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行きたい!行きたい!行きたい!

竹本情報小隊長は病院から解放されたかと思えば、1週間後またダンジョンに潜ることが決定した。

ただし、今回は数名の学者と政府関係者が同行することとなった。

彼らの護衛が主任務ではあるが、竹本はダンジョン内の迷宮を探索してみたいと思っていた。

そのことを菊池師団長に相談してみることとした。

ダンジョンの入り口がある空き地は九品寺宿営地と名付けられ、現在も要塞化が進められている。

本部も仮本部のあった熊本市総合保険福祉センターの会議室から、敷地内のプレハブハウスに移されていた。

暦上では立秋が過ぎ、秋なのに明らかに“残暑”とは言えないほど蒸し暑い日差しが続く中、竹本は本部のドアを叩いた。

「入れ」

「失礼します」

中に入ると、空調の涼しい空気が体を包み込んだ。

菊池師団長は、メガネをかけてデスクで書類に目を通していた。

似合うか似合わないかはここでは言うまい。

「おう、竹本かどうした」

菊池はメガネを外し、わずかに口元を緩めて竹本を見た。

「次回のダンジョン探索任務で、相談したいことがありまして」

「なんだ?」

「前回、ダンジョン探索時に向こう側の市長、バイサスさんが迷宮ユスカルや魔法の使用方法などを教わることが出来ると言っておりました。全てのダンジョンで同様の使用かは分かりませんが、一般人へのダンジョン解放前にそれらを知る必要があると思いますがどうでしょうか?」

菊池はペンを弄りながら竹本の言葉を咀嚼した。

「確かにそれは重要だが、今である必要は?」

「もしも、全てのダンジョンで魔法や不明の物質が出てきた時、先にノウハウがあればどう対処すべきか分かります。また、もしも日本人の探索者が魔法を使えるようになるとなれば、それ関連の法律が必要になる可能性が高いです。それらは、一朝一夕で作られたり、築くことはできないので早めに習ったほうが良いと思ったので」

“魔法”と“法律” と言う言葉に菊池の目が鋭くなった。

「そこまでいくと政治の話になる。武官である我々が首を突っ込むと非常に厄介な状態になる」

そこで菊池は大きくため息をついた。

天井を見上げながらしばらく黙り込んだ師団長がペンを机に置き、竹本を見据えた。

「ただ、お前の言いたい事は尤もだ。上の方に掛け合ってみる。ただあまり期待はするな」

「ありがとうございます」

竹本は深々と一礼すると敬礼して退出した。

竹本を見送りながら、菊池は眼鏡を掛け直し書類を手に取った。

優秀な部下を持つのは大変だ。そう、1人ゴチながら、菊池の顔には小さい笑顔が映っていた。


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