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ヒロインの姉に転生したので!  作者: ユナユナ
7/12

第七話 不運は続くぜ、どこまでも!

気持ちの良い朝である。

こんな朝にはさっぱりしたいもの。

というわけで我が家の2代良心の一角、シズイ先生に来てもらった。


「リーフィリアさん、勉強のお時間です。

…おや、寝不足ですか?」


「おはようございます、シズイ先生。

寝不足では無いんですが、なんかすっごい悪夢を見た気がして…」


「お大事になさってくださいね。

魔力持ちの悪夢は前触れともいいますから」


「頭にお玉振ってますよ、先生。

多分、現在進行系で気をつけたほうがいいのは先生です」


植木鉢とか鉄板とかが降ってくるよりマシかもしれないが、マジでどうなってんだそれ。


「リーフィリアさんは優しいですね。

ケトルさんに廊下で出くわしたらシッシッてされましたよ」


多分、それは不運に巻き込んだせいだと思う。

どのレベルの不運に巻き込んだか知らないが、聖人よりのケトルに避けられるほどとはおっかない。


「先生、今日は何するんですか?」


「今日は少し応用です。あそこにアツアツのおでんがあります」


「なんで???」


うわ、ホントにある。数十メートル先の廊下に、だけど。アツアツにする必要あったか?ご自身の不幸体質、舐めてない?


「私がそこまで走っていくので、それを全力で阻止してください。時間は10分です」


「10分…、難しそう、ですね。でも数分稼いだらおでんもアツアツじゃなくなって…」


「大丈夫ですよ。魔法掛けて常にアツアツです!」


「なんで??」


というか先生は炎属性じゃないのに、なぜ出来るんだ。


「闇属性で高度な保温機能を追加しました」


なぜそこを高度にした。


「振りじゃないので、おでんに突っ込まないでくださいね」


「おでん♪おでん♪じゅるり♪」


さてはおでんが食べたいだけだな?

公爵家の食材で作るおでんはそら美味しいだろうけど。


「では、リーフィリアさん位置についてくださいね。

ーーーー始め!!」


先生が全力で走っ、いや、体力ないだろ。

トロすぎる!!


絶対おでんに近づけるわけにはいかない。

安全のためにー!!


「"吹雪の大砲"!!」


ただのバカでかい雪玉を飛ばす技だが、私の場合、練り上げるのに数秒かかる。


「遅いですよ。"カウンター"!!」


全く同じ技が出される。


「いや、私のより速いし、デカ!

それ大砲じゃなくて人の体ぐらいあるでしょ!!

ってぎゃあああ!!」


私は先生の技の雪玉に巻き込まれ、ゴロゴロ転がる。

目が、目が回る〜〜。

も、もうどこ打つか分かんないけど、終わってたまるか。


「"吹雪の理"!!」


相手を対象にするとカウンターで返されるなら、撹乱技の吹雪を撒き散らす攻撃でどうよ!!そして、あわよくばアツアツのおでんに入って冷ましてこい!


「"ブラックホール"!!」


何それ?転がされてよく見えなくて分からん。

でも吹雪収まっちゃった。

そのタイミングで私を巻き込んだ雪玉は止まり、私もダウンした。

先生は無事おでんにスライディングしたらしく、珍妙な悲鳴が響く。


「おーい、嬢ちゃん、爆音が外まで…

なんだこれ、大惨事??」


ケトルがドン引きしながらシズイ先生を素通りして私を起こしてくれた。


「うう、額、すった。痛い」


「大丈夫だぞ、嬢ちゃん。

シズイはもっと大惨事だ」


「それ、大丈夫じゃないから」


私は呻きながらシズイ先生を見ると、おでんに顔から突っ込んでのたうちまわっていた。


「どうする?ほっとくか?日常的に頭にものが直撃してる男だからいいと思うぞ」


「良くない良くない。

取り敢えず救急箱、ヘルプ」


ケトルは不服そうだが、シズイ先生の手当てを手伝ってくれた。

そしておでんはシズイ先生が美味しくいただいたのでした。ちゃんちゃん。



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