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27:依頼の行方

 盗賊もとい、リヒード隊長率いる特殊作戦軍は、岩山に出来た天然の洞窟をアジトに、今日も山道の通行者を監視していた。洞窟の入口は、魔術師の幻惑魔法によって入口の外見を変化させ、洞窟を隠していた。冒険者による探索の結果が出ないのはこのためである。


 情報元では野良の山賊程度としてみていた為か、魔術師がいるとしても、高度な幻術が使えるものなど、お思いもしない。何故なら実力のある魔術師は国に待遇の良い職場で働く事の出来る、所謂エリート達なのだから、山賊などに成り下がることなどありえないのである。


 だが、ベルケン・ハワード丞相はお抱えの魔術師のカードを切る事が出来ない。余りにも情報が少なすぎる上に、少ない情報は不可解な物が多かった。


1)幌馬車のように、中の様子が見えない屋根つきの馬車は、遠距離から奇襲を受け、魔法で燃やされる  事がしばしば。


2)人的被害が少ない。


3)荷馬車以外の被害報告が圧倒的に少ない。


4)護衛付きの馬車でもお構いなく襲撃。最悪荷馬車を破壊し逃走。


 以上の情報から、ベルケン・ハワードは薄々他国軍による工作ではと勘ぐりはしたものの、尻尾が掴めないでいる。


 どうしたものかと窓の外を眺めていると、従者が乾いたノックで入室し、ギルドへ出していた依頼の受領者が決まったとの連絡が入った。


 「そうか、受けるか」


静かに頷いたベルケン・ハワードは、内心驚いていた。 駄目元で出した依頼に食い付く、強欲な者達がいたかと。


 「直ぐに面談を始める。その者達を呼んでおいてくれ」


 「畏まりました」


 従者が部屋を出るのを確認すると、溜息を溢した。




 


 ランドハルド王国の本丸であるランドハルド城の城下町は普段であれば街道や広場に多くの出店が立ち並び、多くの買い物客で賑わいを見せていた。ところが現在では地元の商店しか出店しておらず、半分以下となっている。

 

 というのもバルセルド共和国と繋ぐレベリスト山道が山賊により、実質的に封鎖されてしまっているからだった。地元の商店も、買い付けにくる商人が来ない為か売り上げも伸びず、閑古鳥が鳴く店まであった。多くの商人や店主は不満を抱えていたが、山賊程度ならば早期に国が解決してくれるだろうとまだ楽観的であった。だが、悲観的な国民も一部であるが存在する。外国の薬に頼っている病人達だ。


 その地方にしか生息しない山菜や、漢方などを初めとする薬草であったり、特定の病気に効く薬剤やポーションなどを、様々な国と貿易を結ぶバルセルド共和国だからこそ手に入れられた薬が今では手に入れることが出来ない。治療師などの回復魔法を扱う者達もいるが、外傷が専門の者達が多く、逆に薬剤師は内科に強いのだが、素材が手に入らない事には薬が作れない。


 「うっ……ごっほっごほっ」


 「ミリア、苦しいか?」


 「お姉ちゃん。ちょっと息苦しいかな……」


「もう少し辛抱してくれ。お姉ちゃん達が、依頼のついでに薬を買ってくるから」


「そんな! 危ないよ……」


「なぁに、ミリアのねーちゃんはウチのチームで一番つえーんだ! そこらの山賊にゃぁ負けんよ!」


「そこらの山賊程度であれば良いのですが」


「たくあんたは空気読めないねぇ、ここは話に乗っかって気楽にさせるところだろう?」


「丞相からの依頼だ。ろくなもんじゃねーが、共和国から薬が届かねーんじゃ、潰すしかねーな」


「依頼金たんまりの大仕事だ。気張るぜ」

 

引き立て役感ぱないな。


次は20日更新で!

今日はぎりぎりでした笑

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