25:周辺地理
少し遅れてしまった。
次の更新は17日かな。
一旦ダンジョンの外の話にもって行きます。気分転換に世界情勢なんかも。時系列も少し先に伸ばして、谷山のダンジョンが完成した所を人間目線で少し書こうと思います。
ランドハルド王国の丞相ベルケン・ハワードは書斎で頭を抱えていた。ランドハルド王国は現在、敵国であるルネタイト公国と休戦中であるが、度重なる国境付近での挑発行為は警備費用をかさ増しされる。
本来であれば流せる程度の事であるが、レベリスト山道に出現した山賊対応が追いついていなかった。レベリスト山道は山脈を越える唯一の道であり、商業貿易国バルセルド共和国へ繋がる道だ。バルセルド共和国は昔、8人の大商人により建国され、商人の国とされる。複数の港を所持し、貿易が盛んな国だ。
二つの国で、経費を出し合い山道の警備を行っているが、ここ最近魔法を使う山賊も現れ手を焼いている。商人も安全策を取り、ランドハルド王国との貿易が止まってしまった。良く経済の話で、流通は血管を走る血液と例えられ、止まれば死ぬといわれる。
現在ベルケン・ハワード丞相はランドハルド王国軍を盗賊狩りに出兵させるべきか、何日もの間悩まされていた。先遣隊として調査を依頼した冒険者は未だ帰って来ず、山賊アジトの特定もおろか、出現ポイントも絞れていない有様であった。これでは大規模な軍事作戦となり、公国を刺激しかねない。隙を突いて進撃でもされたら引っ掻き回されて経費が飛ぶだけで、何も収穫が得られない。
「やれやれ、帝国も山賊如きで援軍要請しようものなら、無能のレッテルを張られるだろうな」
その日のうちにギルドへ立ち寄り、追加の山賊調査依頼を出した。丞相はその後、国同士の流通がダメならば、国内だけで物流を回していく政策転換を考えなければならず、朗報を寝て待つ程の余裕はなかった。
そしてもう一つ、引っかかる報告が魔法省から届けられた。ベルニールの丘周辺にて急激なマナの増減を観測しているというもの。観測の大きな理由は、連結魔法陣と呼ばれる、集団での詠唱による長距離魔法の奇襲対策である。連結魔法陣は、1人では無理な高ランクで高威力の魔法を行う事ができる技術である。その為、あふれ出る魔力や、周辺のマナの集まり方などのデータを基に位置を特定する。
だが、最近ベルニールの丘周辺で頻繁に増減が観測される度に現地調査へ騎兵隊と魔法省の観測チームが向かうのだが、空振りを繰り返しているそうだ。
長い政治経験から培われた丞相ベルケン・ハワードは、こういうものは、自分の都合の良い方へ考えてはいけないと自分に言い聞かせたが、これ以上厄介ごとはごめんだと弱音も吐いた。
あとで地図も作りますが、取り合えず箇条書きでまとめました。
ベルニールの丘:谷山のダンジョンのある丘。ランドハルド王国の南。
ランドハルド王国:君主制の国。位置的にベルニールの丘の対極位置。
ベンラの森:丘の隣の森。
獣人族自治区:ベンラの森に生息する複数の獣人の集落からなるエリア。ランハルド王国の領土。
リアッセ街道:ランドハルド王国とレイガ帝国を繋ぐ商業街道。
レイガ帝国:1000年以上続くレイガ皇帝一族が支える国。周辺王国を属国とする国。
レベリスト山脈:ベルニールの丘を越えると見える東西へと連なる山脈。
レベリスト山道:バルセルド共和国とランドハルド王国とを結ぶ山道。
バルセルド共和国:8人の大商人が、共同で建国したといわれている国。港があり、貿易が盛ん。
ルネタイト公国:ランドハルド王国の東に位置する、貴族社会の国。武勇があれば一旗上げられるのがこの国の特徴。レイガ帝国と対立。




