33:盗賊団の命運
冬将軍到来ですね
レベリスト山脈を根城に、多くの商人から金品などを巻き上げて、討伐依頼に出した冒険者を返り討ちにし、山道を封鎖に追い込んだ凶悪な盗賊団がいた。。ランドハルド王国の時の丞相ベルケン・ハワードは、国家ぐるみの工作員と睨み、調査団を派遣するも尻尾を掴む事が出来ず、苦肉の策で囮捜査を実行。結果としては失敗に終わったのだが、その後の盗賊団の行方は謎のままだった。
ベルニールの風の面々が、作戦行動を起こす少し前に遡る。ルネタイト公国ベルネッタ・エーリス侯爵
に仕える特殊作戦軍は、盗賊に扮し、目下作戦行動中であった。任務内容は、山道を行き来する商人への通行妨害及び可能ならば積載物の奪取。商人をなるべく殺さずに行う事で、情報の伝達に仕える。傭兵団の数が多ければ多いほど攻撃を仕掛けた。立地、数、能力、どれを取っても有利であったし、いくら傭兵や冒険者をつけようが突破不可能と思わせれば、損得勘定で動く商人は諦める。バルセルド共和国の有名な傭兵団も初期の段階から各個撃破している。ランドハルド王国の軍隊も、国境沿いでベルネッタ・エーリス侯爵の本隊をチラつかせれば大隊での討伐は難しい。最近では、物資の高騰で金に目がくらんだ商人が、命知らずの特攻にでてくる。
「まったく、こうも人間は欲深い生き物だというのが良く分かるな」
戦利品のリストと、収納スペースを見比べて、程なくして部下に新たな収納スペース確保の任を出す。現状天然の洞窟をアジトにしているため、スペースを作るには横に掘り出していくしかない。戦利品の中から仕えそうな道具を探し、各自作業に当っていった。
「まぁ、燃えるものは燃やしたいところなんだが、一応建前は盗賊だからなぁ」
隊長のリヒードはぼやきながら、隊員の作業を見守る。最初は、こんな山脈にも魔石や鉄鉱石が出土するんだな程度だったが、堀続ける内に出土数も増え、仕舞には魔石の岩盤にぶち当たった。
「隊長! どうしますか?」
「これだけの大きさだ。本国に持ち帰るのは難しいが、スペースも確保したい。どうせ暇なんだ。帰国後に応援を呼んで、持ち出せるようにだけしておこう」
この判断が特殊作戦軍の命運を分けたといっても過言ではない。岩盤は、ある程度大きさを決めて、杭をハンマーで円を描くように打ち込みながら割って行く。魔力を温存していた魔術師達も加勢に加わり、見事魔石の岩盤をくり貫くように抜き取った。
「おおぉ」という歓声が上がり、久々の大仕事をおえた隊員達は一息ついていたが、1人の隊員が、岩盤の奥が空洞である事に気が付いた。
「隊長! 奥が空洞で、スペースがあります!」
「おぉ、当初の目的までも達成されたか。安全確認を行いつつ、中を探れ」
リヒードの指示により、副隊長が指揮を取る。探索チームが直ぐに編成され、魔石の岩盤に覆われていた洞窟へ足を踏み入れた。
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