいう物理でやれないと思う。使用者のリーフィリアより魔力が多い魔法使いの魔力を何倍にも増幅させてる描写あったし。

あ、勿論リーフィリアは無理やり魔力使わされてましたけどね?作中で自分の意思で魔力使ったことないキャラだし。


シズイ先生はケトルの答えにニコニコで頷き、追加補足をした。


「判定は上級魔法なみにシビアなんですが、魔力の練り方自体は難しくないので初級魔法に分類されます」


「自分の属性と相手の技の属性が被ってないと使えないクソだけどな。

使用率ワースト10に入るぞ」


「低っ」


デメリットでかくない?

私、氷属性だけだから覚えても意味ないのでは??


それに私の増幅は全属性対象で味方へのバフの側面が強い。敵にも使えるが、それは敵が強化されるだけである。


「だからこそ、相手の意表をつけるのです。いざという時の手は多いほうがいい。というわけで、今日覚えるのはカウンターです」


「先生ー、出来る気がしません!」


「頑張りましょう♪」


「い、いやー」


「おうおう、頑張ってくれ」


「ついでに君も覚えるのですよ、ケトル」


「なんで?!」


ありゃ。ケトルは解説してたからできるのでは?

と思ったけど、ケトル曰く、対人の為に魔法は意味だけ覚えているのが多いらしい。


「せっかく魔法の才もあるのに無駄にさせておくのは忍びないじゃないですか」


「いや、俺、警備が…」


「私が後で言っておくから。ケトルも巻き添えじゃ~」


「嬢ちゃん?!」


地獄も一人より二人で歩めばハッピハピ。

ケトルよ、一緒に頑張ろう!







ラテン系の彫りの深い顔だち。青紫のアイライナーが施されている、赤紫の瞳はたれ目で釣り眉が凛々しさを一層引き立てている。肩に少しかかる茶色の髪には一房、エルフの証したるグリーンのメッシュが入っている。

…ケトルって意外とイケメン…。意外と。


「嬢ちゃん、何見てるんだ」


「ケトルって40だっけ?」


「修行に飽きてんじゃねぇか。」


だってあれから2時間進展なしだよ?先生はいつの間にか出来た落とし穴に落ちて気絶してるし。ここ、室内ですけどね??


「いや、120歳」


「120っ?!いや、見た目的に40ぐらいかと」


「ハーフエルフだからな」


「エルフって寿命長いんだね」


ケトルの顔が釣り眉がさらにつりあがる。

あ、これ地雷か。 


「だいたい500年はエルフは生きる。俺は半端者だから後せいぜい100年くらいか。そんなんだから村を形成しちまうと排他的になる」


「ケトルやシズイ先生はこんなに優しいのに?」


「まあ、村に属さないやつは外部と関わることが多いからな。俺も初めてシズイに会った時は驚いたさ。こんなに優しいエルフがいるのかって」


ケトルはエルフの村生まれなのかな?

それで迫害されて育ってきたのか。でも、下級貴族って言ってた。うーん。

あんまり聞くのも良くない気がする。


「たしか任務で一緒になったんだっけ?」


「ああ。アイツは優秀で、俺も戦闘では世話になった。

そして遭難・落雷・転落・落とし穴ありとあらゆる不運を体験できたさ」


「何個か命に関わる…

落雷に至ってはよく生還できたね?!」


「あいつのタライをぶん投げたおかげだ」


「あのどこから降ってくるかよくわかんないやつ!」


降ってくる中で比率が高いタライ!

なんでだろ?定番だから??


コンコン。


ノックの後、メイドさんが入ってくる。

シズイ先生の惨状にドン引きしたのか眉毛を震わせたが、そこはプロ。表情を固め直した。


「ケトル警備員。来客でございます」


ケトルに来客??今まで一度も無かったけど。

ギルド関係かな。


「んー、今、嬢ちゃんの護衛中になってるからなぁ、一応」


「別に行っていいよ。私、先生の落とし穴の中身、気になってきたし」


「練習は??…まあ、不運に巻き込まれんなよ」


それは落とし穴の複製が行われてなければ大丈夫じゃないかな。…行われてよな?


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