第二話 心の中の悪友よ、HELP!!
かつての悪友は言った。
転生したらまず何をすべきか。
『安全の確保一択だろ。異世界の治安で生きていける訳ないから最悪は家を乗っ取れ』
と。ムリです。そんな技量ありません。
君みたいに判断能力神ってないです。
『後は…、推しがいるなら推しとけ。
生きがいはマジぱあないから』
推しは、エクアドル先生かな。
うん。推しは大事。格言だね。
安全の確保かー。異世界って盗賊とか邪教団とか普通にいるし、襲撃イベント無いと盛り上がりにかけるから治安悪いもんね。平民落ちは信頼できるパートナー見つけないと怖くて出来んわ。
魔法に頼る…も、有りかもしれないけど、魔法の撃ち合いって勝てるか分からんしな。覚えるには越したことないけど。
「行くか、図書室」
父様も貴族としては育ててくれるみたいだし、図書室も当然別館にある。
ここにはメイドも執事も最低限しかいない。勉強とご飯、身の回りの家事、それぐらいしか関わらないから自分の行き先を告げる必要もない。
これは父様がケチってるわけではなくて、あまり人を信頼してないから。本館に至っては魔導ドールしかいない。
人間不信というより、高位貴族だから暗殺とか警戒してるんだろうね。
図書室に入ると兄様がいた。
「リーフィリア?」
兄様は読書をしていたのに、私に気づいて駆け寄ってくれた。この年でもう人間が出来上がっている。凄すぎる。
「兄様も勉強しにこちらへ?」
「ああ、リーフィリアもかな?」
「はい。魔法を覚えたくて」
「……覚えるの?」
不自然な間。え、何か覚えたらダメな理由とかある?
顔を曇らせないで。怖いよ、兄様。
「うん、そうだね。覚えたほうがいい。
ボクもいつまで君を…」
不穏なセリフも追加されました。私、まだ8歳。幼女にも容赦なく死亡フラグを立てないで?!
「に、兄様?」
「あ、ごめんね。初級魔法だと…いや、まずは属性を測ったほうがいいな。頭に手を置くから驚かないでね」
「はい」
そういや、私の属性ってなんだろ。
光属性はヒロインしか使えないし、リーフィリアはストーリーで魔力を制御されてた…。
うん?制御されてた?
あああああ!リーフィリア救出のサブストーリーあるじゃん!メインじゃないから忘れてたわ!
このストーリーって確かリーフィリアの兄グレイスに魔力鑑定してもらったことが原因で起こ………はい、バカです。バカはここにいます。
「属性は氷。と、っ!」
兄様の目が見開かれる。大きなお目々くりくりで可愛いね。なんて言ってる場合ではない。
リーフィリアは特殊体質で、魔法の増幅能力がある。ストーリーでは妹が助けに来るまでずっと利用され続けるのだ。
「ぞうふ…いや、なんでもないよ」
兄様はよしよししてくれた後、いくつか本を見繕ってくれた。お礼を言った後、私はダッシュで部屋に戻った。
だって。まずい。まずい。まずい。まずい。まずい。まずい。まずい。まずい。
「に、兄様と私って教団関係でストーリーにからむキャラじゃん!!」
「いや、私だって忘れたことに言い分あるよ?何年前に最後の周回したと思ってるの!このストーリー進むための攻略対象推しキャラじゃないし?忘れるわ!!」
誰に言ってるんだろ。でも、主人公の兄妹でありながら、一部の分岐後のストーリーでは黒幕もやってるせいでそれ以外だと暗躍してるか影薄いかのどっちかなんだもん。
「兄様黒幕ルートってどんなストーリーだっけ?!マジで過程思い出せないよ?」
父様が大半のストーリーのラスボス張るせいで、記憶に無さすぎる。あっちだと推しキャラのエクアドル先生が殺されるから覚えてるけど、こっちのストーリーほぼ出てこんからな。
取り敢えずリーフィリアが滅茶苦茶利用されまくるのしか覚えてない。マニアが興奮し…それはどうでもいいわ!
フラグ回収済みのバッドエンド回避はどうすればいいですか、心の中の悪友よ!
『このおバカ、仲間を作らんかい』
はい!マジありがとうございます!!




