32:権利主張
インフルが流行ってるようですね
「そ、そいつは俺のだ! 持ち主証明もあるぞ」
「おぉ、ワシの港の使用権利書じゃ。ここにワシの名前がある! 再発行するのに余計な出費がかかるところじゃった」
「はいはい! 慌てずに手続きの程お願いします! ここでトラブルを起こされますと、引渡しが出来ませんよ」
ギルド内では例の拾得物が届けられたとあって、盗賊の被害にあった商人たちは挙って集まった。盗賊の襲撃事態は、逃げる商人には深追いしなかった為、襲撃から生き残ったものが多く存在していた。
「はぁあ、これで首を括らなくて済んだ。旦那様の権利書を紛失したとあっては末代まで奴隷になってしまうところだった……」
彼は他国から大型商船で船を渡り、買い付けを代理できた商人だった。彼が雇った傭兵団は盗賊の巧妙な罠に掛かり壊滅。数人の傭兵に連れられ命は助かったものの現金を含め、商権や、約束手形、入国証、など再発行に時間がかかるものが多かった。
「あの、どなたが届けて下さったのかな? この国では盗賊から回収された物は、拾得者に権利が移り、我々は拾得者から買い取るのが法の定めだと伺っておりますが」
「え、ええ。マンデル氏、貴方の言う通りですが、彼は自分には権利の主張はできないと申し、そのまま立ち去ってしまったのです」
権利を主張するには身分を明かさなければならない。身分を明るみに出せない理由でも? だがそんな者がわざわざギルドに届けるのか? 届け主の行動には大きな矛盾がる。
「私には考えるだけ無駄のようだ。今日は素直に喜ぶとしよう」とぼやいたのち、「して、彼の名前はなんと?」
「タニャマと伺っております」
「承知した。会う事になったら礼をせねばな」
マンデルは書類や契約書の確認が終えると急ぎ早に港へ向かった。
一方のベルニールの風の面々も状況を把握し、事態の顛末を報告する為、より詳しい情報収集を開始していた。
「襲撃された商人の商品やらが、謎の少年によって返却されたらしい」
「ということは盗賊団はその少年によって壊滅?」
「わからん。その少年は盗賊団ってオチがあるかもしれん」
「それ、意味無くない?」
「だが、その少年は盗賊討伐の際の戦利品の権利を放棄したらし」
「それでこの慌てようか」
「メビスタそれは本当か?」
「あぁ、知り合いで、盗賊被害のあった商人から聞いた」
「メビスタ顔が広いな」
「まあな! っでだ、その少年はレベリスト山脈から来たらしい。こっちはギルド関係者から掴んだ」
「怪しい……」
「それでその少年は?」
「レベリスト山脈へ帰っていったそうだ。身軽な格好で、手ぶらだったそうだ。盗賊の事を聞いたら、逃げていったと」
「「「怪しすぎる」」」
「こっからは、自分達で調べるしかなさそうだぜ」
「おいおいマジかよ。そこまで依頼内容に含まれてないだろう。一度戻って依頼主にお伺いだ」
「そうね。盗賊と鉢合わせで戦闘じゃ、割りに合わなくなる。一度交渉して、依頼内容を山賊討伐に切り替えてもらいましょう」
「依頼の大筋は完了してるしね。ベルケン・ハワード丞相の狙いは外れたけど」
「そいつはおっさんの依頼内容が回りくどいから裏目っただけだ。俺らに被はない」
「じゃぁ、ゆっくり休んで、明日にでも出ましょう」
「あいよ」
「了解」
「へーい」
私も財布を何度か落として届けられた経験があるのですが、権利を主張されない方が多いですね。所謂1割貰えるって奴です。
一度主張された方がいらっしゃいまして、警察の方から電話でやり取りして下さいといわれました。意外と控えめな方で、何でもいいといわれたので菓子折りを送りました。主張される方は、はっきり現金書留で1割現金送ってくださいとおっしゃても大丈夫ですよ!笑
ちなみに、ビル管理者や、施設関連の従業員などの拾得は権利の主張が認められませんのであしからず。あと大金にびびって110番した場合も権利主張が出来ません。びびらず交番に持って行きましょう。1000万なら100万円。3ヶ月で丸々です。




