35:防犯回線
寝落ちしてしまいました!
谷山はダンジョンで栽培されたコーヒー豆を焙煎し、磨り潰す。サイフォンにコーヒーの粉末を入れ、水の入ったフラスコの下からランプで炙る。沸騰した水は上昇し、コーヒー豆を泳がせる。温度が下がると自動的に黒く染まった水がフラスコに戻る仕組みだ。
「摘みたて、挽き立てが飲めるなんて最高だなぁ。鼻の奥からスーッと香りが抜ける……」
「マスター、その黒い飲み物は本当に美味しいのですか?」
「エリカ、試しに飲んでみるか?」
「はい……ゴック、うえぇ~にがいですうぅ」
「苦いか? 少し焙煎しすぎたかな~すまんなぁ」
「いえ、マスター趣向なるもの、私めにも極めさせて頂きたい」
「そ、そう? じゃあ、今度教えるね」
「ありがたき幸せ!!」
「あーずるいですマスター! 私にも教えて下さい!!」
「わかったよ。ベルにも一緒に教えるよ」
ベルニールの丘ダンジョンの中央管理室では、優雅にコーヒーを楽しむ谷山と、エリカとベル、そして、谷山の補佐を努めるオペレーションピクシーのマリ。あれから谷山の怒涛の農業政策によってもたらされたDPによって、ダンジョンの面積、階層を右肩が上がりすぎて外れるぐらい急増し、ベルニールの丘周辺の面積しかなかったダンジョンは、レベリスト山脈まで達してしまっていた。ひっそりと爆発的に増築される地下ダンジョンは、鼠算のように増えていくようだった。
ダンジョン内の作業員であるゴブリン達は、魔力に満たされた食事や、ハードな軍事訓練が影響し、ゴブリンソルジャーや、ハイゴブリンへ進化を見せていった。また、そのニ種を経由してオーガ、オーガジェネラルなど、適性にあった進化を遂げていった。
エリカやベルはというと、さらにその上のランクである鬼人である。鬼人は強靭な肉体を持ちながら、怨霊の集まりとも言われており、いわば霊と人のハイブリットである。当然霊体化も可能で、物理ダメージがかなり軽減するし、アンデッドや霊体の魔物でも、素手で掴んで食いちぎってしまう程の天敵である。
だが、二人の見た目は角こそ生えているものの、脅威が感じられない。ハイゴブリン時代の二人の容姿はあまり変わらず、背丈が少し伸びたくらいか。対照的なのが、ベルの胸がふくよかな事くらいだろう。前衛のエリカは訓練で体が絞られた影響かもしれないが、密かに妬みを持っていることは言うまでも無い。容姿もそうだが、格好もかなりラフだ。方やワンピース。方やオーバーオールである。
「いやまぁ~しかし本当に大きくなったな。もうする事ないんじゃないか?」
「マスター。ここまでの規模のダンジョンは、それも人の往来の多いこの立地では珍しいと思われます。」
「このままダンジョン暮らしもありか? 作業的に熱中しちまったけど、しばらくのんびりしたいね」
「マリは、いつまでもマスターの補佐をさせて頂きます」
「ありがとう。人気のないところに入口開いて、外出るのもありだな。町とか行ってみたいし」
「エリカもも連れて行ってください!」
「エリカは警備司令としての責務があります! ここはベルをお供に」
「ベルに身辺警護が勤まるのですか! ここは警備司令直々に!」
「まぁまぁ、そいたら二人で行こうよ。ダンジョンはマリが見てくれるし」
「お任せ下さいマスター」
「「よし!」」
「そうと決まれば、出入口の選別だな……」
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おん! どれが発報した? マリ!」
「防犯回線とこじ開け発報です。場所はR-8の3バンクです」
「エリカ指揮を取れ、巡回中の隊員に現場確認」
「イエス、マスター!」
コーヒーは酸化しやすい物ですね。時間が経つと渋み酸味が増します。
真空パックで買うのがオススメですね!
喫茶店でもブレンドが一番回転がいいので、高い豆だといつ入荷したものかわかりませんから、本来の味が楽しめないかなと思います。
サイフォンはいいですねー知り合いが持ってますが、いいものです。




