出発!
「おぉー」
特戦群のエリートたちが、エレベーターの中で少年のように外の景色に見入って感嘆の声をあげている。
特戦群の人たちも一応人間なのだと竹本は心の中でメモしながらガラス張りのエレベーターから外を眺める。
今日のカルタリアは、快晴で雪国特有の照り返しが眩しい。白い雲が所々に浮かんでいるが、地球のような青空が広がっている。
やはりここは美しい。感動しながら胸ポケットからDカードを取り出すと、地上ではうんともすんとも動かなかったものが使えるようになっている。
周りの隊員たちに一回断りながらDカードでバイサスさんに連絡を入れた。
「はい、バイサスです」
「あ、こんにちは。前回お世話になった竹本です」
「お、久しぶりだね。どうした?」
バイサスさんが覚えていてくれたことに安心しつつ、今回の目的と大所帯であることを簡潔に伝える。
「ふむ。では、前回同様ミーシャとツヴァイを送りますので待っていてくれ」
「かなりの大所帯なのですが、言葉の関係から全員にDカードを持たせたいのですが」
「あぁ、そうだな。うーん、そこら辺は確かにスライムとかは出はするけど、一度にみんなの分が出現しているとは限らないからなぁ。・・・ちょっと待ってくれ」
数秒間向こう側が無音になったが
「よし、今回は最初全員分のDカードが出無さそうなことから観光部署に問い合わせたところそちらに貸し出せるだけの翻訳機があるそうだから、ミーシャたちにそれを持たせる。Dカードは今回迷宮ユスカルに入る予定の者たちだけ手に入れてくれ」
確かに妥当な判断だ
「了解しました。では、後ほど」
「おう、楽しんで行ってくれ」
通話が終わると同時に、ちょうどエレベーターのドアが開いた。
竹本はDカードを胸ポケットにしまいながら足を踏み出した。




